Medical Essay  NO.14

高齢のグレン上院議員が久しぶりに宇宙へ出かけていって、宇宙空間での高齢者の生理学実験を無事に終えられた時、グレン氏は支えられて歩行していらっしゃいました。宇宙空間では筋萎縮が起こりうることが以前から判っていたようですが、機序は良くは解ってはおらず、成長ホルモンや副腎皮質ホルモン、anabolic steroidなどによる間接的な影響や筋線維への直接的な影響も考えられていたようです。  
筋細胞への直接作用について解析された結果が報告されています(FASEB J., 13:1031-1038, 1999)。それによりますと、どうも蛋白の合成自体が減少するようでありますね。やせたい人は宇宙空間へっていうわけにはいかないようであります。筋が萎縮したんじゃねえ。脂肪は減らないんだろか?逆に、重力をかけると筋肉マンになるんでありましょうか?
クラシック音楽向上委員会編「クラシックB級グルメ読本」(洋泉社)によれば、クラシックの女性奏者のジャケ写は"オンナ"を売っているとしか思えない写真が少なくない、と。もちろん、内田洋子さんやジャクリーヌ・デュ・プレもいますが・・・(失礼)。ピアニストの中村紘子さん(カレーおばさまですネ-「白鳥の歌なんか聞こえない」の庄司 薫クンはどうしちゃったんだろ?)は、ポルノ女優みたいだと本気で怒っていたイタリア人がいたそうです。チッチョリーネの映画を見る機会は筆者には残念ながらありませんでしたが、国会議員になってからの写真で見る限り、おばさまほど脂肪沈着型ではありませんでしたが・・。  
色気なら断然仲道郁代さんだそうで、AV女優小林ひとみさん似だ、と。諏訪内晶子さんはオミズ系だそうです。  
グラモフォンJAPAN創刊号に掲載されている広告などのジャケ写を見ますと、確かにクラシックも美しくないと女性は売れないんじゃないかと思えますねえ。まず、アンネ=ゾフィー・ムター(Anne-Sophie Mutter)が年末に日本でリリースしたヴィヴァルディの四季を指揮・演奏したCD写真は、本当に美しいのですが、なんかやっぱりオミズ系でチーママ風。他にも、加羽沢美濃(テレ朝系列で放映中の「題名のない音楽会」で司会をしている芸大出身の方。むさくるしい男*の隣で健気にも耐えている清楚な方。* いえ、別に、男食べ過ぎた(杉田)かおるさんの高校時代を愛人にしていたことをひがんでいるわけでは決してないのでありますよ。小山内さん脚本の金八先生はそれほど朱子学的ではありませんが、母体の海援隊自体の道徳教育的胡散臭さに辟易していたのでありますね)、田部京子、イリーナ・メジューエワ、パメラ・フランク、フィリッパ・ジョルダーノ。マリア・カラスなんか水着姿が出てました。この雑誌には出てませんが、三木香代、漆原朝子なんてヒトも美形。いやあ、クラシックは今や、ジャケ写が楽しい。(ナニ?セクハラだ?男だって、ジャニーズ系なんて姿形でしょうが!) (2000年)
Suntory Quartery62号(17巻2号-1999.12.25発行)に、竹内久美子さんの教授だった動物行動学者・日高敏隆さん(滋賀県立大学長)と発酵学の東京農大・小泉武夫教授の対談が連載されています。その中から、
  1. エチルアルコールより一つ炭素の少ないメチルアルコールも、一つ炭素の多いプロピルアルコールも人体は受けつけません。わずかの差でありながら、天国と地獄の差を説明できる根拠は不明。
  2. ショウジョウバエは発酵し始めたような果物に卵を生む習性があるので、酒が好き、と。果物の匂いが好きなので、エステル香の多い酒が好き。それで、エステル香の多い特級に引きつけられるそうで、利き酒能力があることに。
  3. スズメも古々米と古米、新米を置いておくと、新米から食べる。
  4. 日高京大名誉教授は、米国のスーパーで食卓塩を買ってきて使ってみたらちっともうまくないので、よく見たらsodium freeと書いてあり、KClだった、と。ヘルシーブームで食塩カットが流行しているため。
  5. 最近、日本人は米を食べなくなりましたが、米には精子を作るアルギニンが多いので、精子数減少の一因ではないか、と。(環境ホルモンとの複合 ?)
