2015年1月号 NO.1
- 非特異的抗神経抗体?
- 黄金の血液
- PPMSへのFingolimod治療の臨床試験 4
- オバショット
- 治療前のリンパ球数とBMIがFingolimodによるリンパ球減少と関連
- BMI < 18.5はどの位か?
- あの新垣 隆さんがTVレギュラー出演
- 抗AQP4抗体の特異性についての検討
- 北部カリフォルニアの患者群でのMS臨床病型の割合
- 選挙を棄権しちゃ、ダメですよ
- 小児でのNatalizumab治療による抗JC virus抗体への影響
- セビージャは俺のことかとセビリア言い
- Natalizumab治療後のCSF OCBの変化
- お野菜クレヨン
- 50歳以上のMS患者へのNatalizumab治療の効果は若い患者と同一か
- Seven sisters
- CHAMPS studyのCIS患者のその後の10年
- 非特異的抗神経抗体?
Biochip mosaics (Euroimmun, Germany)を用いた報告が出ています(Ann Neurol 2014;76:82-94)。最終的には蛍光顕微鏡を用いて、肉眼で判定しているようです。cut
offの血清希釈は1:10。検体数は半端でなく、健康人1703例と分裂病、パーキンソン病、ALSなど他の疾患2533例。NMDAR, amphiphysin,
CASPR2, MOG, GAD65, Ma2, Hu, Yoなど22種。うち、NMDARに対する抗体が10.0%に認められていますが、大部分はIgMでIgG
抗体は陽性検体の12.8% (54/423例)。Amphiphysinに対する抗体は2.0% (86/4197例)で認められ、うちIgG抗体は75.6%(65/86例)で認められましたが、他は稀で、anti-MOGは0.8%(35/4197例)、anti-Yoは0.4%
(18/4196例)。anti-AQP4は0.1%以下。anti-NMDARが目立ちますが、大部分がIgM抗体55.8% (236/423例)やIgA抗体53.9%
(228/423例)(合計すると100%を超えますが、複数の免疫グロブリンが陽性になったのでしょう)。著者らはintracellularとextracellular
AgでIgG頻度が異なるような議論をしていますが、それ程の差ではありませんし、そもそもintracellualr Agがantibody-mediatedであるかのような議論をしていることも奇妙です。検体の年齢との関連もあるかもしれません。Anti-NMDARはstroke患者(平均:68歳)で19.2%が陽性ですが、健康人(38歳)では8.5%です。加齢で症状を呈しない自己抗体が出現しうることは古典的に知られていますが、神経疾患関係の抗体でも認められることを30年前に報告しています。
Tanaka, M. and Miyatake T.: Anti-acetylcholine receptor antibody in aged
individuals and in patients with Down's syndrome. J. Neuroimmunol., 4:17-24,
1983.
- 黄金の血液 が話題です。発端は、2014年10月21日に英国の生命科学サイト「mosaic」が伝えたことに始まります。私たちは赤血球表面に342種類の抗原を持っていますが、この人達はABO型だけでなく、一切の抗原を持っていません。Rh
null型と呼ばれているそうです。この血液型は1961年にオーストラリア原住民から発見され、それほど古いことではありません。国内では1967年に発見されています。2010年時点で、世界でわずか43名しか存在していません。この人達はだれにでも輸血が可能なので、golden
bloodと呼ばれていますが、献血を了解しているのは6名(スイス、ブラジル、中国、USA、アイルランド、日本居住)だけ。ただ、本人は輸血してもらえず、生物学的にはきわめて不利な立場で、出産や手術を生き残れる確率が一般の人類より確実に低いことになりますネ。進化論的には増えてゆく可能性は低い?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141201-00000003-rnijugo-sci
(yahooニュース) http://mosaicscience.com/story/man-golden-blood (mosaic) http://matome.naver.jp/odai/2141696771721299601 (NAVER)
