2014年5月号 NO.6

  1. ON発症1ヶ月後の所見が6ヶ月後の変性を予告する
  2. MS病型によりRNFL, GCCの菲薄化は起きない
  3. 海外でもじゃんけんはある!
  4. MSでの非ホジキンリンパ腫のリスク
  5. 在宅介護への障害は日本固有の文化?
  6. NMOの有病率
  7. 証拠の開示は必要でしょう
  8. L-selectinとSGGLsはリンパ球の接着に関与する
  9. 店員がキレてもおかしくない客
  10. 22-34歳の働く女性が言われて嬉しい言葉
  11. プリオン病の鑑別疾患リスト
  12. 素手で料理することは危険なのか?
  13. 高血圧治療ガイドライン2014
  14. 小保方会見での関東地区の視聴率で比較した在京キー局の勢い
  15. 103万円の壁
  16. 急性期の視神経炎の治療効果をOCTでモニター
  17. OCTのRNFLにより評価される視神経の軸索変性は脳萎縮と相関
  1. ON発症1ヶ月後の所見が6ヶ月後の変性を予告する
    optical coherence tomography (OCT)は未だに発展途上で、網膜の外側(角膜側)から
    RNFL (retinal nerve fiber layer)
    GCC (ganglion cell complex)
       GCL (ganglion cell layer)
       IPL (inner plexiform)
    INL (inner nuclear layer)
    Outer retinal layers (ORLs)
       OPL (outer plexiform layer)
    ONL (outer nuclear layer)
    IS (inner segments of the photoreceptor layer) と7層構造が分離して見えます(PLoS One 2013;8:e66151, Balk, Tewarie, et al. Mult Scler, in press)。

    米国NYから出た論文で、表題が報告されています(Mult Scler 2013;19:1743-8)。視力は視神経炎(ON)発症1ヶ月後には改善し、6ヶ月後にはさらに改善しているにもかかわらず、OCTで測定されるRFNL(視神経の軸索の厚さ)の薄さは進行してゆきます。RNFLの厚さを1ヶ月後と6ヶ月後とを比較すると、相関しています(p = 0.006)。つまり、視力は改善するのに、視神経の軸索変性は進行してゆくことが示唆されます。
  2. MS病型によりRNFL, GCCの菲薄化は起きない
    従来、少人数での報告しかなかったので、結果は一定ではありませんでした。そこで、230例のMS患者を対象に解析した結果がオランダから報告されました(Balk, Tewarie, et al. Mult Scler, in press)。欧米患者でのMS病型の一般的な頻度は、
    RRMS 80-85%
    SPMS RRMS患者の65%
    PPMS 15-20%
      (Ann Neurol 2000;47:831-5; Lancet 2008;372:1502-17)
    Benign 10-20% (発症10-15年後でもEDSS 3.0以下) (Acta Neurol Scand 2006;113:359-69Curr Neurol Neurosci Rep 2012;12:601-9)  

    PPMSはRRMSより高齢発症で、男性に多く、脊髄萎縮の頻度が高い、特徴があると言われます(Mult Scler 2004:10(Suppl 1):S2-S7)。つまり、SSP syndromeの臨床像だからですね。  

    ただし、これらは欧米患者での頻度であって、それなりに治験が成立していることから考えますと、現状もそれほど大きな変化はないと思われますが、国内でのSPMS治験が筆者の予想通り患者集めが困窮していることからも想像されるように、きちんとした疫学調査はありませんけれど、日本人患者ではSPMSやPPMSの頻度が欧米より相当に低いのではないかと思われます。  

    29例のPPMSと発症後平均20年後もbenignの59例では、RRMS (140例)と違って、RNFLとGCCは薄くならないことが示されました(Balk, Tewarie, et al. Mult Scler, in press)。つまり、PPMSでの視神経は脊髄とは違って、変性にはならないことが示唆されます。PPMSでの視神経能についてどこまで判っているか不明ですが、RRMSほどには予後が悪くはないと思われます。  

