Medical Essay  NO.12

ある科学者によれば、恋するヒトの写真を見て、恋する感情を呼び覚まされると、尾状核が活性化するんだそうですね。MRIで調べてみました。ハンチントン病やWilson病(いずれの疾患も尾状核に病変がきます)では恋しなくなるのが初期症状という可能性もあるのか・・・?きちんとは見ていないので、詳細は不明ですが、日本テレビ系列でバレンタインデー間近の2006年2月11日に放映された、「恋愛サイエンスSP」にて。また、この番組では、「恋の賞味期限は2年」だとか・・・。身に覚えがありますか?ともに生活する上で、「恋」を持続する要素があるとすれば、思い出の共有と連帯感でしょうか。
という広告を電車で発見。曰く、「待ったなし、結婚式!」ん?待てない理由があるんかい?
という疑問が出ているそうで、問題点が紹介されています(滝上 正:黒死病の謎。医事新報, 4267, 57-61, 2006)。
  1. 1347年末にイタリア本土で発生した疫病はペストだったらしい。
  2. 中世のペストではよく見られた激しい掻痒の痕の皮膚症状は外見上黒く見えるそうですが、流行当時には黒死病とは呼ばれてはいなかった。
  3. 古典的にはペストの伝播はネズミノミであると、インドでは知られていたが、この場合に認められるネズミの先行する大量死がない。このため、ネズミを殺さない疫病がかぶっていたのではないか。
  4. 家系内での伝播が珍しくなく、ヒトからヒトへの直接接触が疑われる。
  5. ノミの最適生育条件から考えると不思議なことに、冬でも犠牲者が出ていることや、田舎のような居住密度の低い地域でも悲惨な災禍を引き起こしている。
  6. 死亡率が高すぎる。
  7. ペスト特有といわれる皮膚症状であるブボーがない。
  8. 肺ペストの存在はなかったのに、70時間以内に死亡するというきわめて急性の経過をたどった。
  9. ペストに強いとされるイヌなどの家畜も大量に死亡している。
  10. 黒死病により当時の人口の1/3から1/4の犠牲者が出たというのは低めの修正するべきだそうで、そもそも寒冷や飢饉などで人口が減少していたそうな。
で、著者は、ペストではなく、犠牲者の大半は炭疽によるのではないか、と推定しています。
最近 (2006年)、Zugakousakuというグループが制作したスクリーンセーバーが人気のようであります。  
“Full Color Bossa2”では800色もの色がアトランダムに現れます。読めない字やワープロにあるだろうかと思われる色も登場します。後者はここでは紹介できませんので、気になったものをいくつか・・・時に、雨が降ります。  
新橋という色があります。聞いたことはありませんねえ。  
紫黒(Shikon)  
砂  
黄丹 (Ouni)  
鉄-これはきれいな青系の色でした。鉄色ってイメージは良くはありませんが。  
白群 (Byakugun)-きれいでした。  
“The 20th Centuy Voyage”では、アトランダムにそれぞれの年の話題が登場してきます。21世紀は今年の分だけ登場しますが、ネットに接続されていますと最新の24時間以内のニュースが紹介されます。20世紀分としては、
1900 社会主義協会発足 日本 (今や昔、協会派)
1900 ハンバーガー発売
1908 味の素発売 (すごい歴史です)
1908 松屋呉服店で日本初のバーゲンセール (そもそもは誰がoriginal?)
1908 初の量産車「T型フォード」発売
1918 ハンガリー共和国宣言 (共和国時代があったなんて!)
1919 米国共産党結成 (スペイン内戦には国際義勇軍を送っていて、日本人が米国共産党が関与したグループに参加しています。)
1948 ポラロイドカメラ発売
1959 バービー人形誕生
1969 コンコルド初飛行
1988 B-2ステルス爆撃機
1990 アニメ「宇宙戦艦ヤマト」  
などなど。特に意外なものやあまり知られてはいないだろうと思われる項目を取り上げてみました。  
合間合間に、チャップリンやフォード、マクルーハン、吉田 茂、手塚治虫さんなどの名言が紹介されています。
だった手嶋龍一さんが拉致事件、偽百ドル紙幣、核ミサイルなどを盛り込んだ現代ミステリー「ウルトラ・ダラー」を新潮社からリリースされました。内容は読んでのお楽しみ、ということで・・・こんなことが書かれていました。 

フランスがイラク戦争に反対して以来、フレンチトーストは敵性の食べ物となってしまいました。米国大統領の専用機、エアフォース・ワンでは、フリーダム・トーストと呼んでいるとか。「自由・平等・博愛」のフランス革命だけは評価したものか、フランスから送られた自由の女神に配慮したネーミングなのか、由来を知りたいもの。  

ある英国の外交官はこんなことを言ったことがあるそうな。「外交官とは国家の恥部をもあまねく記録に刻み続けるものをいう。」本当なら良いのです。でも、日本って、古い外交文書が公開された、なんていう話を聞きませんねえ。歴史でさえ、評価する機会がないのでしょうか?一般的に、官僚のすごいところは、なんでも記録に残しておくことで、探し出せれば、いろいろな記録が出てくるようです。  

