2015年1月号 NO.5

  1. Alemtuzumab-induced monocytic demyelination in NMO
  2. マサラ映画
  3. 免疫抑制剤で眼の日和見感染症を呈したNMO2例が報告
  4. 第211回神経学会関東地方会が開催
  5. Brain MRIは頭部MRI?
  6. 家庭で魚を美味しく4℃保存する方法
  7. FingolimodのMS以外の臨床試験
  8. ステロイド2.5 mg内服でワクチンの効果減弱?
  9. Natalizumab関連PMLでsymptomaticとasymptomaticとを比較
  10. 「ぴろき」が好き
  11. MS + CISPの邦文報告
  12. コールドプレスジュースが話題
  13. 昔の名前で出ています、Lupoid sclerosis
  14. 注射しないインフルエンザ・ワクチン
  15. タブレット純
  16. ヒトpapilloma virus vaccinationで頚髄myelitis
  17. 2014年ワースト会見ベスト3
  18. 精神障害の労災認定要件
  1. Alemtuzumab-induced monocytic demyelination in NMO という難治例のNMO患者さんでの治療結果が出ています(Neurol Neuroimmunol Neuroinflammation 2014;1:e34)。MSにAlemtuzumabを投与すると1/3に橋本病が出現し、ITPやGoodpasture症候群を起こします。自己幹細胞移植のような治療戦略なので、白血球が骨髄で立ち上がる際に、自己抗原反応性クローンが増殖してくることが予想されるので、本来ならanti-AQP4抗体がflare upしても良さそうな気がします。61歳のseropositive白人女性例では増悪時に脳MRIで造影病変はなく、Alemtuzumab投与20ヶ月後に死亡。剖検ではリンパ球浸潤がなく、リンパ球が関与する免疫応答は抑制されていました。むしろ不思議な気がします。この患者さんやMSでのドラスティックな治療効果とは違って、他のNMO患者さんでは異なる反応が出るかもしれません。マクロファージが活性化され、組織に大量に浸潤し、これが視神経、大脳、脳幹に広範な組織障害を起こしました。この患者さんでの現象から、従来、SPMSでAlemtuzumab治療により造影病変の出現は抑制できるのに、障害度の進行を停止できないのは、マクロファージ/ミクログリア系が活性化されるため、neurodegenerationをストップできないと考えられました。でも、どうして網内系が活性化したのでしょうか?RRMSでは同様の現象は起きてはいないので、NMOに特異なのか、それともこの患者さんに特異な現象だったのか?と著者らはコメントしています。NMO関連疾患でやっちゃあかんね。
  2. マサラ映画 ってご存じでありましょうや?歌ったり踊ったりする南インドの映画なんだそうですが、観客参加型の上映方式で、歌や踊り、主人公が悪者と格闘するような盛り上がる場面では、クラッカーを鳴らし、声を張り上げ、花吹雪をまき散らします。終わった後、ゴミだらけの会場をスタッフと一緒に観客も掃除をします。日本では大阪で始まり、全国に拡大中、とか。香辛料や粉を混ぜ合わせたマサラに似ていることから命名。基本的なマサラをガラムマサラと言うそうです。総合香辛料like。
  3. 免疫抑制剤で眼の日和見感染症を呈したNMO2例が報告 されています(JAMA Neurol 2014;71:1429-32)。いずれも60歳代のseropositive NMO例。それぞれプレドニゾロン 10 mg + Azathioprine 2.5 mg/kg/dayと低用量のプレドニゾロン+ Methotrexate 20 mg/week (この方はRAがあって、Methotrexate 2.5 mg/weekから増量)治療されていましたが、後にCytomegalovirus retinitisとocular toxoplasmosisを発症。それぞれ薬剤の減量や中止を行っていて、重篤な再発はないようですが、免疫抑制剤中止直後ではなくて長期間経過を見ないと、NMOのコントロールの評価はできないかもしれません。
