Medical Essay  NO.15

なのです。桜の写真は当院(イノシシも出ます)のHPで「宇多野遠近」など2ヶ所に掲載されています。昔、当院の周辺には植木屋さんが多かったそうで、戦中に樹木を避難させるために当院の敷地に移植し、それが今に引き継がれているもの。関山、御衣黄(ぎょいこうと読みますが、黄緑色の桜です)、染井吉野、小桜、高台寺、鎌足、八重山桜、ベニカサ、枝垂れ、など53腫228本。桜の季節にはカメラマンが院内に出没します。
妊婦では、器官が形成される時期での影響が不明なため、妊娠4ヶ月以内までの検査は避けた方がよいとされています。これは知らなかったのですが、最近のコンタクトレンズの中には酸化鉄などの金属を含むものがあり、MRIにより発熱によって角膜や眼球に障害を与える可能性が指摘されていて、レンズを外して検査を受ける必要があるそうです。(医事新報, 4311:96, 2006)
「民主主義は最悪の政府の形態である。これまでに試してみたすべての形態は除けば。」(チャーチル)(アル・ゴア「不都合な真実」ランダムハウス講談社)  「34から48歳が女のピークだ。」これは、フジテレビで放映された「拝啓 父上様」で主役の二宮和也クン(日本で、背中で哀愁を表現できる唯一の若い俳優さんだとか)が発した言葉。もちろん、ジャニーズ事務所を介した自身の言葉ではなく、ドラマの中でのこと。脚本の倉本 聡さんに文責はありますが・・・筆者としてはコメントはありません。コメントできん・・・よねえ?
北大にいらした岩手医大の深浦先生からお聞きした話。確かに、常勤医のいる病院の分布からこういう現象はあり得るのですが、北限というのは凄い。常勤医が生活するには厳しい(?)自然環境を連想させるからです。どこだと思います?旭川だそうな。旭川市以北にはいないそうで、北海道は広いので、患者さんは大変です。
もう一つ、北大がらみのギャグ。北方領土が本当に返還されたらどうしよう、と医師達を不安にさせている問題があります。今でも、札幌から根室や釧路に出張するには鉄道ではなくて飛行機を利用するそうで、北方領土に関連病院ができて、毎週月曜日は択捉島で外来、なんていうことになりますと、もう大変というもの。
2008年秋に予定されている、米国大統領選挙はかつてのトップレディーだったヒラリー・クリントン上院議員を中心に話題になっています。民主党では先行するヒラリーを支持率で7%差に迫り、激しく追っているオバマ上院議員が話題で、2007年4月4日のNHK「クローズアップ現代」でも取り上げられました。ケニアからの留学生を父に持ち、カンサス州出身の白人を母に持ち、人種的にもアイデンティティに悩んできた、ハーバード大学法学部出身のまだ連邦議会での政治経験が2年しかないこの若い議員に、党派を超え、人種を越えて草の根の支持が集まり始めています。ジェシー・ジャクソン師のように、公民権運動を背景に黒人の地位向上を訴えるのではなく、かつてのJFKを思い出させる、分裂した国民の融和を唱える理想主義が人々の琴線に触れているようです。オバマを支持すると、特定の党派に与してはいけないという公務員倫理規定に違反するだろうか?ま、たぶん、大丈夫だよね?国が違うんだから!(2007年4月1日号での記載です)
HTLV-1とチンパンジーのSTLV-1がアフリカで分化し、HTLV-1は中央アフリカの先住民から全世界に伝播していったと考えられています。(医事新報, 4291:91-3, 2006)  

アジアでの分布は特異で、日本列島には集積していますが、中国や韓国、東南アジアには感染者の集積はないそうですし、ポリネシアやミクロネシアにもいないそうな。日本人の起源を考える際に、感染者のアジアでの分布は注目されているのですが、モンゴルやチベット高原の先住民族には集積はないそうです。原日本人の由来はどうもはっきりはしていないようですが、アジア大陸のモンゴロイド集団の一部が近接した日本列島に南方と北方軽油で移動してきたと考えられているんだそうですが、そもそもアジアに日本人と同じ亜型の集積が発見されていないのですから、アフリカから直に来たのかもしれませぬ。さらに、日本人と類似したウイルスの遺伝子配列がアンデスの先住民族で見いだされていることから、先史日本人の一部がアメリカ大陸を南下したと考えられています。アフリカで進化した人類と先史日本人との間には何があるのでしょうか?
の計算式があります。急速飽和するために初期治療に必要な量は・・・ 必要量=BW (kg) X (目標とする血中濃度) X Vd  
もちろん、周知のように、PHTの服用量と血中濃度はS字状カーブを描きますので、これはあくまでも近似値。しかも、最後のVdはPHTに与えられた常数ですが、どうも研究者によって一定ではないようで、ネットで発見した数字は0.6、京大のてんかんグループで学生に教えている数字は0.7、新潟大学では(どこのお医者さんかは知りませんが、卒業生によれば)0.8。大体は、アレビアチン1筒を生食100mlに溶解した点滴を8時間ほど空けて2回投与した後、内服薬を継続する、というのが一般的と思われます。
まず、掃除をしなくなります。それから、風呂に入らなくなります。で、食事を作る時間が短くなって、同じものを作るようになってくるようです。メニューが単純化してきます。筆者は、まだ95%以上自炊していますが、単に外へ食べに行くことさえ億劫になるだけのこと。アパートで一人暮らしをしている若いナースを、なぜか、応援したくなります。若くないナースは応援せんでええんかい、などと突っ込まないで下さい。大変だよなあ、がんばれー。
ことは確かと思われますが、生直後の生活環境が重要と言われています。6歳以下の時期に、2歳児未満の兄弟と接触する時期が長いと、MSのriskが減少することが、オーストラリアのタスマニア島での136例のMS患者を対象とした疫学研究で明らかになっています。  

