2014年8月号 NO.3

  1. Ataciceptで再発誘発し、治験中止
  2. いっそ、LINEを18歳以下では違法にしてはどうか?
  3. 脱法ハーブを取り締まれない構造を変革できないものか?  
  4. Natalizumab治療でCSFのOCB消失
  5. Travel+Leisure誌が選んだWorld’s Best Awards/Cities部門2014年ランキング (2014/7)
  6. 日本国内で花王のメリーズが品切れ
  7. 身体障害者手帳申請の際の重複障害による等級アップ  
  8. 分かりづらいモノの違い
  9. 湾岸戦争後、従軍した米軍兵士にMSは増えたか?  
  10. 子宮頸がんワクチンの副反応は何か?
  11. 様々なランキング
  12. 対症療法のreviewが目立ちます
  13. 「バベル」(福田和代  文藝春秋)
  14. Fingolimod中止後にreboundしたMS患者の報告
  15. リンパ球数減少でFingolimod中止後に再発と20個以上の造影病変!
  16. 「ああ、良い勉強になった」
  17. MSはTh17-mediatedではない証拠?
  18. 元カレ元カノに電話して人の輪を繋いでゆく
  19. 京都の相変わらず危険な自転車
  20. 昔は・・・なんて言いたかないが  
  1. Ataciceptで再発誘発し、治験中止  
    B細胞の分化、成熟、生存に関与する、TNFSF20としても知られる、BLyS (B-lymphocyte stimulator)やTNFSF13としてもしられている、APRIL (a proliferation-inducing ligand)と結合する、Ataciceptによる255例のRRMSを対象とした、placebo-controlled, double-blind, phase 2 studyがAustralia, Canada, Europe, the USAで行われましたが、placebo群より3種類の容量を振った治療群の全てで再発が多くなって、中止されました。90例(35%)が36週の治験(ATAMS study)終了まで到達(Lancet Neurol 2014;13:353-63)。脳MRIでの造影病変数は差はありませんでした。ARRは25 mg, 0.86, 95% CI 0.43-1.74; 75 mg 0.79, 0.40-1.58; 150 mg 0.98. 0.52-1.81; placebo, 0.38, 0.17-0.87。

    脳MRIでの造影病変と再発とに乖離 が生じたのはAtaciceptが初めてではなく、TNF neutraliazation治療でも観察されたことだそうな(Neurology 1999;53:457-65; Int MS J 2011;17:63-8)。この乖離の説明として、Kappos教授らは・・・ 「疾患の過程で自然に起こる再発と薬剤に暴露されている最中に起きる再発との間に病態に差があるのかもしれない。一つの可能性として、DMT治療中に生起する再発ではサイトカインの直接的な影響がより強く、疾患の自然経過中に起きる再発は起炎性細胞の浸潤と細胞障害によるのかもしれない」と最後にdiscussしています(Lancet Neurol 2014;13:353-63)。
  2. いっそ、LINEを18歳以下では違法にしてはどうか?
    TBS系列のニュース23(2014/7/7放映)によりますと、一日5時間もLINEをやっている女子中学生もいるんだそうで(非生産的!)、反応しないと仲間はずれにされたり、いじめに遭うので、不安なんだそうな。これって、ネット初期に問題になったネット中毒とは少し異なりますが、より教育的に重要な問題をはらんでいるように思われます。愛知県・雁が音(かりがね)市では21時以降、スマホの自粛を中学生以下に呼びかけています。協力している生徒は限定されているようですが、この動きは県内に拡大しつつあり、他の県でも見習う学校が出ています。みんなLINEをしているため、LINEをしていない子にとっては、連絡さえできず、一緒に遊ぶことができないんだそうですね。将来、この子たちが大人になったときに社会問題になるでしょう。他人とまともに会話もできない大人ばかりになったら、この国は滅びます。学力も低下します。霞ヶ関や永田町は何をしている?LINEに課税するとか(1回のアクセスで1000円とか、違反したら食事なしで24時間拘置所入り・・・とか)、膨大な書類(英文とか)を総務省に提出しないと、LINEに接続できないとか・・・必死に英語の勉強をするだろうか?  以下の書物を紀伊國屋書店HPの本棚で紹介しました。
    1. 原 清治/山内 乾史【編著】 ネットいじめはなぜ「痛い」のか ミネルヴァ書房
    2. 土井 隆義【著】 岩波ブックレット つながりを煽られる子どもたち―ネット依存といじめ問題を考える 岩波書店
    3. 近藤庄一/安達昇 いじめによる子どもの自死をなくしたい 学文社
    4. 林 尚示【著】 学校の「いじめ」への対応とその予防方法―「生徒指導」と「特別活動」の視点から 培風館
    5. 片山紀子 入門生徒指導 - 「生徒指導提要」から「いじめ防止対策推進法」まで (新訂版) 学事出版

