2014年7月号 NO.2

  1. 関西の蛍観賞地
  2. MS進行例に抗EBウイルス療法
  3. 大阪市内の小学校の図書室は開かない
  4. Alemtuzumab投与後の自己免疫現象の予知にIL-21は使えるか?
  5. FDAからの報告-Natalizumab投与中患者でのヘルペス感染
  6. 様々な調査による平均値のお話
  7. 結婚3年未満のママの44%は本気で離婚を考えたことがある!
  8. 抗NMDAR抗体はNMOsdや視神経炎などでも
  9. 抗NMDAR abの測定法と特異性について
  10. 「パシフィック・リム」
  11. 2014年5月29-31日、浜松で日本小児神経学会開催
  12. 血漿FGF21とGDF15はミトコンドリア病のバイオマーカーになる
  13. 「ライアー」
  14. 病院内での自殺予防
  15. ウォーキング電動三輪車
  16. 政教分離について
  17. 2012年SSPE全国サーベイランス調査
  18. ニュースの使命とは何か?
  19. 2012年版Impact Factor
  20. モノクローナル抗体の分類と名称
  21. IRIS (Immune Reconstitution inflammatory syndrome)の特徴
  1. 関西の蛍観賞地
    成虫の寿命は、雄が5日、雌が7日だそうな。
    京都・下鴨神社 第24回蛍火の茶会 今年は6月14日に糺の森・森奈良殿神池付近でゲンジボタル400匹を放流予定
    哲学の道 少数ですが、生息?放流?
    守山市 第11回守山ほたるパーク&ウォーク (5/30-6/8)
    宇治市植物公園 第9回蛍ナイター (6/15まで)
    けいはんな記念公園 水景園のホタル鑑賞会 (6/15まで)
    新梅田シティ・中自然の森に「蛍」、舞う。6/13 2000匹放流予定。綾瀬はるかさんが放流したのは多分、これ。
    万博記念公園 蛍の夕べ 6/8まで  (京都新聞付録の「週間トマト」2014/5/30より)
  2. MS進行例に抗EBウイルス療法
    EBVのMS発症リスクでの重要性は確立していますし、思春期に伝染性単核症を発症すると、その後のMS発症リスクはとても大きくなります。ただ、EBV感染とMS発症との間にナニが起きているかは不明なので、ペプチドであってもワクチンによりリンパ球を刺激することが、MS発症リスクを下げるかどうかは不明です。オーストラリアからSPMS42歳男性例に対するadoptive immunotherapy報告が出ています(Pender MP, et al. Mult Scler 2014, in press)。EBV由来ペプチドとIL-2で増殖させた抗原特異的CD8陽性CTLを4回投与。脳MRIでの造影病変数とCSF内IgG 産生が減少。CTLによりEBV感染B細胞がkillingされた結果ではないかと著者らは推測。でも・・・EBV感染B細胞減少と造影病変数減少と間にどのような説明が可能なのでしょうか?(Fissolo N, Mult Scler, in press) あるいは、投与したCTLが免疫系にnon-specificにsuppressiveな作用(by-stander effects)をしたのでしょうか・・・?
  3. 大阪市内の小学校の図書室は開かない
    1年間、一度も図書室を開かない小学校もあることが平成25年の大阪市教育委員会のアンケート調査で判明。なんと12/299校もが一度も開かなかった、なんて驚きません?今どきの学校ってどないなってるン?118校(40%)が週に1-2回しか開いていないそうです。なぜか?教師は昼休みも生徒から離れられないのですね。宿題のチェックは昼休みに教室で子供達が食べている脇で行い、休み時間の最後に自分の食事を?き込んでいる始末。一方で、図書室を開ける場合、原則、教師がいる必要があることを文科省が指示しているんだとか。ええやんか!と思うのですが、昼休み、運動場には監視役の教師がいます。事故があると管理責任を問われるんだそうな。学級新聞とか、授業以外に教師は忙しすぎます。  