  6. 堆肥を使用しなくなったため、亜鉛摂取量が減少しているようだ、と。情緒の安定に関連しているとも言われ、「キレる」原因か、と。
  7. 慶長時代に、小便を土の中で発酵させて爆薬を作る技術がすでに我が国で開発されていたそうで、この変化は、尿素CO(NH2)2→NH3→NO→NO3→HNO3→釜で煮つめ、灰汁(K)を加えてKNO3(黒色火薬)。大したアイディアですね。
  8. 彦根プリンスホテル近くにある筑雲神社は、日本唯一の浮気防止神社だそうです。  
開高健・山口瞳氏の「洋酒天国」の流れを汲む広報誌である本誌には、小池真理子さん、大岡 玲さんなどの売れっ子作家が寄稿していて、イキのいい小冊子。定価500円。どうもサントリーという企業は広報関係は伝統的に元気で面白いですネ。
さる大学教授の最終講義終了時、教授が講義室を去る姿にだぶらせて、流されていたのが上記の曲。最近、たまたま内田光子さんのCD(テイト指揮・イギリス室内管弦楽団)を声を出して読んでいて、発見(ちなみに、昭和の初めまでは本を読むときは音読が常識だったそうで、声を出さずに孫が本を読んでいるのを見て、気味が悪いと祖父が感じたという一文が昭和初期にあるそうです)。タイカンシキ・・ん?退官式?元教授は決してダジャレで講義を閉めたわけではないのでしょうが、期せずして、小田島雄志風に(最近、シェークスピアが専門のこちらの東大名誉教授の本が出ました「駄ジャレの流儀」講談社。「王、金田、広岡」(おお、金だ、拾おうか)なんていうのが満載)。
金沢医大脳外科の飯塚教授はLocked in症候群の説明に、アレクサンドル・デュマの"The Count of Mounte Cristo"の話をされるのだそうです。Noirtier de Villefort老人は卒中のために身動きできない状態になるが、瞬きにより自分の意志を伝え、意に沿わぬ息子の検事総長に一泡吹かせる描写があるんだそうですね。これはPlum & Posner(今や、paraneoのヒト)の名著"The Diagnosis of Stupor and Coma"にも引用されているそうです。しかし、学生たちはモンテ・クリスト伯の話も子供向けの厳窟王も知らないそうで、反応はない、と。で、教授は長い小説とはいえ、受験勉強に忙しく教養を身につける余裕がないのか、と嘆いていらっしゃいます。筆者も読んだことはありませんが、ダイジェストではない「戦争と平和」を高校時代に読んだことはありますが、半端でない長さに閉口した覚えがあります。「社会的な常識や幅広い教養と優しい心は、人間を相手にする臨床医には欠くことのできない資質」と、教授は考えていらっしゃいます。欧米であれば、ギリシャ神話や有名な詩を引用しながら会話できることが教養と言えるでしょうが、日本ではどうでしょうか?何をもって、教養の基準とするべきでありましょう?モンテ・クリスト伯は長すぎるのでちょっと置くとして、岩波文化人風には(いやな言い方ですが)、やはり漢字文化圏である以上、漢学の知識でしょうか?「盾と矛」や「一炊の夢」などの有名な話は高校の漢文でも習ってはいますが、漢詩の一部を引用しながら中国人と会話できる政治家すらいないように思いますから、やはり難しいでしょうか?ちなみに、筆者は、このニュースレターに漢語が少ないことからお判りにように、あきまへん。「文学に限らず、絵画、音楽、映画などに深い素養」(脳外科, 28:104-105, 2000)を持ちたいものではありますが・・・。そう言えば、昨年8月に初めて開催されたZARDのライブ限定盤を予約購入しましたが、自慢にはならないなあ。
2000年2月4日(金)午後、米国海軍のご好意により米国海軍横須賀基地内の病院の見学ツアーが開催されたそうです。レーガン大統領が腫瘍の手術をしたWahington DCの海軍病院は評判が悪かったようですが・・・。米軍の看護婦・師(兵)との意見交換会もあったようですが、電話番号なんて聞いても良かったんだろか?