  3. 脱法ハーブを取り締まれない構造を変革できないものか?
    法律的には類似の構造物はまとめて違法薬物の対象にできるように法改正されていますが、それでも摘発が充分にはできないようです。業者の方が薬学が優秀って・・・厚労省はメンツを既に気にしなくなっているのでしょうか?発想が逆なのではないですか?合法薬物および製造・発売業者(線香やお香も含む)のみ法律で指定して、それ以外はすべて違法にするべきです。厚労省の皆さん、新しい認定組織ができるじゃないですか!
  4. Natalizumab治療でCSFのOCB消失
    CSF中のオリゴクローナルバンドは疾患活動性と関係なく持続的に存在しますが、その病因との関連は不明です。昔から研究されていますが、いまだにCNS内で特定の抗原にB細胞が反応していることの意義が判っていません。従来のIFNβ治療では影響を受けないとされてきました。以前、Natalizumabを投与すると消失するという症例報告は出ていましたが、多数例での検討はありませんでした。イタリアから24例を対象に、Natalizumab治療前後2年間のCSFを対象に検討されました(Mancuso, Franciotta, et al. Mult Scler, 2014 in press)。55%は完全に、27%では部分的にOCBが消失。IgG indexも減少していますので、CNS内で明らかに変化しています。BBBを超えるB細胞数が減少するでしょうから、当たり前ではありますが・・・OCB消失と治療との関連は・・・?
  5. Travel+Leisure誌が選んだWorld’s Best Awards/Cities部門2014年ランキング (2014/7)
    第1位 Kyoto
    第2位 Charleston, South Carolina
    第3位 Florence
    第4位 Slem Reap, Camnodia
    第5位 Rome  
    2013年には第5位でしたが、遂にトップです。Barcelonaが第8位で、Mexico City、New Orleansがそれぞれ第9位、第10位でした。北米だけに限定しますと、San Franciscoが第4位で、Vancouver、New York、Bostonがそれぞれ6位、9位、10位。アジアだけに限定しますと、Tokyoが第4位。日本は他にランキング入りしていなくて、なんとスモッグのひどいBeijingが9位です!  2015年も京都市は2年連続で1位に輝きました。
  6. 日本国内で花王のメリーズが品切れ
    日本国内でも通気性が良く、蒸れないおむつとして母親たちに人気があるのですが、最も大きな理由は中国人が大量に個人購入して持ち帰り、中国国内で転売しているんだそうな。価格が倍近くするにも関わらず、中国国内で生産している同じ商品が売れないんだそうですね。反日感情が高まっているにも関わらずこうした自体になっている理由は、
    1. 中国製への不信感 (日本の花王の工場なのですが、労働者への不信感なのでしょうか?中国人に商品管理という概念が希薄なので、消費者の信頼がないのでしょう)
    2. かつての一人っ子政策の影響がまだ残っていて、一人当たりの養育費にお金をかけるゆとりが出ている
    3. 他の商品では一日に10回換えなければいけないが、メリーズは4回ほどで済む。
    日本の母親たちが困っていて、一部の商店では一家族当たり2個しか売らない事態に。花王は増産体制に入っているそうですが、中国工場からの製品の宣伝にも中国国内で力を入れるそうであります。
  7. 身体障害者手帳申請の際の重複障害による等級アップ
    各肢ごとなので、両側性の上下肢不自由が各7級であれば、6級ではなくて総合5級になります。各等級で必要となるポイント数が等間隔ではないので、ポイント数が不足すると必ずしも2階級飛ぶことはできません。厳密さが大切。これは職場での障害者雇用比率を高める際、就職を希望する患者さんにも大切。
  8. 分かりづらいモノの違い
    1. ベランダとバルコニー
      屋根の有無の違いで、屋根があるのが前者。
    2. サスペンスとミステリー  
      前者は最初に犯人や真相が明かされていて、解決する過程を楽しむモノ。「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」が典型例。後者は最後まで犯人や真相が分からず、謎解きを楽しむモノ。多くの2時間ドラマが該当します。尤も、多くは番組終了20分前には崖の上などの不自然な場所で結論が出されますが。シリーズもののドラマでは「相棒」。
    3. スコップとシャベル  
      足をかけるところがあるかどうかの違い。大きさには関係なく、足をかけるところがあるのがシャベル。
    4. 裸足と素足  
      前者は靴下などを履かずに地面や廊下・床に直接触れている足のこと。後者は靴下などを履かずに靴や草履を履いている足。石田純一さんは素足。 <
    5. カエデとモミジ  
      モミジという植物は存在しません。カエデ科カエデ属の樹木が色づき赤く染まったカエデの葉をモミジと言い、モミジを漢字で書くと「紅葉」。
    6. サイダーとラムネ  
      サイダーの中身は炭酸水と砂糖と香料で、ラムネはそれにレモンを加えたモノ。レモネードがなまったのがラムネだそうな。
    7. つみれとつくね  
      作り方の違いだそうで、つみれは「摘み入れる」からきていて、練ったモノをスプーンやへらで汁に入れて作るモノ。つくねは「つくねる」が語源で、手で丸めて作るため。
    8. 林と森  
      森は自然に盛り上がるように生えていることの意で、林は人の手で木を”生やす(はやす)”からきているんだそうな。人工的に木を植えたり、整理したモノ。
      (日本テレビ系列「月曜から夜ふかし」より)