    一方で、箕面市には20校に一人司書がいます。20校で年間9000万円の費用が必要で、429校ある大阪市では19億円の予算が必要ですが、現在の市長では図書室を開く意志はないでしょうなあ・・・方法はあるはずです。PTAも協力するべきでしょう。神戸市では少なくとも一日1回は開くようにしているそうです。原則、教師が立ち会うけれど、児童だけで開くことも。和歌山県では9割が毎日開いているそうです。親たちがうるさいんでしょうな、大阪は。結構、自分たちで管理させると子供達ってなんとかできますよ。
  4. Alemtuzumab投与後の自己免疫現象の予知にIL-21は使えるか?
    自己幹細胞移植の原理で、CD52に対するmonoclonal antibodyであるAlemtuzumabのRRMSへの治療は良好で(N Engl J Med 2008;359:1786-801; Lancet 2012;380:1819-28; Lancet 2012;380:1829-39)、既に本誌でも紹介しましたが、5年後には70%で治療が不要になると言われています(Neurology 2012;78:1069-78)。「完全寛解」の可能性がRRMSで出てきました。  

    ところが、やっかいな有害事象が知られています。少なくとも30%の患者でthyroid autoimmunityが出現し、2%でITPが出現します。後者により治験中、脳出血で1例死亡しています。ITPの発症様式や重症度はSLEで認められるITPと同一と言われます。これらの自己免疫現象は、一旦、リンパ球が枯渇した後、再生するときにabnormal cloneが立ち上がるのだろうと考えられています。subclinicalな状態をチェックできれば、予知が可能になります。で、薬剤を開発したCambridgeのグループは、血中のIL-21が2倍以上高かったグループ(430 pg/ml vs 206 pg/ml, p = 0.001)は後に自己免疫の有害事象を呈したことを報告しました。210をcut-off値とすると、positive predictive valueが70%、negative predictive valueが62%で、感度が66%、特異性が67%でした(J Clin Invest 2009;119:2052-61)。  