日本通運の新潟旅行支店でツアーを募集しています。新潟空港発着、快適ホテルに泊まる「冬季限定スペシャル企画」ウラジオストク4日間。驚きの価格、69,800円。新潟から最も短時間で訪れるヨーロッパ!(極東だけど・・ロシアをヨーロッパと言うかどうか・・)航空会社はウラジオストク航空。え、ナショナルウイングじゃないんだ。でもあれだって、すごいけど・・・3人掛けのシートに4人座らせたり、シートベルトなんてしないし・・・キャビンアテンダントのおばさんは、通路をやっと通っているような人だったし(みんなそうなのですが、客より重い従業員じゃ燃料喰うだけだろうに・・・太るのは労働者の権利?)。社会主義じゃなくなったので、今は変わったかもしれません。極東の女子高校生には、本当にきれいな子がいましたが・・。
宮脇 檀(PHP)より  
知らない土地で誰も案内してくれない場合、美味しい夕食を確立高く探し当てる方法とは、建築家の著者によれば、まず繁華街を探し、次いで飲屋街を探し、その中間地点に美味いもの屋が存在する、と。  
戦後、我が国での人間工学の歴史は、警察予備隊へ米軍から兵器や宿舎を引き受けたことに始まるんだそうですね。はじめはトイレへ行っても高すぎて小便ができず、床に台を置いてもいいかという問い合わせがあったり、洗面台が高すぎて肘に水が垂れてしまうため、日本人の寸法を測る必要が生じたため。その後、日本工業規格(JIS)へと発展。  
輸入物の椅子は足を2 cm切って売っているんだそうで、そう言えば米国でトイレに座った時に足が届かず、足がぶらぶらしていたことを懐かしく思い出します。女性の平均身長に合わせているとはいえ、洗面台の我が国での基準は720 mmだそうで、これはいくらなんでも低すぎませんか?筆者の自宅は、それまで住んでいたマンションの台所のシンクの位置が余りに低すぎて腰が痛くなるため、100 mm高くしてあります。これでも低いような気がしますね。平均身長は視線の目安にもなっていて、塀の高さの基準にもなっている、とか。目高の差をなくすために、ちゃんとした割烹や寿司屋ではカウンターの内側の床は30 cm低くしてあるんだそうです。ご存じでした?寿司職人の目線が遙かに高く、見下ろしているような店は、たいしたことないってことですね?値段とは相関しないように思いますが・・・。  
ホテルの部屋のドアは消防法で木製にはできないんだそうですが(唯一の例外は、ドアの内部にドイツ製の難燃剤を入れた成田全日空ホテル)、鉄製のドアは確かに燃えはしないものの、熱で曲がってしまうんだそうで、そのために開けにくくなってしまい、部屋で焼け死んだりガスで窒息する危険性がある、と。知らんかった!
のために高齢出産に挑戦中のコラムニスト、山田美保子さんにアドバイスをしていた明石家さんまさんの元ネタが、本誌でも何度か取り上げている竹内久美子さんの本なんだそうですね。  
SINRAのコラムにこのことを山田さんが書いたら、竹内さんからお手紙を頂いたそうです。「私の知る限りの効率の良い子供の作り方」として、9つの方法が書いてあったそうです(高齢出産に近つきつつある竹内さんご自身は独身のはずで、あくまでも文献的考察だと思います。ご自身で実験はされてはいないと思いますが・・)。一部が紹介されています(SINRA, No.72, Dec., 1999)。
1). レイプごっこをする。
2). 発射最前列を生きのいい精子に置き換えるために、SEXの2-3日前に夫にマスターベーションを依頼する。
3). ウェスト対ヒップの比が小さい方が受胎しやすく、理想は0.7だそうです。90, 60, 90なら妊娠し易いってことになりますね。高齢になれば、この比は限りなく1に近づくわけで・・・。
が1999年12月15日にテレビ朝日系列で放映されました。ベトナムでロケした名古屋テレビの力作。全ては見てはいませんので、内容に関してはコメントしませんが、筆者の世代(朝鮮戦争の真っ最中に生まれ、思春期にベトナム戦争に出会い、「戦争を知らない子供たち」ではなく、「戦争しか知らない子供たち」-頭脳警察でしたっけ?-であった、団塊の世代とその後のニューファミリー世代までの架け橋世代)にとってはさまざまな思いが交錯します。筆者が高校入学間もない頃に最初に目にしたベトナムものは、岡村昭彦さんの「南ベトナム戦争従軍記」(岩波新書)、次いで本多勝一さんの出世作「戦場の村」(朝日新聞)-勿論、日本語版の方ですが-。1966年に「安全への逃避」でピューリッツァー賞を受賞し、UPI香港支局写真部長を辞して現場復帰した後、1970年10月28日、カンボジアで銃撃を受けて殉職した沢田教一さん(享年34歳)については、青木富喜子さんの大宅壮一賞受賞作「ライカでグッドバイ」で知りました。今回、昭和54年8月に当時18000円で紀伊國屋書店から発行された写真集「密封されたフィルム 日本人カメラマン12年のベトナム総集」を初めて開けてみました。「インドシナ半島の戦争で 倒れ 傷ついた すべての市民と兵士に また 故沢田教一(中略)を含む同地での取材中についに生命を終えた すべてのジャーナリストに本書を捧げる」という献辞が掲げられています。いかに多くの日本人カメラマンがインドシナで殉職したかが判ります。1999年11月に、「泥まみれの死 」 沢田教一ベトナム写真集、沢田教一・沢田サタが、講談社文庫として新装版がでています。