  9. 湾岸戦争後、従軍した米軍兵士にMSは増えたか?
    湾岸戦争後に帰国した兵士たちの中でALSが倍になったことは古くから知られています(Neurology 2003;61:742-9, Neurology 2003;61:750-6)。ではMSではどうか?と検討した結果が報告されました(Neuroimmunol 2014;42:226-34)。その結果、非従軍兵士と比較した場合のリスクは0.69 (95%CI: 0.61-0.78)ときれいに有意差がなく(むしろリスクが低い)、陸海空軍、海兵隊間でも有意差はありませんでした。女性だけに限っても、0.96 (0.75-1.22)。
  10. 子宮頸がんワクチンの副反応は何か?
    2014年1月、厚生労働省の検討部会(桃井真理子・元自治医大小児科教授)は、子宮頸がんワクチンの副反応とみられる症状について、“筋肉注射という針の傷みや医師の説明不足などの『心身の反応』が原因”と結論づけました。しかし、信州大学の池田教授は「(副反応の)全てのことを“心因反応”で説明することは医学的に不可能」と主張しています。副反応の疑いがある患者40人を調査。「患者29人に自律神経の異常がみられる」とする研究成果をまとめ、Internal Medicineに発表予定だそうです。  

    「普通は神経の束がぴっちり整列している。ところが神経が壊れると神経の中が“むくむ”」さらに池田教授らは、「体位性頻脈症候群=POTS」(起き上がった時などに立ちくらみや目まいが起きる)に注目しているそうですと、TBSなどで報じられました。  