    この論文で興味深い指摘がありました。萎縮は炎症性病変の部位だけでなく、脳の白質、灰白質、脊髄でも認められます。脳萎縮はMS病型で異なると報告されています(Arch Neurol 2002;59:1572-6; Br Med Bull 2003;65:133-44; Ann Neurol 2008;64:255-65; Neurology 2010; 74:1868-76)。ただ、脳MRIで認められる、脳萎縮はグリアなど神経細胞以外の消失でも脳容積は減少することが指摘されています。そういう意味では、OCTはほぼ純粋に神経軸索消失の程度を評価できる、ということになると思われます。
  3. 海外でもじゃんけんはある!
    NHKの「朝まで生で音楽会2014」で、バンコクからのハガキが紹介されました。タイにも全く同じものがありますが、タイ人はなぜか、最初にグーを出す傾向があるのでパーを出すと勝つ確率が高いんだそうです。ただ、タイですと、日本から近代になってから「輸出」された可能性がありますね。ちなみに、「生さだ」は時々NHKの土曜日24時過ぎに1時間ほど放映されていますが、年に1回、3月末に5時間放映されます。今年は2回目。そもそもは東日本大震災の被害者を音楽で元気づけようという番組。低予算で、ラジオの深夜番組に映像を付けたような構成で、視聴者もスタジオに参加していますが、この人たちは基本的に見学だけで、主に郵送されてきたハガキを紹介します。構成も緩くて、時間割も厳密ではないようですし、カメラマンなどの裏方さんだけでなく、編成局長も画面に登場します。
  4. MSでの非ホジキンリンパ腫のリスク
    Fingolimod投与患者でリンパ腫が国内外で発見され、読売新聞でも報道され、医師のコメント付きで大きく掲載されました。MS患者さんにたまたま合併する頻度は10の論文をまとめた9666名のデータでも、15名で、コントロールの18/12341名と差はありませんでした (意外に、結構合併するんですが、対照群自体でも稀ではありません)。ORが0.96で、95%CIが0.48-1.92 (Blood 2008;111:4029-38)。MSの罹病期間別のリスクも明らかにされていて、2-5年でORと95%CIは0.55 (0.06-5.37)、6-10年ではコントロールで0だったためデータがなく、10年以上では0.61 (0.22-1.68)でした。(この論文は以前にも紹介していますが、データを少し追加)  

    Fingolimod治療中にリンパ腫が認められた患者さんは国内外で二桁に上っていますが、頻度自体は増えているわけではありません。ただ、投与期間との関係や合併した患者に何らかの特徴があるか否かは不明で、全体の頻度だけで関連がないと結果づけることは危険でしょう。今後の解析が必要です。
  5. 在宅介護への障害は日本固有の文化?
    現首相には日本古来のしきたりへの尊敬や憧憬が色濃いことはよく知られています。民俗学的なしきたりは大切にしたいですね(個人的にはなかなか困難ですが、希望としては)。江戸時代以降の儒教的な為政者にとって都合の良い要素は別にして。  

    厚労省は医療費や介護費を削減するために、在宅介護へ誘導しています。NHOの看護部も組織としてこの方針には協力的です。最終的には神経難病病棟をはじめ、社会的入院患者を旧療養所から追い出すことになりますから、ベット削減や病院閉鎖・合併に繋がるわけですし、近所に居住しているナースたちの職場がなくなってゆくことを意味しているのですが・・・  

    さて、今回、奇妙な現象に出会いました。更地にした土地を売ろうという段階で、不動産業者からこんなことを聞かれたという話です。「ここに建っていた家で、前に住んでいたヒトは亡くなってはいないでしょうか?」つまり、在宅療養の果てに、自宅で亡くなってはいないか、というのですね。思わず、「地縛霊」という言葉を想起しました。こういうことを気にする人が現在でもいることに驚くとともに、昭和30年代までは普通だった、自宅で亡くなるなんていうことは後々遺族に困難な問題を残すことになりかねないのですね。これも「民俗学」の領域でしょうし、土地によって深刻さは違うでしょうが、田舎ほど問題になりそうです。これですと、自宅で亡くなることを前提にした、在宅療養なんて難しいですね。そもそも、在宅療養は家族に負担をかける制度ではあります。私の患者さんでも、お嫁さんだけにしわ寄せがゆくのではなく、息子さんが仕事を辞めたり、お嫁さんと昼と夜の仕事を分担したりしている方もいらっしゃいます。永田町や霞ヶ関の偉いさんたちは、在宅でなんか困っていないのでしょう。母親を長期間、NHOの病院に入院させていた政治家もいらっしゃいましたしね。
  6. NMOの有病率
    5つの論文をまとめた表を掲載している報告がありました(Int J MS Care 2013;15:113-8)。粗有病率は人口10万人当たり0.52-4.4で、0.52はCubaのデータで、NMOsdも入っての数字。4.4はデンマークで、Wingerchuk (2006)の診断基準にて。日本の全国調査ではNMOを分離していない時期のため詳細は不明ですが、long spinal cord lesionの頻度から想定しますと、特定疾患MS患者の1/4-1/3がNMOと考えられますから、1.9-2.6人程度でしょう。  