- PPMSへのFingolimod治療の臨床試験
2014年12月1日、Novartis社はメディアリリースを発表しました。970例のPPMSを対象とした3年間のdouble-blind, randomized,
multi-center, placebo-controlled parallel group studyで、北米とEUを中心とした18ヶ国で実施。EDSS,
9-Hole Peg test, 25-foot timed walk testで3ヶ月間維持される障害度の減少で評価しましたが、placeboとFingolimod
0.5 mg内服群との間に有意な差はなかったそうです。(Novartis社のHPより)
- オバショット という言葉があるんだそうですね。タレントの有吉弘行さんの命名。写真を撮られる際に、若い人たちは良くピースサイン(この日本独特-最近では韓国でも毒されているそうですが-のこのポーズを筆者はどうしても好きになれません。起源はCMの際にアドリブで行ったという、タレントの井上順説が有力だそうですが、peaceでもvictoryでもない、無意味なポーズ)や、手掌を頬部に当てて首を傾ける虫歯ポーズが多いんだそうですね。後者は、日本人論でよく言われている、ネオテニー(幼児性)と関連しているのでしょう。可愛らしく、幼くみえるように、庇護したくなるようにと。そういえば、かつてマッカーサーが「日本人を経験に乏しい12歳」と発言したことがあり、福井晴敏さんの小説に「Twelve
Y.O.」(講談社文庫)がありましたねえ。日米安保の原点? オバショットはおばさん達の集合写真で良くあるポーズ。これには定義があるんだそうで、
1). 体を斜めにして細く見えるようにする。
2). 笑顔は抑えめに、60%で。
3). 両手は前で組み、指先もきっちりとそろえる。 (TBS系列「朝ちゃん」2014年12月9日放映より)
- 治療前のリンパ球数とBMIがFingolimodによるリンパ球減少と関連 という論文が出ています(Neurology 2014;83:1-5)。ドイツでのmulticenter, open studyでFTY治療されたMS418例とスウェーデンの438例を対象とした報告。女性の割合はそれぞれ68.4%と67.3%。解析に充分な例数のBMIのデータはドイツのみでしたが、BMI
< 18.5 kg/m2の患者(全例女性ですが、日本人女性でもこれだけ痩せているMS患者さんは少ないです!)では、リンパ球数が治療後に200/μL以下に減少するリスクがあることが判明(OR;
3.28, 95%CI: 1.18-9.12, p = 0.023)。これだけ痩せている患者さんは11/418例しかいなくて、うち5例が200以下。200以下に減少した患者さんはの割合は、全体で66/418例(15.8%)。また、Fingolimod投与前の免疫抑制剤治療歴やNatalizumab投与歴はリンパ球数低下のリスクを増加させる因子にはなりませんでした。以上の結果は、体重の少ない小柄な患者さんでは、おそらく血中濃度が高くなって、効果が強く出るのでしょう。ヘルペスウイルスの再活性化が知られていますが、帯状疱疹出現の頻度は必ずしもリンパ球数や体重とは相関しないことが予想されます。しかし、リンパ球がいくら低下しても大丈夫とは言いにくいです。まして、添付文書に記載している内容を特段の理由なく無視して医療事故が起きた場合は医療者の責任を問われる、最高裁の判例は無視できませぬ。医事法制の基本的な判例。
- BMI < 18.5はどの位か?
芸能人で調べてみました。ただし、公式のデータなので、身長はともかく、体重は公表している自称ですから、理想体重の可能性はありますが・・・いつの体重かも問題?
浅丘ルリ子 156 cm 35 kg BMI 14.3
桐谷美玲 163.5 39 14.6
橋本マナミ 168 48 17.0 (ご存じのない向きはネットで画像を)
藤原紀香 171 50 17.1
佐藤江梨子 173 53 17.1
上戸 彩 162 45 17.1
綾瀬はるか 165 49 17.9
黒木メイサ 165 50 18.3
前田敦子 161 49 18.9
沢田亜矢子 160 52 20.3
古閑美保 167 60 21.5
友近 157 53 21.5 (敬称略)
以前、ファッションモデルが病的に痩せているということで、スペインやイタリアでBMIが18未満のモデルを使わない、と業界が言い始めて話題になりましたネ。でも、紀香やサトエリ、綾瀬はうそだろう・・・? マエアツの事務所は真面目なのか・・・?友近はダイエット後の数値でしょうが、これは真実に近いかな?