日本結核病学会は医療従事者の安全衛生管理の視点から、1998年に院内感染対策を発表し、就職時に施設は40歳未満でツベルクリン反応を施行する際に、ブースター効果を期待して正しいベースラインを設置するために、二段階ツ反を行うことを推奨。トヨタ記念病院で職員を対象に521名に二段階ツ反を施行(日胸, 58:881-887, 1999)。1回目と2回目の径の差が6 mm以上をブースター効果ありとすると、発赤径で判定すると73.7%、硬結径では46.0%で増大が認められた、と。2回施行する必要性があることが判りますね。ここは結核病棟のない病院ですが、2回目で10 mm未満の陰性者が看護婦で3.8%、医師で11.8%のみ。意外に少ないんですねえ。ちなみに、筆者は陰性で、内科医からは「マスクしないで、ちょっと結核病棟でうろついてみたら。」  結核病棟を有する国立療養所と結核病棟のない国立病院の看護職員のツ反の強陽性者の割合を調べると、国療の方が高く、院内感染が日常的に起きていることが判明(日胸, 58:880-894, 1999)。
戦前に弾圧を受けた大本教教主、出口王仁三郎(高橋和己さんの小説「邪宗門」ですネ)が神がかり状態で書いた「霊界物語」に出てくるそうですが、世界の大陸を縮小させて並べ替えると、日本地図が出来るそうです(赤瀬川原平「優柔不断術」毎日新聞社)。北海道が北アメリカ大陸で、横浜が上海、富士山がチョモランマ、静岡が同じお茶のインド、琵琶湖がカスピ海、瀬戸内海が地中海、四国がオーストラリア、九州がアフリカ。旧奴隷海岸に相当するのが長崎なのですが、長崎にも南蛮渡来の船が来た頃、同じような試みがあったそうで、奇妙に類似しているのだそうです。
は少なくありません。筆者も以前いました病院で、20年も夫に殴られ続けてきた主婦が頭痛を主訴に、通院されていた患者さんがいらっしゃいました。外傷があれば見当が付きますが、本人が話さないと解りませんね。日本では、その後の処置が困難ですので、もっと対応を考えないといけません。  さて、米国では、毎年配偶者に暴行されている女性が200-400万人いるそうです。また、家庭内病力により救急外来を受診したことのある人が、女性の35%、男性の22%に及ぶそうです。  家庭内暴力が関与しうる神経疾患としては、
1). 慢性の非特異的な疼痛疾患
  慢性頭痛、fibromyalgia、腹痛、下腹部痛、背部痛、頸部痛など
2). 身体化障害
  多彩なはっきりとはしない訴え、pseudoseizure、ヒステリー
3). ストレスに関連した症候
  不安、過換気、不眠
4). 自殺企図、アルコール依存、Medication seeking behavior
  (Arch. Neurol., 56:659-660, 1999)  
メキシコからの報告では、慢性の神経疾患をもっている女性患者の1/3は家庭内暴力の被害者だそうです。頭痛や三叉神経痛、うつ、めまいなどではdomestic violenceについても注意を!だそうです。(Arch. Neurol., 56:681-685, 1999)
抗てんかん薬が次々に開発されていますが、本邦で販売されるまでには相変わらず時間がかかっていますし、座薬や注射薬の選択枝が相変わらず少ないのが問題。  
新薬の中にGabapentinというのがあって、これをてんかんセンターの先生と声を出して議論していましたら、内科の先生から「なに、ジャワ原人がどうした?」と言われました。これは現在我が国ではPhase IIの治験直後で、ワーナー・ランバート社取り扱い。難治性部分てんかんの治療薬として期待されています。肝酵素を誘導しないとか、他のフェノバルビタール、フェニトリン、カルバマゼピン、バルプロ酸との相互作用がないという特徴があります。糖尿病性末梢神経障害で難治性疼痛が出現しますが、Gabapentinが効果があることが報告されています(Acta Neurol. Scand., Suppl. 173:43-47, 1999)。