  4. 第211回神経学会関東地方会が開催 されました(2014年11月29日、場所は昔の定番だった都市センターではなくて、砂防会館別館のシェーンバッハ・サポー)。いつのまにか、中休みが10分に短縮。気になった演題をいくつか・・・  
    B-2 発症5日前、体育でバレーボールが左眼に当たり、その後に頭痛と嘔吐で発症した「気脳症を伴った急性硬膜下膿瘍の15歳男性例」がJAとりで総合医療センターの赤座先生から報告されました。東京医科歯科大でMSのBBBの漏れをまとめたヒト。バレーボールが原因なんだそうな。気脳症の原因は、
    1). 外傷後、
    2). 中耳炎、
    3). 放射線照射後の壊死、
    4). ガス産生菌感染症、
    5). 肺炎球菌感染症だそうです。  
    B-4 膿瘍との鑑別を要した大脳白質病変が認められ、横断性脊髄炎を呈し、MRIではNMOのようなcentrally-located long spinal cord lesionが認められた、サイトメガロウイルス感染症が認められた、免疫不全のない49歳男性例が横浜市立脳血管医療センターから報告されました。この例では、抗ウイルス抗体の血清/CSF indexで診断されました。次の患者さんも同様ですが、ウイルスの直接感染なのか、リンパ球が介在した自己免疫的な反応なのかは不明。ただ、フロアーか古い報告では、ステロイドだけで改善した例があり、少なくとも自己免疫的な現象の関与は一部にはあるのではないか、と指摘がありました。  
    B-5 虎ノ門病院からは「HBVウイルス量の増加を伴って発症した脊髄炎の49歳男性例」が報告されました。糖尿病とB型慢性肝炎の既往のある方ですが、HBVが3.0 log コピー/mlと安定していましたが、6.7へ増加。CSFでは蛋白が121、IgG indexが2.46、OCB (+)でしたが、HBV陰性。B型肝炎ウイルスに慢性的に感染している患者の5%でneuropathyが見出されるという報告が紹介されました (J Clin Neuromuscul Dis 2011;13:26-37)。また、CSFからHBVの全長のゲノムを見出した報告も紹介されました(J Clin Virol 2008;41:301-4)。  
    B-6 新潟市内にある信楽園病院・下畑医師は、意識障害を来たし、CSF細胞数が1856/μL、蛋白678、IL-6も高値を示し、脳MRIで脳実質内に小出血などの病変を呈しながら、非常に機能的予後が良好だったVZV脳炎の74歳男性例を報告しました。病態はsmall vessel multifocal vasculopathyと考察。この患者さんでは皮疹があったようですが、文献的にはVZV脳炎の半数は皮疹がないんだそうな。そんなん、診断できるやろか?  
    B-7 順天堂大学静岡病院からはレジオネラ症が報告されましたが、肺炎と脳梁膨大部病変をみたら、レジオネラ症を疑え、と。ただ、尿中に抗原が見出されるのは血清群1型のみだそうで、報告例は2型。この方の診断は間隔が1ヶ月ほどだったようにスライドでは見えましたが(近畿地方会などと違って、抄録は昔からないのです)、入院時と退院時の抗体価の変動で診断していました。Tada, et al. Clinically mild encephalitis/encephalopathy with a reversible splenial lesion. Neurology 2004;631854-8. が紹介されました。  
    B-8 慈恵医大柏病院からは、「細菌性髄膜炎の再発を契機に無脾症が疑われた45歳男性例」が報告されました。防御機能の低下から無脾症が疑われたのですが、既往歴で細菌性髄膜炎が認められたのは35歳のとき。意外に間隔があるものです。死亡率が高いんだそうです。この方は、今回の原因でもあった、肺炎球菌ワクチンを接種しました。他の型に対する抵抗力も付けたかったからと、演者は長岡日赤の藤田部長の質問に答えていました。無脾症は易感染性で発見されますが、原因となる病原体はいずれも莢膜を有していて、肺炎球菌、髄膜炎菌、インフルエンザ菌b型。フロアー(中村先生?)から、国内だったらスズコロイド網内シンチで全くないのか、一部は脾蔵が残っているのか鑑別ができること、すでにどのワクチンを接種したら良いのかのガイドラインが欧米では存在している、とコメント。  