ウクライナの親EU路線の大統領選挙に顔の表情を一変させつつも勝利した、ユシチェンコ派のシンボル・カラーは、ウクライナ語で「ポラマンチ」と言い、オレンジのこと。ウクライナ人のオレンジを巡る色彩感覚は多彩で、ポーランド語には「ポラマンチ」に相当する言葉があるそうですが、ロシア語にはないんだそうで、ロシアからの離脱のシンボルとして使用したのだ、と。英国の情報部員が篠笛のお師匠さんを新潟の行形亭(ゆきなりや)に誘う台詞が出てきます。手嶋さんは新潟を代表する料亭をご存じだったんですねえ。そういえば、筆者が大学を卒業する際に、卒業アルバムを制作しましたが、その完成慰労会を学生だからと、ある医学部教授のご縁で格安で宴会を開いたことがありました(筆者はたった二人しかいなかった写真部員の一人だったので、制作に少しばかり参加した関係でこれにも加わりました)。もちろん、芸妓さん(当時、新潟芸者で一番若い人でも、ゆうに60歳を超えておりました)は呼ばず、自前ですませ(つまりは同級生ですが、でも、お酌なんてしてくんなかったような気がしますが。あの頃、勝共連合に入っていた、きれいな同級生は卒業後、行方不明になりましたが、合同結婚式を挙行したのでしょうか?)、巨大な座敷の真ん中に10名ほどで飲んだ記憶があります。  

これは情報小説としては面白いですが、最後のシーンは気に入りません。最後に、息切れ?恋人を救うべく、イギリス情報部員は京都南インターから北上し、双ヶ丘を右折。ん?筆者の住んでいるところや。福王子交差点を北上。筆者は、いつもは病院へはここで左折しますが、主人公はさらに栂尾を超えて北上し、北朝鮮ではなくて中国情報部がコントロールしている、結核療養所だったサナトリウムへ向かいます。現実にはこんなところには療養所はありませんが、設定はまるで宇多野病院。当院は、中国情報部に牛耳られてしまったことになっていました。
リンカーンの直系子孫は絶えていますが、叔父と叔母に小脳失調症状があって、この人たちの子孫が膨大で、大家系を形成しています。最近、この家系はb-III spectrin (SPTBN2)の遺伝子変異がある事が判りました(Nat. Genet., 38:184-90, 2006)。このSCA5という疾患は、ほとんど小脳失調のみで、臨床的にはSCA6と区別がつかないそうです。発症年齢は15から50歳(リンカーンの家系はこの幅が広くて、4から68歳)。Anticipationはprobableという表現になっています。SCA6でも認められる、downbeat nystagmusが出現し、家系によっては、顔面のミオキミアや水平性の眼球運動制限、振動覚障害が認められる事がありますが、mild。  

リンカーン自身はマルファン症候群だったことで有名ですが、SCA5に罹患していたかどうかは実は不明確。サインを年代順に比較した報告が出ていて(Neurology, 49:298-302, 1997)、次第にサインが見にくくなっていて、失調が存在していた可能性が指摘されています。
の新作が文藝春秋から発行されました。福井さんの作品に一貫して流れる思想がここでも展開されています。「複数の利害関係の結果を政治と呼び、政官財に抜け目なく蜘蛛の巣を張る権益集団の利益を国益と呼ぶ」この国の現状に対してテロで挑む若者たち、「人類史に未曾有の歴史を刻んだ『平和国家』の住人たちが、国や民族、宗教といった言葉で括られる論理レベルを超え、新しい言葉を生み出す可能性、撃たれるまで撃てない無策を嘆くより、撃たれるまで撃たないと自らを規定し、反対ではなく、抑止という観点から戦争と対峙できる可能性にかける人々」を描いています。オペレーション・ローズダストという作戦名で、日本政府に対してテロリストたちは復讐を謀ります。迎え撃つのはかつての仲間。ローズダストは波の花のことですが、どこで、どのような波の花が咲くのか、なぜ波の花ではなくてローズダストなのか・・・それは読んでのお楽しみ。
2006年11月の連休の期間、ソウルの郊外、漢江のほとりにたたずむグランデ・ウォーカーヒルソウルに缶詰になっていました。このホテルにはカジノと免税店も備えられていています。誰がカジノにtryしたか・・・多分、誰もチャレンジしなかったようです。見ていましたら、当然とはいえ、ほとんどのテーブルでディーラーの元にチップが集められていました。でも、なんで、ディーラーの多くは若い女性なんでありましょうや?客が男が多いからでしょうけどねえ・・・  

さて、このホテルのアフタヌーン・ティー・セットは秀逸。スコーンとクリームは本格的な英国風で、東京のフォーシーズンスより美味しいと思います。その上、2000円とえらく格安。東京と比較しても安いですが、イギリスの同程度のティーセットはフォーシーズンズで8000円と、たまたま休日にぼんやり見ていた民放のBS放送で紹介されていました。しかも、週末はスコーンヤサンドウイッチなどがビュッフェになります。三段重ねで運ばれてくる平日スタイルでも量は充分ですが。  