    人種差は極端ではありませんが、存在している可能性があって、米国での医療機関の医療圏内での人種比から、やはりアフリカ系に多いことが示唆されていますので、有色人種にやや多いのかもしれません。上記のデータとは一致しませんけどね。
  7. 証拠の開示は必要でしょう
    診療録は要求があれば全て開示されます。裁判所からの請求とは限らず、本人や家族からの請求でも可能です。ところが、刑事裁判では、検察は全ての証拠を開示する義務がないため、立件に不利な証拠は提出する義務がありません。これって、やはりおかしいでしょうね。医療で言えば、診断書だけを提出し、根拠となる検査結果の開示は病院側の判断に任せられているようなものです。取り調べの録音・録画制度が確立されようとしていますが、法制審の「新時代の刑事司法制度特別部会」では、ようやく証拠のリストの開示だけでもしようということになったようです。TBSのサンスポで部会のメンバーでもある、周防監督が説明されていました。  

    静岡地裁は本人のものとされた血痕の付いた衣服は後日、捏造された疑いがあり、耐えがたいほど正義に反する状況として、袴田事件の再審を決定しただけでなく、拘置停止にまで踏み込んだ決定を2014年3月28日にしました(東京新聞電子版より)。この事件が起きたのは、ビートルズ初来日の翌日!えらい前です。当たり前ですが、初来日を追っかけた「話の特集」の「ビートルズ・レポートが」出版される前です。45年間、死刑囚として生きてきたことに、ギネス記録として記載されています。  

    死刑制度の是非との関連もありますが、TBSによれば、国内での確定死刑囚は131人いて、うち89人もが再審請求中だそうな(一体、どういうこと?)。確定から30年以上経過しているヒトだけでも3人いるそうです。米国では既に死刑が執行されているヒトでも再審されることもあるそうですが、国家賠償で済む問題でしょうか?米国では21世紀になっても、証拠もなく、多くが撤回された証言のみで有罪となり、私は無実だ、と叫びながら、ローマ法王からの恩赦要請も届かず、白人警官殺しの罪で死刑が執行されたアフリカ系の受刑者がいます。死刑制度の是非とは別の問題と思います。真犯人が笑っていることも忘れるべきではありませぬ。
  8. L-selectinとSGGLsはリンパ球の接着に関与する
    Ariga先生(新潟大脳研で学位を取られた方で、長らくYaleやGeorgia医科大のProf Yuのラボにいらっしゃいました)の膨大なreviewで紹介されています(Proc Jpn Acad Ser B 2011;87:386-404)。前者はmyelinated tractに(J Clin Invest 1991;88:1778-83)後者はECに結合する際に関与する(Proc Natl Acad Sci USA 1993;90:1359-63)と報告されましたが、ArigaらのグループはIL-1βで活性化されたウシECへのヒトリンパ球の結合を、L-selectinやSGPGに対する抗体がブロックすることを報告しています(Proc Natl Acad Sci USA 1995;92:7897-901)。
  9. 店員がキレてもおかしくない客
    前回、蕎麦屋をご紹介しましたが、客にも問題があるケースも当然ありますね。東京駅の八重洲側の地下に京橋千疋屋パーラーがあります。大丸近くにもありますが、こっちは混んでいますので、八重洲中央口よりややブックセンター側の資生堂パーラー近くの方がお薦め。日曜日の12時過ぎでしたがガラガラ。帰る時には満席でしたが。