- あの新垣 隆さんがTVレギュラー出演
金曜日の23:00からですが、番組進行役が数人の小学生低学年という変な番組です。番組のHPで曰く、「違和感たっぷりの世界観・・・大人が楽しめるかっこよくてかわいい『子供番組風』音楽番組です!」ここに、佐村河内守氏のゴーストライターだったと会見した、新垣さんが音楽の先生という立場のコメンテーターとして登場します。ピアノみたいな鍵盤楽器も弾きますが、編曲も担当していて、演奏もうまい!番組の最後に出演者リストが流れますが、すべてルビが振ってあります!(フジテレビ系列「どぅんつくぱ」2014年12月12日がなんと、最終回。少し早いですが、クリスマス特集でした。1月から改装開店するそうな)
- 抗AQP4抗体の特異性についての検討
Mayo ClinicのPittockらにより用いられたのは、米国内で広く利用されている、RSR社のELISA (2014年現在、国内でSRLが利用しているキット)
と細胞表面にAQP4を発現後固定した細胞を用いたCBA (EUROIMMUN)とFACSの3種(JAMA Neurol 2014;71:1433-7)。1040例の検体を調べ、7例の陽性例が発見されたものの、臨床所見を解析してNMOの診断基準で検討したら、本当に陽性だったのは2例のみで、5例はfalse
positiveと判定。このcohortでMSなのにNMOsdと誤診された頻度は、ELISAで0.5%、CBAで0.1%。
5例全例がELISAでは陽性で、1例はCBAでも陽性。FACSではfalse positive はなし。ELISAではcut-off値を≧ 5
IU/mLに上げても引っかかる患者がいる可能性があるってことですね。でも、多すぎないか?という気がします。FACSが最も優れていて、CBAの特異性が低いという意味ではありません。細胞を固定すると、非特異的に染色されるようになることはすでに30年以上前から知られています。文献を引用していませんでしたが、この論文を紹介していたNEWS
& VIEWSでも記載されています(Nat Rev Neurol 2014;10:679-81)。Fujihara & Palaceのこの論文ではfalse
positiveによる誤診を主に話題にしていますが、治療上問題となるのはMS患者にNMOの治療をすることではなくて、NMO患者にMS治療(特に、FingolimodやNatalizumab)をすることの危険性ですから、anti-AQP4抗体の感度や特異性で問題となるのはfalse
positiveではなくて、false negativeです。FACSが良くて、CBAやELISAが悪いのではありません。これらはあくまでも抗原に結合した抗体をどう検出するかという方法の問題で、重要なのは抗原の構造(細胞を固定しているか、生のママかとか、立体構造はどうなっているか、とか)です。
調査対象の91%がnon-hispanic whiteで他はafrican。asianはいません。そういう人種構成のために、true positiveが少ないのかもしれません。しかし、なぜ、これほど、false
positiveが多いのか?洗浄が不充分?私たちの検体数は少ないですが、false positiveはいませんでした(神経内科 2014;81:685-7)。
- 北部カリフォルニアの患者群でのMS臨床病型の割合
Mayo ClinicのAssociate Prof Pittockによれば、African American 9.1%、Non-hispanic
White 90.9%という集団(その地域での構成比を反映しているかどうかは不明)のmedical recordsを調査。家族歴を有する患者さんが7.8%もいます(JAMA
Neurol 2014;71:1433-7)。
RRMS 68.4%
SPMS 15.0
PPMS 7.2
RPMS 2.6
Unknown 6.8
SPMSって欧米でもこの程度が一般的なら、従来、主に欧州から報告されたSPMSの頻度は、強調されすぎたように思われます。本邦でも5-10%程度でしょう。むしろ、PPMS
+ RPMSが10%もいることに驚きますね。
- 選挙を棄権しちゃ、ダメですよ
