2014年4月号 NO.3
- “ヘイ・ジュード”と“ドナドナ”に秘めた政治
- ジレニア使用成績調査結果
- 「完全履歴消去マニュアル」
- 「知の武装 救国のインテリジェンス」
- CJDが疑われた際にCSFの抗神経抗体も
- 「黒田官兵衛 作られた軍師像」
- 「未来をつくるこれからのエコ企業〈2〉新エネルギーに挑戦!海洋温度差発電」
- これもGDPを支えている
- 閉店時間は・・・
- 「ビブリア古書堂の事件手帖(5)」
- 「日経おとなのoff」
- アルツハイマー病になりにくい遺伝子を阪大が発見
- どの程度ご存じですか?
- Natalizumab-associated PMLでの今後の課題
- 異業種企業が酒造業界へ
- ヒトiPS細胞由来ドーパミン前駆細胞のラットへの移植
- 20-40歳代大阪女性の浮気の言い訳
- 水以外で薬を飲んでも良いか? 59. 「伝えられなかった五輪」
- 浅田真央は世界の伝説になった
- 自己増殖し、選手に圧力を加えるメディアの意義は何なのか?
- 先発メーカーがジェネリック医薬品の製造も
- 新しいJCVによるCNS病変
- 卒業式の定番ソング
- こけた治験
- “ヘイ・ジュード”と“ドナドナ”に秘めた政治
NHK BS放送で放映された「世紀を刻んだ歌」で紹介された、ビートルズの”ヘイ・ジュード”に以前、本誌で触れました。離婚したばかりのジョン・レノンの息子にポールが提供した歌ですが、これに感動したチェコのアイドル歌手が歌詞を変えて祖国への思いを歌いました。「プラハの春」を戦車でつぶした当時のソビエトの反感を買い、音楽界を追放されました。レコード発売禁止後もチェコ人には真意が伝わる抵抗の歌は密かに歌い継がれ、20年後、ドプチェク元第一書記や体操のチャスラフスカ元五輪選手らとともに、復権。
深夜放送には奇妙な番組が時にあります。上記のプロテストソングを紹介した後で、”ドナドナ”に纏わる話題が紹介されました。SF作家の筒井康隆さんが出演していらっしゃいましたが、MCはハイヒールのお二人。ほかにブラマヨとたむけん、というどうみても政治とは無縁のバラエティー番組。番組の最後には忌野清志郎さんの「ラブミーテンダー」の替え歌、「反核ロック」も紹介されました。(大丈夫か、この番組)
出演者リストからは想像もできない内容なので、ネトウヨは見ないか?
さて、”ドナドナ”。今や、小学校でも歌われているそうですが、そもそも題名が意味不明で、いろいろな説があるようですね。東欧に住んでいたユダヤ人のイディッシュ語が原語。日本に伝えたのはジョーン・バエズだったために、英語からの翻訳だった上、コンサートでは故意に3番の歌詞が翻訳されませんでした。その後、出版された際も3番はおそらく残酷だということで削除されたのでしょう。子牛が市場に売られてゆく悲しい歌ですが、背景まで忖度できる内容ではなくなりました。作詞はアーロン・ツアイトリンというポーランド生まれのユダヤ人。ナチのユダヤ人狩りが始まる前の1040年に発表されたために直接の関係はないとされることが多いようですが、番組ではそもそもロシア南部で迫害されていた歴史を反映しているのだ、と説明していました。3番まで歌ったバエズ自身も戦争の悲惨さとユダヤ人の迫害を歌ったものだと伝えたかったようですが、悲しい歌だと一般化されて紹介されてしまいました。当時、ベトナム戦争に反対する運動が盛んだった日本で、「ドナドナ」の真意が伝わることを米国は恐れ、CIAが通訳を脅したんだそうな。ここまで、TVで断言していましたぞ。
(テレビ朝日系ですが、たぶん、関西ローカル「ビーバップ・ハイヒール」2014年2月6日放映より)
- ジレニア使用成績調査結果
中間集計の結果が2014年2月に出ました。1200例ほどの全例調査の結果です。結果の紹介というよりも、アンケート集計という制約はありますが、制約を受けないはずの領域について、浮き上がってきた問題点を整理してみたいと思います。
- 1215例の解析で、FTY投与前1年間にIFNβ製剤使用歴のない患者さんが41.6%占めていました。全く無治療とは限りません。1年以上前には使用した患者さんもいらっしゃるのかもしれませんが、欧米と異なり、特定疾患制度の整っている日本で、治療が必要なのにしていない、という患者さんは少ないと思われます。注射がいやだという患者さんもいらっしゃるでしょうから、必要だけれども1年間治療していなかった、という患者さんなのかもしれません