    私たちの隣のテーブルに、50代と思われる女性2人といずれかの娘さんらしき20代の女性の3人連れが座りました。注文すると、若い女性はすぐに席を立ってトイレへ。ウェートレスは女性に、「ご注文はすぐにできますが、お持ちしてもよろしいでしょうか?」ときちんと訊ね、了解を得たのでアイスクリームの入った注文品を持ってきました。ところが、なかなか帰ってきません。店員たちは両サイドにしかトイレはありませんし、女性トイレは混みますので、ときちんと説明。客たちはこれではアイスが溶ける、と文句を言い始め、結局、トイレから帰ってきた時に、店側の配慮で(客たちは要求はしていなかったようでしたけどね)新たに作り直して持ってきました。日曜日の昼時、東京駅は大混雑していることは歩いてきたのですから分かっているはずですし、店自体にトイレはないので、どこにあるか探すのにも時間がかかるでしょうし、一般的に女性トイレはどこも混んでいるはずです。この人たちはいつもこうなのでしょうか?店は余計な出費を強いられます。みんなが同じことをしたら店は大変。ウェートレスの責任を問われたら、可哀相です。ウェートレスがこういった中年の自分勝手なおばさんに「ざけんじゃねえ」と、コップの水をかけたとしても、筆者は支持します!
  10. 22-34歳の働く女性が言われて嬉しい言葉
    「マイナビウーマン」(http://woman.mynavi.jp/article/140403-9/)が2014年3月に会員を対象に施行したwebアンケートで、有効回答は319件と少なめですが、新聞で報道され、TBSでも紹介されました(「朝チャン」2014/4/7)。括弧は夏目三久アナ(フリー)の反応。
    第1位 一緒にいると楽しい    38.6%  (これは言われると、嬉しい)
    第2位 かわいいね         37.3  夏目アナは当てました
    第3位 また会ってくれる?     23.2  (相手によりますね)
    第4位 彼氏が羨ましいな     22.6  こんなんで嬉しいのでしょうか?
    第5位 なんかほっとけない    16.9  ずいぶん受け身ですこと
    第6位 理想の女性だよねぇ   15.4  気持ち悪っ
    第7位 俺と付き合って       13.8
    第8位 彼氏とか・・・いる?    13.8
    第9位 君と結婚したら幸せになれそうだな  12.8
    第10位 すっごくタイプなんだよね    12.2 水商売相手? 複数回答可。
  11. プリオン病の鑑別疾患リスト
    亜急性脳症の鑑別ですが、通常の急性脳炎・脳症がほぼ全て対象になります(Pract Neurol 2011;11:19-28)。MS/ADEM、橋本脳症、SLE、Sjogren症候群、腫瘍随伴症候群だけでなく、高Ca血症、高Na血症や各種内分泌疾患に伴う脳症、梅毒やHHV-6、サイトメガロ、PMLなど。
  12. 素手で料理することは危険なのか?
    以前、ある女性から手を洗っても素手でおにぎりを握るなんて不潔だ、と言われたことがあります。私自身は、最近はやりの液体ではなくて、ちゃんとした固形の石鹸のメーカー品を使っていますが・・・不潔です?彼女の握り方は、サランラップでご飯を包んで握るんだそうですが・・・サランラップは肉眼的には汚くはありませんが、食品や製薬工場のような製造条件ではないはずです。このバランス感覚、変じゃありません?女医さんですけどね(かみさんじゃないですよ、為念)。それと似ていますが、最近、手袋をはめて握る寿司職人が多くないですか?ノロの予防には良いかもしれませんが、少し気になるのです。ここで使われている手袋って食品取り扱い専用なのでしょうか?滅菌していなくても良いですが、炭酸カルシウムは使用されていないのでしょうか?運動会のライン引きには石灰ではなくて、最近では炭酸カルシウムを使っているようです(平成19年に文科省から消石灰-水酸化カルシウム-では角膜損傷の危険があるので、より安全性の高い炭酸カルシウムに代えるよう、課長通達が出ています)。あのラインを舐める気がします?食品ではありませぬ。パウダーフリーの手袋もありますけどね。口に入るものを取り扱っても良いようにできているのでしょうか?保健所の見解を知りたいものですね。
  13. 高血圧治療ガイドライン2014 が発表されました(ライフサイエンス出版)。これは日本高血圧学会が作製したもので、降圧目標を年齢で分けたことが特徴。
           診察室血圧           家庭血圧     
    若年、中年、65-74歳 140/90未満* 135/85未満*
    75歳以上 150/90 145/85未満
    * 脳血管障害患者はこの分類に相当。  
    高齢者では動脈硬化により、血圧を下げすぎると末梢循環障害が起きる可能性がありますが、脳の循環にも下げすぎると悪いでしょうねえ。知能低下も進んでいたかも?年齢別に基準を分けたことは理解できますが、基準を緩和した理由がはっきりしません。「140/90未満に目標血圧を優位性を持って支持する介入試験の成績は乏しい」(p35)として、J Hypertens 2009;27:923-34の論文を一つ引用しているだけ。前回の基準であるJSH2009と同じ年の論文だけで、以降はもうない?  

    また、従来の人間ドック学会の高血圧の基準は、正常値が130未満/85未満とえらくきつかったですが、新しい基準を発表し、2015年4月からの運用を予定しているそうです。男女とも正常値が88-147/51-94とえらく緩くなりました。年齢設定はありません。
  14. 小保方会見での関東地区の視聴率で比較した在京キー局の勢い
    別に「笑っていいとも」が終了しただけではないでしょうが、バラエティーだけでなくドラマもかつてのトレンディードラマの頃の勢いを失い、フジテレビの凋落が世間では話題のようであります。カトパンは頑張っていますが・・・加藤綾子アナが退社したらどうすん?