    B-11 国際医療福祉大学からは「Fingolimodで治療中にC型肝炎ウイルスの再活性化をきたした多発性硬化症の37歳女性例」が報告されました。20歳代で入れ墨を入れていて、これがC型肝炎ウイルス感染の原因のようでありますね。以前にIFNα医療を受けていました。4年前にMSを発症し、IFNβ1bさらに1aも試みられましたが、発熱が強く中止。血中のHCV RNAが陰性だったので、治癒したと考えられ、Fingolimodが開始されました。一時、3週間の休薬期間があったため、もう一度入院の上、再導入を試みた直後に肝機能障害が出現。ウルソが投与されましたが、肝機能障害はさらに増悪。HCV RNAも出現したためFTYは中止。その後、患者さんは受診していないそうです。  
    B-13 新潟県立新発田病院からは「抗MOG抗体陽性の視神経脊髄炎関連疾患の34歳男性例」が報告されました。抗AQP4抗体陰性で、胸髄にcentrally-located long spinal cord lesionが認められた脊髄炎に対してステロイド漸減中に再燃。このときに、抗MOG抗体を測定したら陽性。抗体はいずれもCBAによります。AQP4とMOGに対して、double positiveになることもあります!  
    B-18 相澤病院から「テングタケ食中毒による昏睡状態時にburst suppression脳波を呈した64歳女性例」が報告されました。この脳波パターンが食中毒で認められたという報告はないそうです。GABA受容体刺激作用を有する毒素が関与していたものか、と演者は考察。この発表に対してフロアから発言がありました。「自分はクリニックをやっていて、テングタケ中毒はさんざん見てきたけれど、通常は地元民ではなくて、よそからキノコ狩りに来て間違って食べてしまうことが原因。この患者さんは庭に生えていたキノコを食べて発症しているので、地元民なら間違うはずがなく、認知機能に問題はなかったのだろうか。反復する危険性はないのか?」と指摘。これには演者も聴衆もドキッとしたようで、私が今回聞いた発表の中で、最もexcitingな場面でした。  
    A-25 の発表でMR Neurographyの図が提示されました。腕神経叢の炎症性病変を提示する目的で。個人的には初めて見た画像で驚きました。日常診療で利用価値は高いのでしょうか?entrapment neuropathyの障害部位の同定といった局所的な病態だけでなく、hereditary neuropathyやneurofibromatosisといった瀰漫性な病態でも末梢神経の傷害を検索する方法になりうるという総説も出ていました(Am J Roentgenol 2011;197:583-91)。
    抗NMDA受容体抗体関連脳炎の演題が3つありました(これ以外にNMDA型GluR抗体という演題が相変わらず出ていました。AQP4, MOGともども、合成ペプチドを抗原としたアッセイ系では立体構造依存性の抗体の検出はできません。Cell-based assayでないと、何と反応しているのか判りません。座長は何もコメントしませんでしたけどね)。座長は北里大・飯塚教授。  
    A-28 その北里大からの報告。妊娠中に発症した37歳の患者さんで、すでに5例報告されているそうです。この方は、球麻痺で発症し、急速に進行。Blink反射のR1も消失し、水平性眼振も出現。その後に辺縁系の症状が出現したそうな。  
    A-29 防衛医大からは「精神症状が主体となり非器質的精神疾患との鑑別を要した抗NMDAR抗体関連脳炎の49歳女性」が報告されました。急性に精神症状が出現したSchizophrenia患者さんの中に本症が存在している可能性を指摘。鑑別には、本例で認められたように、ミオクローヌスや深部腱反射亢進が決め手になる、と。  
    A-30 自治医大からは「痙攣発作で発症し、多重人格障害を呈した抗NMDA受容体脳炎の一例」が報告。この患者さんは、男性人格2名を含む3名の人格を呈したそうで、パルスで改善。卵巣奇形腫も発見され、緊急手術で摘出されました。女性患者ですが、男性人格が表面化することなんてあるんですねえ。本症での多重人格障害は初報告だそうな。