MSでprotectiveな要因として知られているのは・・・1). 非喫煙者、2). ビタミンD摂取、3). 多い日光照射量。(JAMA 2005;293:463-9)
「クリスマスに一緒にいたいだけで、結婚してはいかんのよ」(島田紳助)
「人を愛するということは、相手の本を書いてあげること」(国生さゆり)
SCD病棟のベテランの、いえ中堅の美しいNsから伺った体験談。妊娠すると、好みが変わったりしますが、彼女は妊娠したら煙草を吸いたくなくなったんだそうな。橋下弁護士の奥様のように(今夏で7人目)妊娠・出産を続けますと、確実に禁煙できますね。
高野 孟さんによりますと、酔っぱらい運転が出来なくなった今日この頃、馬に乗って居酒屋に出掛けていくのが理想なんだそうですが、馬は道路交通法上、軽車両の扱いで、厳密に言うと酔っぱらい運転になるのだが、同法制定以来、酔って馬に乗って捕まった人はいないんだそうな。でも、馬が酔っている訳じゃないですし、逮捕できるのでしょうか?
ある大阪の私立高校で、有名私立大学の合格者数の半分の73大学・学科を一人の生徒に稼がせていた事実が判明し、大騒ぎになりました。これは極端な例ですが、おそらくは多くの私立高校でこのような合格者数の水増しが行われているのでしょう。このときに、「関関同立」という聞き慣れない大学の括った呼び名が登場しました。関西在住の方なら常識なのでしょうが、なんだこれ?ということで、調べてみました。そもそもは、関西六大学野球連盟での関関戦と同立戦が起源。関西、関西学院(どちらが先かは定説はないそうです)、同志社、立命館大学のこと。同じような表現は、受験でほぼ同じ偏差値の大学を括る際にもされています。

たとえば・・・
明青立法中(明治、青山学院、立教、法政、中央大学)
日東駒専(日本、東洋、駒澤、専修大学)
大東亜帝国(大東文化、東海、亜細亜、帝京、国士舘大学)
産近甲龍(京都産業、近畿、甲南、龍谷大学)  

これとは別に、新しい呼び名も登場しつつあるようで・・・
一般的ではありませんが、面白い名前なので。
関東上流江戸桜(関東学院、上武、流通経済、江戸川、桜美林大学)
成成明学獨國武(成蹊、成城、明治学院、獨協、國學院、武蔵大学)
摂神追桃(摂南、神戸学院、追手門学院、桃山学院)  

これらとは全く異なり、大学が協定を結んで、単位の交換もしている本当の大学連合もあって・・・
東京理工系4大学(芝浦工業、武蔵工業、東京電機、工学院大学)
四大学連合(一橋、東京医科歯科、東京外語、東京工業大学)
宇多野通信の創刊号でもご紹介しましたが、もう一つ、奇妙な違いを。タクシーに乗って、「どのくらいかかります?」と運転手さんに聞いたときの返事が違っていて、東京では20分くらいですね、というところ、大阪では3000円くらいでっせ、と答えること。いかにも大阪らしい。
米国FDAによるpregnancy categoryでは、CyclophosphamideやAzathioprineは文句なく、ヒト胎児へのriskが証明されているcategory D。DexamethasoneやMethylprednisolone, IFNβ, Natalizumab, Cyclosporin A, IVIgはいずれもcategory Cで、ヒトでの証明はないものの、動物レベルでは胎児へのriskが証明されており、riskが否定できない治療法として評価されています。最も安全なのは、Glatiramer acetate (日本未発売―かつて、MS SocietyのDr. Byron EaksmanがNature誌上で、怪しげな薬剤とぼろくそに批判したことがありますが、消滅することなく生き残っています。確かに妙な薬剤ですが、今や、ADにも効果があるかもしれない、とてもユニークで面白い薬剤)のみで、妊婦での投与例では、riskが報告されていない、category B。  