    平成25年度神経免疫班会議(楠斑)で池田教授ら(信州大第三内科-神経内科主体)は、12-19歳までの23名(口演の際の患者数はメモできませんでした)のワクチン接種した女性を対象に検討した結果を発表。脈派の波高の低下、皮膚温の低下、起立によるカテコラミン試験、MIBG心筋シンチグラフィーの結果から、交感神経障害が疑われること、末梢神経生検で浮腫が認められることを報告しました。PGE1点滴やドプス内服で症状が改善した例があることも示されました。ただ、議論の中で、ワクチン接種から発症まで2年も経過している例(抄録の23例まででは15ヶ月がmax)があることが指摘され、ワクチン接種との因果関係が本当にあると言えるのか、という指摘も。  

    2014年7月、新しい検討部会が厚労省により設置され、池田教授らの班会議は解散しました。神経班が継続しなかった件でメディアは批判的に報じました。全体像が不明ですが、メディアが報じている症状(多くは桃井先生らが掌握している所見に一致しているように思われます)と池田教授らの報告のイメージとは重なりません。異なる患者集団、あるいは池田教授らが一部の特異な患者集団を対象としているのかもしれません。
  11. 様々なランキング
    1. 全世界で人間を殺した数が多い生物ランキング(WHO調べ)
      第1位  蚊 72万5000人
      第2位  人間 47万5000人
      第3位  蛇 5万人
      第4位  イヌ 2万5000人
      第5位  ツエツエバエ 1万人
      第5位  サシガメ
      第5位  フレッシュ ウォータースネイル
      第8位  回虫 2500人
      第9位  サナダムシ 2000人
      第10位 クロコダイル 1000人  
    2. 2013年地域ブランドランキング(グランド総合研究所2013年調査)
      第1位  北海道
      第2位  京都府
      第3位  沖縄県
      第4位  東京都
      第5位  神奈川県
      第43位  徳島県
      第44位  群馬県
      第45位  埼玉県!
      第46位  佐賀県
      第47位  茨城県
      因みに、6-10位には、順に奈良、福岡、大阪、長野、兵庫。上位は結局、観光地!  新潟県は30位、番組で埼玉以外にいじられて話題の島根は33位(未だに島根と鳥取のどっちが東側か、筆者は不明)、滋賀は36位、鳥取はやっぱりの41位。
    3. 2014年住みたい街ランキング(リクルート住まいカンパニー)
      第1位(昨年も1位) 吉祥寺。4年連続トップ。井の頭公園があり、駅前には東急百貨店やPARCOがあって便利、と住人は主張。
      第2位(2) 恵比寿。高級感があって、セレブのイメージがあるんだそうな。しかし、大きなスーパーもなく、生活には不便という意見も。企業の存在によるイメージ?
      第3位(13) 池袋。下町の親近感?副都心線と東横線が2013年3月に相互直通運転開始して、アクセスが便利に。しかし、埼玉から直通していて、おしゃれ感ゼロ、という住人の意見も。埼玉って、都民には嫌われていますなあ。

  12. 対症療法のreviewが目立ちます
    • Gold R, Oreja-Guevara C. Advances in the management of multiple sclerosis spasticity: multiple sclerosis spasticity guidelines. Expert Rev Neurother. 2013;13(12 Suppl):55-9.
    • Lorenzl S, Nubling G, Perrar KM, Voltz R. Palliative treatment of chronic neurologic disorders. Handb Clin Neurol. 2013;118:133-9.
    • Jawahar R, Oh U, Yang S, Lapane KL. A systematic review of pharmacological pain management in multiple sclerosis. Drugs. 2013;73:1711-22.
    • Induruwa I, Constantinescu CS, Gran B. Fatigue in multiple sclerosis - a brief review. J Neurol Sci. 2012;323:9-15.
    • Amato MP, Portaccio E. Management options in multiple sclerosis-associated fatigue. Expert Opin Pharmacother. 2012;13:207-16.
    • Berger JR. Functional improvement and symptom management in multiple sclerosis: clinical efficacy of current therapies. Am J Manag Care. 2011;17 Suppl 5 Improving:S146-53.
    • Samkoff LM, Goodman AD. Symptomatic management in multiple sclerosis. Neurol Clin. 2011;29:449-63.
    • Ben-Zacharia AB. Therapeutics for multiple sclerosis symptoms. Mt Sinai J Med. 2011;78:176-91.
    • Thompson AJ, Toosy A, Clccarelli O. Pharmacological management of symptoms in multiple sclerosis: current approaches and future directions. Lancet Neurol 2010;9:1182-99.
    • Kessler TM, Fowler CJ, Panicker JN. Sexual dysfunction in multiple sclerosis. Expert Rev Neurother. 2009;9:341-50.