  5. Brain MRIは頭部MRI? 
    今回の地方会では、ほぼ全員がスライドに記載し、口頭でも言っていました。脳MRIではないのでしょうか?CTのように、Cranial MRIとか、Head MRIなんて言わないですよねえ。
  6. 家庭で魚を美味しく4℃保存する方法   
    一匹物の場合。まず水でエラも充分に洗う。水分を拭き取る。空気を押し出すように、ラップでしっかり巻く。ジッパー袋に入れて密閉し、冷蔵庫へ。切り身も途中からは一緒です。
  7. FingolimodのMS以外の臨床試験 
    1). Acute stroke (Phase2) 中国にて。発症後連続3日間、0.5 mg内服。注射製剤があれば良いけれど、血中濃度が上がるのも怖いです。少量の皮下注?揉まないで。
    2). Schizophrenia (Phase 1) 8週間連日内服
    3). ALS (Phase 2) 28日間内服 (短か!) MGHがsponsor
    4). Rett syndrome (Phase 1 & 2) 
  8. ステロイド2.5 mg内服でワクチンの効果減弱? 
    インフルエンザワクチン接種に来られた方が、MSの疑いでステロイドを2.5 mg内服していて、主治医から「ワクチンの効果は期待できないかもしれないけれど、ま、やっといて」と言われたそうな。患者さん本人は医療従事者ですから、説明内容を誤解はしていないとは思うのですが・・・2ヶ所変ですね。NMOではないようなのですね。あくまでもMS疑いですし、パルスの後療法でもないようです。このお医者さん、NMOの患者さんに3年間、「ステロイド30 mg + イムラン100 mg」投与していた方。世の中、常識から逸脱して自由な診療をされていらっしゃる医師が多いのか・・・時々、驚かされます。PSL 2.5 mgで免疫応答が抑制されるん?あたしゃ、吃驚しました。人類はみーんな、ワクチン接種しても意味ないかも!
  9. Natalizumab関連PMLでsymptomaticとasymptomaticとを比較 した報告が出ました(Dong-Si, Richman, et al. Ann Clin Trans Neurol, in press)。30例のasymptomaticと342例のsymptomatic PML例のまとめ。発症前のEDSSやKarnofsky Perforamance Scale (KPS) scoreは差がありませんが(それぞれp = 0.336, p = 0.475)、診断時では症候性の方が当然障害度が高くなります (p = 0.038, p = 0.008)。診断6ヶ月後はさらに差が大きくなります (p = 0.007, p < 0.001)。生存率にも差があります (96.7% vs 75.4%)。
  10. 「ぴろき」が好き 
    自虐ネタ満載の漫談家で、東八郎さんのお弟子さん。浅草ではストラップが人気だそうな。「ひろし」ほど暗くはありません(未だに、「ひろし」さんも「ギター侍」も好きです。特に、初期のギター侍。シュールだった)。世の中を少し諦めていて、しかし、適度に陽気です。ネタの最後に必ずギタレレを弾きながら、「明るく陽気にいきましょう。いひぃひぃひぃ。」と言います。  
    「こんなボクですが、合コンに誘われました。(会場が笑って)なんか、誘われちゃいけないような雰囲気ですが。どこで何がどうなったんでしょうか?喜んで約束の時間に行ったら、会計の時間でした。いっひっひっひ。」
    また、
    「彼女ができたんです。今日、だれもいないからうちに来て。そう言うんです。喜んでいきました。ピンポーン、誰もいないんです。いっひっひっひ。」
  11. MS + CISPの邦文報告 
    九大(Neurology 2013;81:714-22)や藤田保健衛生大(Neurology 2014;82:114-8)から抗体の報告があり、抗neurofascin抗体についてはスペインからも報告されています(Neurology 2014;82:879-86)。平成26年度の松井班研究グループの班会議で九大から全国調査の結果が報告される予定です。古くは、以下のような報告があります。ずいぶん前に、神経免疫の班会議で全国調査しなかったでしたっけ?
    酒井 則雄, 斎田 孝彦, 市川 桂二, ほか. 慢性脱髄性脳脊髄末梢神経炎 CIDPと多発性硬化症の合併か. 神経内科 1989;31:30-37.