    そこで、市販のELISAを用いて、IL-21が予知因子として利用可能か否かについて、検討されました(Azzopardi L. et al. JNNP in press)。基準となるキットでは全例で数値が出たようですが、他の4つのELISA kitでは、0%、12%、30%、32%でしか検出できませんでした。基準としたkitでは、230 pg/mlをcut off値とすると、感度81%、特異性67%でした。この場合、投与患者の投与前の血中値の予告値なので、特異性よりも感度が重要な気がします。
  5. FDAからの報告-Natalizumab投与中患者でのヘルペス感染
    2004年11月から2012年12月までFDAのAdverse Event Reporting Systemに市販後報告されたnatalizumab治療され、ヘルペス感染症を発症した20例のMS患者が報告されました(Clin Inf Dis 2013;57:849-52)。NTZ治療中のCSFではCD4/CD8比が末梢血に比して低下するので、免疫監視体制の機能が低下することが予想されます。内容は、
    HSV-1脳炎          5例
    HSV-2感染          5例   脳炎2例、髄膜炎2例、髄膜脳炎1例
    HSV-1 or 2 (未同定)      6例   脳炎3例、髄膜炎3例
    VZV感染           4例   髄膜炎2例、髄膜脳炎1例、髄膜神経根炎1例  
    HSV-1脳炎を呈した48歳女性例とHSV-2脳炎の54歳男性例が死亡。4例は精神神経学的後遺症を残したそうです。HSVのCNSへの感染予防(J Immunol 2005;174:2919-25; J Immunol 2008;181:6417-26)だけでなく、回復にもHSV特異的CD8陽性細胞が関与している(J Neuroimmunol 2003;140:13-27)ことが、マウスモデルで報告されています。
  6. 様々な調査による平均値のお話
    • 告白された回数 M: 1.8回 (女性から告白した、ってことでしょ?信じらんなーい)、F: 4.5回
    • 入浴時間 26分 (MCの関ジャニ∞の村上クンはきったなーと叫んでいましたが、これでも長くね?)
    • 何歳まで生きたいか? 76.3歳 (平均寿命より短いのは・・・)
    • 妻が持つ、夫に内緒のへそくり  416万円 (専業主婦ってことですから、元は夫の給料だけど・・・)
    • 幕内力士の体重 161.5 kg (意外に重い)
    • 人生のピーク 39歳 (不惑を過ぎたら、人生下り坂、って悲しくね?)
    • Twitterで繋がっている人数  85.4人 (多いんですねえ)
    • 友達の数 15人 (定義が問題。借金の連帯保証人になれる人数ったら、ゼロに近くなるでしょうねえ)
    • 女性が大人になったと考える年齢  26.6歳 (なんとなく、判ります。近くの女性たちに聞いたら、15-16歳だと答えてました。まるで、戦国時代。大阪はそうや、と。)
    (日本テレビ系列「月曜から夜ふかし」より)
  7. 結婚3年未満のママの44%は本気で離婚を考えたことがある!
    ダイヤモンド社の調査によりますと、n=62と少ないのですが上記の結果が得られました。既に離婚しているのが8%。結婚10年以上のママ47名に聞いたら、60%があると解答。既に離婚しているのが8%。(同社のHP、2014/6/20付けより)
  8. 抗NMDAR抗体はNMOsdや視神経炎などでも 辺縁系脳炎以外の様々な疾患で報告されていますが、報告のqualityは方法とサンプルで評価するべきでしょう。因みに、当院から臨床神経に報告したケースは、CSFがサンプルで、cell-based assayデス。
    Kruer MC, et al. NMDA receptor encephalitis mimicking seronegative neuromyelitis optica. Neurology. 2010;74:1473-5.
    Motoyama R1, et al. [Anti-NMDA receptor antibody encephalitis with recurrent optic neuritis and epilepsy]. 臨床神経 2010;50:585-8.
    Zoccarato M, et al. Aquaporin-4 antibody neuromyelitis optica following anti-NMDA receptor encephalitis. J Neurol. 2013;260:3185-7.
    Titulaer MJ, et al. Overlapping demyelinating syndromes and anti?N-methyl-D-aspartate receptor encephalitis. Ann Neurol. 2014 ;75:411-28
  9. 抗NMDAR abの測定法と特異性について
    以前から、NHO静岡てんかんセンター・高橋らのペプチドを用いた抗体の測定法に対して、Dr Dalmauは学会やLetter (Ann Neurol 2008;64:111-2) で批判していました。CJD弧発例で抗NMDAR抗体が見いだされた報告を行った徳島大 (J Neurol 2012;259:985-8) からの典型的なsCJDのCSF中には抗NMDAR抗体は見いだされないと報告したDalmau自身らへのLetterに対する返答でも、抗体のエピトープは立体構造に依存するので、ペプチドによる抗体検出は不正確である、と改めて批判しました(JAMA Neurol 2014;71:514-5)。B cellエピトープは立体構造に依存しますので、この批判は正確です。たとえば、抗AQP4抗体は合成ペプチドでは測定できません。  