  13. 「バベル」(福田和代  文藝春秋)
    言葉を破壊するウイルスが日本を席巻。政府の対策は・・・バイオクライシスノベルですが、結末は明るいです。
  14. Fingolimod中止後にreboundしたMS患者の報告
    Arch Neurol 2012;69:262-4; Mult Scler 2012;18:1636-9;J Neurol 2013;260:327-9; Neurology 2012;79:2006-7; J Neurol 2013;260:1675-7; Eur J Neurol 2013;20:e109-10; La Mantia, Prone, Marazzi, et al. Neurol Sci 2014, in press.  

    7例の中止の理由は、local malignant melamoma, infections (2 cases), treatment failure (2), pregnancy, patient choice. 最後の論文は次の項目で紹介します。
  15. リンパ球数減少でFingolimod中止後に再発と20個以上の造影病変!
    イタリアのMilanからの報告(La Mantia, Prone, Marazzi, et al. Neurol Sci 2014, in press.)。RRMSの36歳白人女性がIFNβ治療では2年間で3回再発しましたが、抗JCV抗体が陽性だったため、FTYへ切り替え(EDSS 6.0)。2ヶ月後、白血球数が1720、リンパ球数が140にまで低下したため安全性勧告(引用されていませんが、イタリア国内の条件?)に基づいて中止。中止2ヶ月後にはリンパ球数は元に回復しましたが、対麻痺(EDSS 6.5)と脳MRIで20個以上の造影病変検出。  

    これは著者らによりますと、リンパ球数低下が理由で中止後に再発した初めての症例報告だそうな。私が提唱している減量療法(Mult Scler 2013;19:1244-5)が中止しないで済む方法として紹介されていました。
  16. 「ああ、良い勉強になった」
    珍しい患者さんを経験した後で、こんなことをおっしゃる医師がいます。概ね、そのまま通院させずに、前医に紹介してしまうことが多いのではないでしょうか?外来が混んだら、丁寧に診察できないから、というのがその理由なのでしょうが、安定しているようなら、4週間を6週間ごとへ、さらに2ヶ月後と、3ヶ月ごとに間隔を空けてゆけば、病院の収入は減りますが、外来通院患者さんの総数は減ることはありません。そもそも、医師にとっては教科書通りの珍しい現象を眼のあたりにできて、記憶が鮮明になって、良い経験にはなったかもしれませんが、長く経過を観察したり、日常生活で困ることの相談を受けることで、新しい発見や対策を創造できるかもしれないのです。医師は単なる傍観者では困ります。経験を元に、対策を考えることが次の医療の扉を開くと思うのです。昔から、経験至上主義を主張する医師はいましたが、数限りない現象を個人で経験することは不可能です。そのために論文や学会報告があります。他の人の経験にも耳を傾けることも大切です。
  17. MSはTh17-mediatedではない証拠?
    欧米の多くのMS研究者はMSがTh17-mediatedであるとかたくなに信じているように思われます。単に一部のEAEのみの現象にすぎない上、MSでの証拠に乏しいと思うのですが・・・  