    西山 和利, 増田 直樹, 園生 雅弘, ほか. 多発性硬化症の経過中にchronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathyを呈した1症例. 神経内科 1991; 35:627-634.
    Matsuse D, Ochi H, Tashiro K, et al. Exacerbation of Chronic Inflammatory Demyelinating Polyradiculoneuropathy during Interferonβ-1b Therapy in a Patient with Childhood-onset Multiple Sclerosis. Intern Med 2005;44:68-72.
  12. コールドプレスジュースが話題 
    飲む野菜ジュースとして、NYで人気なんだそうで、東京で次々に専門店(渋谷の「スカイハイ」、恵比寿の「Sunshine Juice」、代官山の「コスメキッチン代官山店」、代官山には他にも「Why Juice?」とか「クレンジングカフェ代官山」)がオープンしているそうです。専用のジューサーで圧搾して作るので、水は加えず、加熱もしないので、ダイエットにも良いんだそうな。果物も入れるため、野菜臭さもないそうですよ。1杯1000円します。瓶詰めは賞味期間3日間。最近、大坂にもオープンしました。
    〠 541-0041 大阪府大阪市中央区北浜1-1-28 ビルマビル1F Tel:06-4707-6668
    E-Mail:info@northshore-hanafru.com
    Web: http://northshore-hanafru.com
    営業時間: 7:00-23:00 不定休
  13. 昔の名前で出ています、Lupoid sclerosis という報告が出ていました(Rheumatol Int 2010;30:431-4)。忘れちゃいけないけれど、なんか、曖昧な概念ですねえ。MS + SLEみたいな概念なのですが、NMOの可能性は本当にないのでしょうか?古い報告が多いのですが、リウマチ屋さんがLupoid sclerosisと診断したケースで抗AQP4抗体を測定してみたいものです。脳MRIでは何も言えないでしょうから。CNS lesionを伴った抗リン脂質抗体症候群でしかないのかな?
  14. 注射しないインフルエンザ・ワクチン 
    次第に販路を拡大してゆくでしょう。米国では2003年に認可されていますが、国内では未承認薬。対象は2-49歳。商品名「フルミスト」。携帯は針のないシリンジだけで、左右の鼻の中にプシュッと吹き込みます。注射では3ヶ月程度しか効果が持続しませんが、このスプレイは1年間有効。価格は3倍して、1万円。注射を嫌がる小児を主要なターゲットにしているようです。インフルエンザで死亡するリスクの高い高齢者は対象外。鼻粘膜からの吸収が悪いのか、局所免疫が衰えていて効果がないのか、不明です。  
    番組では30年以上、入所者でインフルエンザ発症ゼロという特老「清徳苑」の防衛策を紹介。入り口には外来者用の除菌用アルコール、室内の乾燥防止のために濡れタオルを干していて、1日3回交換、ワクチンを全員に接種。これだけなら、まあ、それほど変わってはいないのですが、「ノータッチ手洗い」というやり方を徹底させています。30秒以上石けんで洗って、10秒以上水で流すのですが、ハンドソープを出すときもプッシュではなくて自動で出るタイプを使用し、タオルで拭くとそこにウイルスが残存するので、パーパータオルで手を拭きます。その紙で蛇口を閉めます。(その間、水が流れっぱなしですね。蛇口も自動にすれば・・・)
    (2014年12月5日、テレビ朝日系列「朝チャン」で放映)
  15. タブレット純 
    ムード歌謡漫談なんていう新しいジャンルを築いた芸人さん(40)で、藤田まことのモノマネでは志村けんさんも爆笑したそうな。昭和ムード歌謡の代表、「和田弘とマヒナスターズ」最後のボーカルとしてデビューした過去も。ただ者ではありません。自民党幹事長・石破 茂さん(57)も見に行くファンとか。最近では中学入試問題(文章題)をテーマに歌うネタも。TVで紹介していましたが、確かに文章題の設定は変。途中で物品を落としたとか拾ったとか、落とした商品と同じ物を普通、拾う?