    背景は少しややこしくて理解しにくいかもしれません。DalmauらがsCJDの鑑別診断にはむしろCSF中の抗NMDAR抗体測定が役立つと主張しています (JAMA Neurol 2014;71:74-8)。なぜなら、sCJD患者で抗NMDAR抗体が見いだされた、というOxford大のグループの報告はCSFではなくて血中だったので、CSFをサンプルにcell-based assayをすれば、陰性のはずだ、と主張したのです。しかし、徳島大の論文には高橋らのペプチドを用いた抗体以外に、金沢医大の田中惠子らが測定した、Dalmauらの方法 (Lancet Neurol 2014;13:167-77) と同じcell-based assay (Intern Med 2010;49:2167-73; 臨床神経 2010;50:585-8; Neurobiol Dis 2012;45:610-5) による抗NMDAR抗体がCSF中で見出されたというデータも含まれています。Dalmauらの方法との違いは、transfected cellsを染色前に固定しているか否か、ですが、これは抗体が受容体に結合した後でcappingして内在化してしまうので、陽性率が落ちる、と固定しているようです。(以前、ドゥシャンヌ型筋ジストロフィー症患児の末梢血リンパ球のcappingが話題になったことがありますね) 固定すると、非特異的染色が特異的反応を邪魔するかもしれません。少なくとも生細胞で陽性なら文句はないはず。より自然なのですから。
  10. 「パシフィック・リム」
    2013年米国映画。地球を征服するために、宇宙人が次々に怪獣を送り込んできます。地球側は敗北を重ねますが、ようやくガンダムタイプのロボットを開発し、戦います。二人が入って操縦するのですが、お互いの脳が同期しないと動かず、それぞれ右脳、左脳を担当し、操縦席で立ったままロボットを動かします。飛べないので、歩くのですが、なぜか、二人の脚は左右同期しています。ロボットの脚は2本ですが、操縦者の脚は4本で、右脳左脳といってもそれぞれ一方の脚だけを担当しているわけではありません。どうなってるん?海の中も歩いて移動しますから、でかいです。その大きさのまま都市部でも怪獣と闘うので、周辺のビルはby-stander effectsで壊れます。ウルトラマンより武器をいろいろ持っていて、ガンダム的? 映画の終わりに出てくる出演者リストの3番目にRinko Kikutiの名前。育ての親という設定の司令官と時々日本語で会話しますが、この時は英文の字幕が出ます。怪獣はそのまま英語で通用していました。菊地凛子さんの少女時代を芦田愛菜さんが演じています。映画の敵役はインディアン、ナチ、ソビエトと続き、エイリアンとなって、次は?
  11. 2014年5月29-31日、浜松で日本小児神経学会開催
    当院からは、小児発症NMO自験例のまとめと抗MOG抗体例について報告しました。
  12. 血漿FGF21とGDF15はミトコンドリア病のバイオマーカーになる という結果が2014年5月29-31日、浜松で開催された日本小児神経学会で久留米大学小児科から報告されました。前者は乳酸・ピルビン酸より感度、特異性とも高いそうで、フィンランドから2011年にLancet Neurologyに報告されたそうです。後者は、FGF21より有用かもしれないと報告されました。元は心不全のマーカー。Controlとのoverlapが少なく、感度は95,2%、特異性は97.9%。
  13. 「ライアー」
    大沢在昌さん(代表作は「新宿鮫」)の新作(新潮社)。主人公は日本政府が密かに設立した非合法組織に属し、暗殺を職業とする一児の母。週に数日勤務し、国外で事故に見せかけて暗殺を実行する際は海外出張する、非正規公務員みたいな立場。任務の趣旨は、「国家と国民を守るための戦い・・・現行法ではいかんともしがたい犯罪者を、その人物が多大な損害を国家や国民に与える前に排除する」ことで、「秘密を知ることが権力である時代はとうに終わっている・・・権力は個人ではなくシステムの中に存在」し、その歯車として機能している、という設定。まあ、小説ですから・・・現実に存在する国家もありますね。国外に限定せず、あからさまに国内外で国家機関の関与も疑われるような方法で暗殺する国も存在します。政敵は当然、排除されます。ジャーナリストさえも。
  14. 病院内での自殺予防 と題する提言が財団法人・日本医療機能評価機構から出ています。2005年9月に会員病院を対象に行ったアンケート調査の概要は「患者安全ジャーナル 2006;13:64-9」で報告されていますが、これに先行研究なども踏まえて以下の11項目が2007年に提言されました。  

    自殺は主要な医療事故、疾病罹患あるいは健康問題が主要動機、ほとんどが行為の時点で精神疾患に罹患、精神あるいは身体疾患以外の危険因子(自殺の家族歴、過去の自傷歴、喪失体験など)を知る、予兆に注意を、患者の立場になって心のケアを、こころの専門家への相談を、自殺を未然に防ぐための環境整備、別の患者の自殺が誘発するなどの続発に注意、医療スタッフの心のケアを、自殺予防についての学習機会の設置。  