(ケニアにNHKのロケで不在の間に、衆議院が解散になって)「国政選挙のためにおよそ700億円使われるってことでもってネ、これが何のための選挙なのか、ボクにはちょっと判りませんけれども、何かやる意味があるんだと思いますけれども。でも、あのー、あれですよね、国民主権と言いながら、主権を発揮できるのは、国政選挙だけなんでネ。大切にしましょうネ。皆さんネ。本当に大切にしましょう。でね、よくね、『私の選挙区にはね、入れたい奴がいないから棄権するんだよ』なんて馬鹿なことを言う人がいるでしょ?棄権というのはネ、多数票に対する賛成票ですからね。」(隣に座っている、放送作家も「そうですね」とかぶせます。)「うん、ちゃんとやって下さい。でね、そこにネ、自分の好みの候補者がいなけりゃ、あなたが出て下さい。そういうことですよ。うん、政治に参加するって、そういうことですよ。もう政治を他人事だと思っているから、ドンドンこの国は間違っていきますからネ。自分の家族をどういう風に説得するとか、どういう風に守るか、という感覚で政治を見つめてみれば、政治の見方がずいぶん変わってくるんじゃないかと思いますけどネ。」(「生さだ」で、MCのさだまさしさん。NHK総合TV
2014年11月30日。TVですが、ラジオの深夜放送みたいに、主に視聴者からの手紙を紹介する番組。各地の放送局から生放送するので、各地の放送局のアナウンサーが地元の情報やローカル番組を紹介するコーナーがあって、そこだけは画像が必要な不思議な番組。)
- 小児でのNatalizumab治療による抗JC virus抗体への影響
21歳以下での抗JCV抗体陽性率は21%と報告されています(PLoS Patholog 2009;5:e1000363)。ドイツのGöttingen大学のデータベースを利用した研究(Huppke,
Hummel, et al. Mult Scler, in press)。256例中51.6%が陽性で、従来の報告より高いことが判明。このデータは日本人MS患者さんの自験例より高いです。10歳以下の45例でも46%が陽性。20-60歳代できれいに直線的に陽性率が増加することが判っているほかには、人種や地域差は知られていませんが、日本人では高めのようでもあり、人種差や地域差もあるのかもしれません。このcohortでは10歳以下が15例、10-13歳が54例含まれています。当初陰性だった8例がNTZ投与後に陽転化していて、年間陽転化率は4.37%。
- セビージャは俺のことかとセビリア言い
昔は「セビリア」と言っていましたし、現在でもロッシーニのオペラは「セビリアの理髪師」です。サッカーや旅行案内のTV番組などでは、いつのまにか「セビージャ」に変更されました。スペイン人と結婚されている方にお聞きしましたら、現地の発音としては「セビージャ」と「セビーリャ」の間で、「セビージャ」に近い音だそうです。日本のスペイン大使館が推奨しているカタカナ表記は「セビーリャ」だそうな。「パエリア」も最近では現地の発音に近い「パエージャ」。
- Natalizumab治療後のCSF OCBの変化
NTZはBBBを越えてリンパ球がCNSへ侵入ことを著明に抑制しますので、CNS内でのIgG産生も抑制します。oligoloclonal IgG
band in the CSFの意義は相変わらず不明で、再発と寛解といった疾患活動性とも関連しないことが判っています。また、通常の再発予防の治療に用いられる、disease
modifying drugsではOCBを消失させることはできません。以前にも少数例での報告はありましたが、24例のNTZ治療後24ヶ月後まで経過を追ったデータが示されました(Mancuso,
Franciotta, et al. Mult Scler, in press)。2/24例ではOCBは当初から陰性。55% (12/22例)
が完全に、27%(6/22)で部分的にOCBが消失。IgG indexも低下。
- お野菜クレヨン
捨てるはずだった、国産のお米や野菜を原料としたクレヨンで、すでに第3弾まで発売されていますが、完売。三畳一間から始まった事業でしたが好評のようです。公式HPは「お野菜クレヨン
Vegetabo」 (http://vegetabo.thebase.in/) 野菜でしか表現できない色彩に魅了されているようです。青森県出身者で構成されている人たちのほぼお手製。第3弾には間に合わなかったようですが、青森産のカシスを原料としたクレヨン制作を番組では紹介していました。(日本テレビ「未来シアター」2014年11月14日放映より)
- 50歳以上のMS患者へのNatalizumab治療の効果は若い患者と同一か?