  16. ヒトpapilloma virus vaccinationで頚髄myelitis 
    2012年までに45ヶ国で導入されています。健康な14歳の少女がワクチン接種3日後、左手の脱力とビリビリ感が出現し、5日後には上肢の残りの領域に拡大し、同側の胸部や下肢にも出現(Neurol Neuroimmunol Neuroinflammation 2014;1:e31)。感染症状や発熱はありませんでした。神経学的には、C5以下の両側触痛覚、振動覚低下、左上下肢筋力低下、両側深部腱反射亢進と一過性クローヌス(という書き方からすると下肢だけ?)、左Babinski徴候が認められました。MRIではC1-2にT2高信号病変があり、CSF所見はよく判りませんがオリゴクローナルバンド以外に著変はないようです。Borreliaやリステリア、各種ウイルスは陰性で、ビタミンB12や葉酸、ACE、抗核抗体なども陰性。横断性脊髄炎と診断し、5日間のパルスで症状は改善し、6ヶ月後には軽度の触覚低下が左手と下肢に残存したのみに。  
    HPV vaccination後にCNS脱髄病変は9例に発症していて、その病型は、脊髄炎、視神経炎、脳炎(Autoimmun Rev 2014;13:215-24)だそうで、MSやNMOの鑑別にも関わってくるようです。
  17. 2014年ワースト会見ベスト3 
    「広報会議」を発行する出版社がネット上で男女500人を対象にアンケート調査した結果を発表したことを日本経済新聞などが伝えました(12/5電子版)。
    小保方晴子氏の「STAP細胞はありまーすっ」    67.4%
    元兵庫県議の野々村氏の耳に手を当てる号泣会見(世界に配信され、日本の政治家って変わっていると笑いものになってしまいましたが、他人事かい?永田町のセンセ)   47.6%
    耳が聞こえないことになっていたのに、手話通訳が終わらないうちに質問に答えてしまった、佐村河内守氏      36.6%
  18. 精神障害の労災認定要件 
    1). 対象となる精神障害を発症していること  
    ICD-10の「精神および行動の障害」分類のうち、F0(ADや頭部外傷など器質性精神障害-ボクサーはどうなるんやろ?)とF1(アルコールや薬物)以外の全て。
    2). 発症前概ね6ヶ月間に、業務による強い心理的負荷が認められること
    3). 業務以外の心理的負荷や家族歴や既往歴など個体側要因により発症したとは認められないこと。病気を隠して就職した後に、悪化した場合が問題になります。たとえ業務による心理的負荷があっても、直ちに認定はされず、原病の自然経過を越えて著しく悪化したと医学的に認められた場合に限り、悪化した部分のみが労災補償の対象になります。  
    業務による心理的負荷評価表というのがあって、最近、具体例が新たに設置されました。きわめて複雑。心理的負荷がそれ程強くなくても、恒常的な時間外労働が月に100時間程度あると認められます。パワハラやセクハラも対象ですし、退職を強要されたり、非正規であることを理由に仕事上の差別を受けても対象。  
    労災保険での「治癒」というのは健康な時点まで完全に回復した状態を意味するのではなく、医学上の治療をしてもそれ以上の効果が期待できなくなった状態を言います。たとえ症状が残存していても「治癒」と判定された場合は、療養(補償)給付や休業(補償)給付は支給されません。しかも、重要なことは、これを判定するのは主治医ではなく労働基準監督署で、顧問のような医者が行うのではなくて行政の判断になります。症状の変化を防止するために長期間にわたり投薬などが必要な場合は「アフターケア」を、一定の障害が残った場合は障害(補償)給付を受けることができます。  
    通勤途上での事故(通勤災害)-多くは交通事故-も労災の対象になりますが、相手側の保険がある場合はそっちを先に使うことになります。よくあるトラブルは、事故の相手に「労災があるから大丈夫」と言ってしまい、後で労災の補償も出ないこと。  労基の方のお話では、意外に多いのは訪問先で犬に噛まれた時の誤解で、労災で補償は出ません。飼い主の責任が100%なので、労災から飼い主に請求されます。飼い主が拒否するとトラブルに。