    アンケート調査の結果によりますと、以下のような現状が見えてきます。
    1. 回答率がそれぞれ57%、64%で、過去3年以内に入院患者の自殺事例を有する割合は、一般病院で29% (170病院、347例)、精神病院で66% (70病院、154例)と、やはり精神科病棟が目立ちますが、一般病院でも決して稀ではありません。回答しなかった病院の多くが未経験だとしても、15%以上の病院で経験しているようなので。
    2. 一般病院での自殺の手段は、高所からの飛び降りが40%、縊首が36%。道具はタオルや衣服、寝具、電気コードのほか、ナースコールや輸液ポンプのコード、カーテン、抑制帯でも。
    3. 事故発生後、関係した医療スタッフへのメンタル・ケアは、一般病院ではわずか17%でしか行われていなかった。

  15. ウォーキング電動三輪車 という商品が片山工業(岡山県にある世界的な自動車部品メーカーなんだそうな。製作チームの顔ぶれから、これはイメージ作りのための広告塔のような商品では、という意見もあるようです)から2014年9月、予約開始されます。定価29万円ほど。全長1200 mm位で小回りが利きます。自転車との違いは、倒れないこと、足踏みしながら進むので立っていること、三輪車なので横幅があること、幅があるために横に立っては押せないのでペダルを挙げることができ、後輪の間に立って押すことになります。駐輪に困るでしょうね。自転車に比しての優位性が何なのか、ちょっと判りづらいのですが、子供の頃に自転車に乗れるようにはならなかった大人や高齢者には良いかも。籠も付くそうです。踵を意識すると、ヒップアップにも良いと、片山さんとおっしゃるオーナーの娘さん(?)らしき若い販売担当者が説明していました。この会社、お弁当の宅配まで始めています。(BS TBS「ヒットリサーチ」2014/6/14より)
  16. 政教分離について
    創価学会と公明党に関してではありません。JFK (ケネディ大統領)によるグレーターヒューストン聖職者教会での有名な演説(1960/9/12)から。当時は上院議員でした。

    「私の信じる大統領職は
    特定の宗教グループの道具になって
    貶められることがなく
    また、ある宗教グループの信者がその職に就くことを
    恣意的に阻むことで
    その権威が汚されることのない
    偉大な職務です」
  17. 2012年SSPE全国サーベイランス調査 の結果が2014年5月29-31日、浜松で開催された日本小児神経学会で報告されました。一次調査で88例、二次調査では40例が集積されました。2007年の前回調査以降の発症者は15例。発症年齢は2歳6ヶ月から22歳4ヶ月で、18歳以降の発症例は5例。これらの後期発症例は進行が早く、重症度が重い傾向があったそうです。2002年以降、MRワクチン接種が行われるようになり、2002年以降に麻疹に罹患したSSPE患者は今のところいないそうですが、フィリピンで麻疹が大発生していることや米国内でも三桁の発症例があることから、海外で罹患する可能性が指摘されました。米国で麻疹ワクチン接種がSSPE発症を著明に抑制したという輝かしい結果は、どうなるでしょう?(麻疹患者自体はフィリピンに比べれば、圧倒的に少ないですけどネ)
  18. ニュースの使命とは何か?
    「ニュースの使命とは何か?誰のために?何を伝えるのか?ニュースルームの精鋭たちが、より早く、より正確に、事件を報道すべく、奔走する。そして、今日も”ON AIR”のランプが灯る。だが、それは本当に伝えるべき真実(ニュース)なのか?」  