    FingolimodはMSで治療効果が認められます。米国ではFDAにより認可されず、EUでのみ発売されているAlentuzumabを除けば、Fingolimodは世界最強、と筆者は評価しています。いろんな有害事象はありますが、適応と有害事象の知識を充分の持つことが重要です。  

    Fingolimodが体内で作用するために重要なS1P1リン酸化を阻害すると、Th17-mediatedのEAE病変を増悪させることが示されています(Nature Immunol 2013;14:1166-72.)。このことは、治療効果が認められるMSがTH17-mediatedではなく、増悪が示されているNMOの機序の説明になると思われます。特に、浮腫の強い病変が誘発されることもじゅうようなのでしょう。
  18. 元カレ元カノに電話して人の輪を繋いでゆく
    「ジャルやる」という関西テレビで放映している深夜のローカル番組ですが、インタビューで繋いでゆくので、相手が地元にいないと途切れますし、時間制限があるので、畿内にいても遠いと会いには行けないでしょう。移動に要する時間も必要なので、6人までに到達することは至難のように思われます。驚くのは、今時の男の子も女の子も意外に元カレ、元カノの電話番号を残していること。  

    現役のプロ野球選手の夫の携帯の電話帳に女性の名前を発見した妻が、この人誰?夫はばばあや、と。なら電話してと、元テレ東の女子アナの妻が言い、出てきた若い女性に目くじらを立てたら、夫はすかさず携帯をへし折ったそうな。これ以上、やばいもん、発見されたら、かなわん・・・(2014/7/9「ナカイの窓」で)
  19. 京都の相変わらず危険な自転車
    警察庁が歩道での自転車走行に規制をかけ始めましたが、京都では相変わらず、チリンチリンとベルを鳴らしながら、遠慮もなく、歩道を走り続けています。筆者は、京都在住10年になりますが、「止まれ」表示で止まった自転車を見たことがありません。左右を見ることさえありません。赤信号を左右も確認せずに突っ走る自転車はむしろ一般的です。夜間、暗い道でも50%は点灯していません。道路交通法を知らないだけではなくて、常識が通用しない人たちが多いことに驚かされます。しかも、若い人だけではありません。自転車をもっと規制するか、自動車が自転車をはねても「前方不注意」の適応をきわめて厳格にするか、するべきです。  

    2015年6月に道路交通法が改正され、自転車への罰則が強化されました。でも、京都市内では相変わらず歩道を走っていますし、一方通行の逆走は日常茶飯事。
  20. 昔は・・・なんて言いたかないが  
    最近のハリウッド映画は(最近のヨーロッパ映画を知らないので)CGを多用したり、やたらと火薬を使うなど、見たことがないような映像を見せてくれるので、ただただ吃驚します。メリル・ストリープとジュリア・ロバーツが共演した「八月の家族たち」なんていう、凄い脚本と演技の映画も稀にはあります。「レ・ミゼラブル」や「アナと雪の女王」みたいなミュージカル映画を別にしますと、美しいメロディーラインの主題曲って、最近あるんでしょうか?年をとってから、懐かしく思い出せる映画音楽が、最近の映画では少ないような気がします。昔はきら星のごとくありましたねえ・・・「避暑地の出来事」や「旅情」「鉄道員」「禁じられた遊び」「エデンの東」「第三の男」なんていう時代までさかのぼらなくても、ニューシネマ前後以降、たくさんありました。どれだけご存じでアリンス?

    ある愛の詩/白い恋人たち/男と女/荒野の七人/ライムライト/風と共に去りぬ/「ドクトル・ジバゴ」よりララのテーマ/「スティング」よりジ・エンターテイナー/「世界残酷物語」よりモア/ロミオとジュリエット/太陽がいっぱい/パピヨン/「卒業」よりサウンド・オブ・サイレンス/愛と青春の旅立ち/ひまわり/栄光への脱出/野生のエルザ/スター誕生?愛のテーマ/追憶/史上最大の作戦