ただし、注意が必要。黙っていますと、ミルクは温められて提供されますので、あらかじめミルクはcoldと言っておかないとダメ。自分でポットに入れるので、tea after milk派でもmilk after tea派でも大丈夫。  

帰国の前日に、ナンタを見てきました。包丁を打楽器にした台所パフォーマンスで、時々来日しています。当日は3つあるチームのうち、レッドチームが登場。各チームそれぞれに一人女性がメンバーになっていますが、レッドチームの女性が最も可愛らしい。特に、笑顔がとってもすてき。当日は、包丁を投げる技は見せませんでしたが、テレビで見た時は本当にびっくりしました。直前まで野菜を切っていた包丁をメンバー同士で投げ合うなんていう技は、練習が大変。失敗したら怪我が大変。すごいエンターテインメントです。一見の価値あり。女の子も。
1788年から51歳で亡くなるまでの8年間、火附盗賊改長官として活躍した、実在の人物、長谷川平蔵をモデルとした、池波正太郎原作の小説ですが、モデルのほうは年収が現在のいくらほどであったか?3000万円なんだそうで、意外に高いもんですね。現在の警視庁長官なんて、そんなに貰っていないでせう(と、突然、丸谷才一風に)。そもそも、この人、42歳の時に、江戸で起こった打ち壊し暴動を、与力75騎、同心300名を率いて鎮圧したことで、老中・松平定信の目に止まったことがこのお役を受ける元になったそうです。しかし、単に、武闘派というのではなくて、他の長官に比し、拷問を避け、自白によって罪を認めさせたんだそうな。また、若き日の放蕩時代の情報網を生かして迅速に逮捕したそうです。
キーボードから医師らの手を介して患者に病原菌が伝播されるリスクがあるという報道がありました。  

米ノースカロライナ大学(UCN)チャペルヒル校医学部教授William A. Ru-tala博士らは、同大学病院内のさまざまな場所に置かれた25カ所のコンピューターキーボードから標本を採取したところ、 いずれのキーボードも2種類以上の細菌に汚染されていました。入院患者の血流感染症の主な原因であるコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CoNS)については、すべてのキーボードから見つかり、このほか13種類の細菌が見つかったそうです。イソプロピルアルコール系、塩素系のほか、滅菌水で湿らせたペーパータオルなどを用いた結果、いずれも細菌の95?100%を除菌または不活性化させることができたそうで、治療エリア内にあるコンピューターのキーボードやキーボードカバーはすべて毎日定期的に殺菌すべきだそうです。
5月21日、ぽかぽかした朝、東京の○△荘の庭を散策しておりました。隣には美しい女性が・・・ん?(カミさんですよ)  
さて、池の周囲にはカキツバタが咲いていたのでした。庭を維持している従業員が大きなながーい箱を持ってきて、何をするのかと見ておりましたら、箱からカキツバタを取り出して水辺に植えているではありませんか!しかも、よく見てみますと、それらには根が生えていないのでした。つまり、ポットで育成した苗を植えていたのではなくて、あたかも生け花のように刺していたのです。切り花を庭に刺していたのですね。球根から育てていたのではなくて、いつも花を咲かせているために、こうやっていたのでしょう。庭で咲いていた花をホテルに生け花として飾るホテルはありますが、逆は初めて知りました。ちなみに、フォーシーズンズ・ホテルのアフタヌーンティーはスコットランド風で有名ですが、14時から。庭から神田川へ出られますが、桜の季節は、庭も神田川の川岸もきれいでしょう。
2006年4月10日朝、材料学を選考している東北大学大学院工学研究科の22歳の男子学生が、講義中に体調不良を訴え講義後に受診した仙台市内の病院で意識を失ないました。症状がエチレングリコール中毒に類似していたことから警察が調査していることが4月25日に毎日新聞で報道されていましたが、5月11日に死亡しました。学生は倒れる2-3日前にセラミックを作る実験の溶剤としてエチレングリコールを使用していましたが、誤飲や吸飲の形跡がなく、調査中だそうです(その後、どうなったのでしょう?)。ちなみに成人の致死量は約100mla。無色透明、無臭で、通常は不凍液として車に使用されているほか、ワインにも酸化防止剤、甘味料として入っていますね。  

症状は3段階に分かれるそうで、3ステージ(3段階)に分かれます。まず、飲み込んでから30分から1時間経過すると、元気喪失、運動失調、ナックリング等の神経症状(足を折り曲げてあげると、通常であれば自分で元の位置に戻しますが、戻す事が出来ない症状だそうな)発作、嘔吐、体温低下が出現。ついで、飲み込んでから12時間から24時間経過すると、頻呼吸、頻脈となり、飲み込んでから24時間から72時間経過すると、窒素血症、血尿、無尿、嘔吐、急性腎障害のような症状が出現するそうです。早期発見が重要で、治療としては、急性薬物中毒と同じですが、嘔吐をさせて飲み込んだ物を吐かせ、活性炭で毒素を吸収して排出させる、と。