    このナレーションでドラマは始まります。主人公のニュースキャスターがオバマ/ロムニーの大統領選挙特番の司会の最中、共和党大統領候補・ロムニー氏の選挙広報担当者で、馘首された女性を特番のゲストに呼んで、この女性に対して以下のような発言をします。主人公は共和党員ですが、共和党を破壊しているとティー・パーティーを日頃から批判している、という設定。AARON SORKIN (NHKで放映されていた「ホワイトハウス」の初期の脚本家)が主に脚本を担当。まるで、初のアイルランド出身の民主党大統領だったJFKのスピーチライターだった、Theodore Chaikin "Ted" Sorensenを連想させます。  

    「自分が共和党員だから、そう名乗っているだけです。自由市場を信じ、良識ある現実と危険な世界に対して自衛する必要性を信じているというだけですだが、今や、共和党員はゲイを嫌い、ヒトが信仰に篤いかを気にしなきゃいけない。事実を否定し、科学的な研究をまやかしだと考えなきゃいけない。貧しい人たちは楽をしていると考え、とてつもない劣等感を抱き、そのために教育と知性を恐れなければいけない、この21世紀に。だが、何より問題なのは、今の共和党員は民主党員を嫌わなきゃいけないことだ。大統領に唾を吐きかけなかった、クリス・クリスティ知事(ニュージャージー州知事)を嫌わなければいけない。二大政党制はあらゆる政治運営で重要です。野党は名誉ある存在なのです。私が共和党員である理由は、あなたと同じだ。」(WOWOW 「ニュースルーム」第2シーズン最終回より。第3シーズン放送が決定しています。)
  19. 2012年版Impact Factor
    少し調べてみました。
    Acta Neuropathol 9.32
    Ann Neurol 11.089
    Brain 9.457
    Eur J Neurol 3.692
    Eur Neurol 1.811
    Exp Neurol 4.699
    Internal Med 0.936
    J Exp Med 13.853
    J Immunol 5.788
    J Neuroimmunol 2.959
    J Neurol 3.473
    JNNP 4.764
    J Neurol Sci 2.353
    Movement Disord 4.505
    Muscle Nerv 2.367
    Mult Scler 4.255
    NEJM 53.298
    Neurologist 1.261
    Neurology 8.312
    Neuromuscular Disord 2.797
    PLoS One 4.092    
    “the scholarly kitchen”というHPの2014年3月7日付けでPhil Davisという方による”PLoS One output falls following impact factor decline” という記事が掲載されています。2014年1月に3019編掲載されていた論文が2月には2657編に減少(それにしてもメチャ多いですが)。これは2012年6月に発表された最新のIF: 3.730と低下したことと本当に関連しているのか・・・2010年の4.4(論文掲載数6,749)から、2012年の3.7(論文掲載数23,468)へと、16%の下降。2012年6月発表の最新版では、66の雑誌が対象外となり、IFは55%が上がり、45%が下がったそうですが、PLoS Oneの低下が話題のようです。(http://www.editage.jp/insights/インパクト・ファクターの発展と衰退)2013/2014版ではPLoS Oneは前年の3.73から、さらに3.534へ低下し、ピークだった2010年の4.411からの没落が止まりません。論文が集まりにくくなると、さらに低下傾向に拍車がかかるので、PLoS 系列の事業モデルに赤信号が灯り始めた予感がします。
  20. モノクローナル抗体の分類と名称
     名称 -momab   -ximab   -zumab   -mamab  
     由来  mouse  chimera  humanized     human
     ヒトの割合  0%  66%  90%  100%
     違い    可変部のみ   CDR*のみマウス  
    * complementarity-determining regions: 相補性決定領域
  21. IRIS (Immune Reconstitution inflammatory syndrome)の特徴
    最初は、HIVへのHAART療法で免疫再構築後の脳病変形成から命名。MSではNatalizumab治療中にPML治療のために、血漿交換により免疫再構築を行うことが誘因になるとされ、JCV感染細胞に対する免疫応答が増強し、炎症(浮腫)が惹起されることによります。PML症状が増悪し、脳MRIでPML病変が造影された場合、mass effectの有無にかかわらず、IRIS関与の可能性あり。