Steroidが最も困ります。Hydrocortisoneやcortisoneは胎盤を越え、胎盤の酵素である11β-dehydrogenaseによりhydrocortisoneからcortisoneへ変換させ、これは生物学的には非活性。故に、ステロイド治療が必要な場合は、hydrocortisone, sortisone, prednisoneを使用するべき。Dexamethasone, betamethasone, methylprednisoloneは胎盤を越えるので、胎児にステロイド治療が必要な場合に使用。  

妊娠中に再発してステロイドパルスが必要になった場合、非妊婦と同様に投与しても構わない、という論文は出ています(Eur J Neurol 2005;12:939-46)。  

短期間のprednisoneは一般的には安全と考えられてはいますが、催奇形性があるため、the first trimesterでは1-2 mg/kg/dayは避けるべきで、second or third trimesterでは5-10 mg/dayあるいはそれ以上の容量は安全だそうな。(Expert Rev Neurotherapeutics 2006;6:1823-31)
クリント・イーストウッド監督による、登場人物がほとんど日本兵の「硫黄島からの手紙」の米国版。「英雄なんてものはいない。皆、父のような普通の人間だ。父が英雄と呼ばれるのを嫌がった気持ちが分かる。英雄とは人間が必要にかられて作るものだ。そうでもしないと、命を犠牲にする行為は理解しがたいからだ。だが、父と戦友たちが危険を冒し、傷を負ったのは仲間のためだ。国のための戦いでも、死ぬのは友のため。共に戦った男たちのためだ。彼らの栄誉をたたえたいなら、ありのままの姿を心に留めよう。父がそうしたように。」硫黄島の擂り鉢山の頂上に星条旗を立てた、銅像にもなった6人の男たちの物語。有な戦場からの報道写真ですが、このやらせにも近い「記念写真」は実は2度目に立てられた旗で、最初に旗を立てた兵士の姿や氏名は残っていません。本当の英雄は島でなくなったのだ、自分たちは英雄などでは決してない、と叫びながら戦争遂行のための国債の販売キャンペーンに協力する姿は痛々しく感じられます。  

「父親たちの・・」では「硫黄島からの・・」で洞窟の中で手榴弾で自決した日本兵の姿が登場します。何のために硫黄島で彼らは玉砕したのか?二宮和也扮するパン屋の若者の悲しい眼に「おめでとうございます」と赤紙を持って迎えにくる国防婦人会や在郷軍人たちの非条理さが投影され、結局は生き残るものの、二宮の眼で見た硫黄島での大日本帝国軍の戦いの愚かさを上記の米国版映画の最後のナレーションが際立たせます。
2007年の5月、シカゴは75億匹もの17年ゼミが現れたそうです。17年ごとに正確に地上に現れ、羽化し、繁殖するためにわずか10日間の最後の人生を過ごすために。氷河期、北米の大部分は氷に覆われてしまい、ほとんどの昆虫は絶滅し、わずかに湧き水があって地中が温かかった地域にのみ、セミが生き残りましたが、地中での代謝がゆっくりになってしまい、成虫になるまでに17年もかかるようになってしまったんだそうです。17年ゼミが生育しているのはワシントンDCからシカゴまでの地域の、しかも斑状にしか存在せず、多くの米国人はセミを知らないんだそうで、ハチと間違わないように、"We do not bite"というチラシを配布しているんだとか。DCに滞在中も17年ゼミに遭遇したことがありますが、本当にうるさかったです。17年ゼミは一斉に地上に現れますが、私たちが出会ったのは1988年のはずで、1990年の5月以降はすでに米国にはいませんでしたから、地域ごとに多少ずれているのかもしれません。米国には、13年ゼミというセミも存在しています。いずれも素数ですが、両者が同時に羽化した場合、子孫を残せなくなる可能性があるために、ずらしているんだそうな。でも、221年ごとには両者が同時に地上に現れます。米国史上には、まだ記載がないのでしょうか?
「右近の桜、左近の橘」という言葉はご存じでしょう。京都御所で963年にそれまで植えられていた梅の代わりに、桜が植えられて以来のことだそうです。ただし、この左右は、右京区(京都の西側)、左京区(東側)と同じように、南向き、つまり天皇が宮殿から見た場合左右逆で、桜は左。帝の反対側の庶民から見た場合は、桜が右に。ひな人形での桜と橘の位置も関東、関西など地方によって左右は一致していないそうです。  

ところで、当院のレジデントルームの窓から、薄黄緑色の桜が見られます。鬱金と書いて、うこんと読みます。つまりは、うこんの桜。大鵬薬品工業のソルマック胃腸薬1本50mlに含まれるうこんエキス0.3mlは鬱金300mgに相当。しかし、これは桜から抽出したものではなく、漢字は同じですが、ショウガ科の学名Curcuna longaという熱帯アジアやインド原産のカレーの原料ともなる、健康食品として注目されている全く別の植物。でも、なんで漢字が同じなんだろ?  

当院には緑系の桜が二つあって、もう一つは緑色が少し濃い、御衣黄(ぎょいこう)という桜もあります。橘に「さこん」という品種があると面白かったのですが、当院の今村医師の検索ではないようです。