SwedenのNTZ治療を受けた1872例中189例が50歳以上だったので、この患者さんたちを50歳以下の患者と比較(Matell, Lycke,
et al. Mult Scler, in press)。効果がないと判断され治療が中断された患者の割合は、50歳以上で18.7%に対して、50歳以下では7.7%でした。CSF中のbiomarkerでみてみますと、炎症性病変と関連する細胞数とCXCL13は年齢塗布の相関があります(それぞれr2は0,10,
0.07, pは0.01, 0.04)。しかし、神経変性の指標としてneurofilament light chain(治療効果が期待できない指標として)と年齢は関連がありませんでした(r2は0,015,
pは0.33)。つまり高齢者では炎症性病変が乏しいため、リンパ球侵入を阻害するNTZ治療の効果が乏しかったことが説明できそうです。一方で、neurofilament
light chainと相関しませんでしたが、変性過程と無関係とは言い切れず、単にこの指標には反映していないということかもしれません。進行例との関連が示唆されている、ミクログリア活性化マーカーではどうなのか、興味がありますネ。ということは、ADEM類似の病態を呈しうる12歳以下の発症例ではNTZ治療の効果が成人以上に期待できることが予想されます。国名は未確認ですが、小児へのNTZ投与が禁止されている国もあります。PMLリスクでしょうか?
- Seven sisters いえ、かつての石油メジャーのことではありません。アイビーリーグがコーネル大学を除いて全て男子校だったことから、対比的にこう呼ばれるようになった、米国東部名門女子大の総称。アイビーリーグがその後共学化したように、ラドクリフ大がハーバード大と統合したり、共学化した大学もあるそうですが、5校は女子大のまま。筆者はRadcliffe以外を知りません。Barnard,
Bryn Mawr, Mount Holyoke, Smith, Vassar, Wellesley College。創立は全て19世紀。
- CHAMPS studyのCIS患者のその後の10年
特定の脳MRI所見(これがCIS患者を対象に行われた4種の早期治療開始によるMSへのconversion抑制効果を検証した臨床試験の際の患者登録条件。それぞれの試験で条件は異なります。「内科」にCIS患者への治療の可否について論じた際に一覧表にしました)を有していたCIS患者383例の脳MRIでT2病変数の多数による長期経過への影響を検討した結果が報告されています(Simon,
Kinkel, et al. Mult Scler, in press)。解析対象は155例ですが、CIS発症baselineでのT2病変数でlowとhigh群に分けている境界は8個以下と9個以上。全患者を4群に分けて、T2病変の少数1/4のみをT2病変数low群と設定。10年後、40例(26%)がlow群、115例(74%)がhigh群。女性の比率は両群で同じ。両群のbaselineでの違いは、T2病変容積くらいで、当然、high群のほうが圧倒的に大きい結果(p
< 0.0001)。初めから病変数も病変容積も大きいってことですね。10年後、両群とも3割ほどが未治療。残りはIFNβ1a治療。10年間の経過も違っていて、ARRはlow群で0.17、high群では0.26
(p = 0.044)。low群では15/31例が10年間、再発なし。わずか2例のみが後半の5年間に再発。CDMSへのconversionも相違があり、low群の40%に対してhigh群では63%(p
= 0.013)。つまり、CIS発症時の脳MRIでの病変数は、その後の予後を推測できる因子になりうるってことですね。ただ、low群であっても(CHAMPS
studyの対象になり得る所見は存在していたわけですけどね)、10年間で40%はCDMSへconversionする、っていうことです。ただ、私たちの計算から推測しますと、10年間のこのstudyでCDMSを発症していない患者さんたちは、発症25年後もこれ以上はほとんどconvertしないと考えられます。