    日本テレビ系列のよみうりテレビの朝の番組「す・またん」(全国放送としてはズームインの一部を切り取って地方局制作を流しています)で、司会の辛坊治郎さんが面白いコメントをされていました(2014/4/11)。
    フジ 3.1%と惨敗
    TBS 6.8
    テレビ朝日 4.1
    日本テレビ 8.3だったのがNHKの放映が終了したら、12.3%へアップ
    NHK 9.4  
    最近、全般的にテレビ東京(テレ東)が頑張っているんだそうですね(深夜の「ワールド・ビジネス・サテライト」のキャスターに、16年間続けていた小谷真生子さんの後任に、NYから多分テレ東唯一のスター女子アナ、「出没!アド街ック天国」の司会もしていた大江麻理子アナ-1978年生まれ-がカムバック)。この理由として、以前は東京12チャンネルだったので、テレビ欄の一番右端だったのが、デジタルになったら7Chになったので一覧表の中央に位置するようになり、一方のフジテレビは端になってしまいました。その割に10Chの右端・日テレは頑張っていると自画自賛。2012/4-2013/3の視聴率順位ではテレ朝がトップで、バブルの頃は断トツのイメージだったのにフジは4位に沈んでいます。かつては「ドラマと報道のTBS」といわれていた、民放の雄、TBSにはもう少し頑張って欲しいです。新潟の最古の民放テレビ局、BSNはTBS系列なので子供の頃から馴染みが深いですし。「ウルトラQ」や「怪傑ハリマオ」、「エイトマン」とか、古谷綱正さんと田 英夫さんが夕方のキャスターをしていましたからねえ(何年前じゃ!)。
  15. 103万円の壁
    政府自民党では女性の社会進出を促進するために(?)、配偶者控除を見直そうとする動きがあります。103万円以上の収入があると専業主婦とは見なされず、夫に38万円の配偶者控除が受けられなくなるので、主婦はパートをする際に、年収が103万円以下になるように時間を制限しているという実態が一部にあります。自民党の隠れた目的は、税収を増やしたいことと、今後さらに労働人口が減少してゆく中で、欧米なら移民第1世代が従事している、安いパート労働を主婦層に押しつけたい、ということがあるのでしょう。  

    しかし、一方で、労働時間を長くしたくても子供がまだ小さいためにできない主婦もいることは事実で、控除がなくなって労働時間も増やせないと、単純に増税になります。荻原博子さんの試算によりますと、年収300万円で子供2人の4人家族で年間52400円の増税になり、8%の消費税と合わせると11万円出費が増えるそうです。500万円の場合には71000円の増税。荻原さんによりますと、働くことを阻害している3つの理由があって、保育園不足、家庭で介護をせざるを得ないこと、地方では仕事がないため103万円にさえ届かない、といった雇用問題があると言います。  

    今や、専業主婦より共働き夫婦の家庭が多くなっていて、家事をしているのだから配偶者控除は当然だという専業主婦の訴えに対して、TVでは専業主婦の離反を恐れて放映しませんが、当然、共働きの主婦からは私たちだって家事をしているのだから、家事従事が配偶者控除の理由なら、自分たちにも適応せよという主張があってもおかしくありません。家事の給料が年間で38万円が適切か否かという問題もありますし、外国(OECDとか)にこんな制度があるとも思えませんし、そもそもの制度設計にも問題はあるのでしょう。一方で、自民党内では財務相のように、女は家庭内にいろ、と言わんばかりの発言も。財務相ですけどね。思想的背景が判りやすい。注意すべきなのは、103万円の上に、「130万円の社会保険料の壁」が待ち構えていること。どっちも外したら?ベルリンの壁よ、さようなら。
  16. 急性期の視神経炎の治療効果をOCTでモニター できるという報告があります(Invest Ophthalmol 2008;40:4412-7; Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 2010;248:1777-85; Ann Neurol 2012;72:199-210)。
  17. OCTのRNFLにより評価される視神経の軸索変性は脳萎縮と相関 するという報告は数多く存在します(Neurology 2007;69:1603-9; J Neurol 2008;255:1555-60; PLoS One 2011;6:e18132; Mult Scler 2012;19:443-50; Arch Neurol 2013;70:34-43)。