(私の患者さんにはいらっしゃいませんが)。やけに目立つことに注目したいと存じます。
- 抗AQP4抗体陽性の患者さんは1例だけですが (症状の増悪はなかったようなので、治験の時の4例以外と思われます。測定法はELISAでしょうか?)、抗体見測定が280例もいます
(23.0%)。このことは、抗体測定の重要性の宣伝不足を物語っていると思われます。
- LCLを有する患者さんが50例もいます (50/1130: 4.4%)。うち、6例は抗体測定未実施。陰性の場合、FTYのriskがどうなのかは不明なので、これらの患者さん達のfollowは重要。
- LCL陽性例でのFTY有効性はどうなのでしょうか?特に、LCL消失例は持続陽性例と違いはないのか?重要な問題と思われます。
- 1195例を対象に有効性が解析されていますが、42例 (4.7%)が無効と評価されています。筆者の患者さんでFTY治療中の再発例はありませんが(たまたまかもしれませんが、治療開始3ヶ月以内も含めて)、FTY投与開始3ヶ月以内の患者さんを除外しても無効例はそこそこいらっしゃるのでしょうか?無効例の特徴の解析は、逆にFTYの治療機序解明にも役立つはずです。本当に再発だったのか?という問題もあるかもしれません。
- 治療開始1年間の年間再発率の結果が出ています。投与開始前が1.03で、1年後に0.31。Transforms試験では2年後の対照薬のIFNβ1aが0.33で、治療群が0.16だったので、国内患者の疾患活動性の高さが顕著です。日本のPhase
II試験でも6ヶ月と短いとは言え、placeboが0.986で、治療群が0.501と、中間値なのは面白い結果ですね。おそらくは今後、各医療機関のチャンピオンケースがほぼ入れ終わり、普通の患者さん達が増えてくれば、ARRは欧米に近くなってくるのでしょう。ただ、国内での患者さんを対象としたbaselineやplaceboでの結果から、従来の結果は疾患活動性が高かったためと考えられますが、であるとすれば、活動性が高ければ結果としてのARRも高めに出る、ということなのかもしれません。0.31という結果だけを見ますと、21世紀の欧米でのIFNβ治療の成績とほぼ同じになってしまいますから。
- 「完全履歴消去マニュアル」
多重債務者御用達?世間から生存の痕跡を消すノウハウを紹介した、奇妙な本。京都新聞で2月2日の書評欄で紹介されました。(河出書房新社)
- 「知の武装 救国のインテリジェンス」(手嶋龍一、佐藤 優、新潮新書)
お二人によるインテリジェンスシリーズ第3弾。TVや新聞が伝えない、現代史の読み方を解説。
- CJDが疑われた際にCSFの抗神経抗体も
スペインのGraus, Dalmauらが報告しています(JAMA Neurol 2014;71:74-8)。急速に神経症状が進行したためにCJDを疑われた346例のうち、6例で抗神経抗体
(対応抗原としては、CASPR2, LGl1, NMDAR, AQP4, Tr)が見いだされ、免疫抑制療法にて症状が改善したため、臨床的にCJDが疑われるほどの急速な進行例ではCSFを検査するべき、と。ただし、これら6例ではCJD
criteriaは満足せず、1例もprobable or possibleではなかったそうであります。病理学的にCJDと診断された、definite
CJD 49例ではこれらの抗体は陰性。
- 「黒田官兵衛 作られた軍師像」 (渡邊大門 講談社現代新書)
山本勘助をはじめ多くの軍師たちが知られていますが、そもそも戦国時代に「軍師」という言葉はなかったそうなので、それぞれの虚像が生まれた根拠があったのでしょう。黒田官兵衛・長政親子の場合も秀吉や家康に対する軍師的な役割がどのような過程で強調されるに至ったか、について巻末にまとめられています。それにしても、二次資料を元にした記述が多かったようですね。私たちが持っているイメージの大半は、吉川英治や司馬遼太郎さんの小説に負うところが大きいようです。権力者たちの正当性の根拠を作るために「歴史」が記述されてゆくことは、中世だけでなく、現代でも起こっていることはメディアの報道のレベルでさえ、私たちも知ることができます。「本当の歴史」なんて、あるんかいな?
- 「未来をつくるこれからのエコ企業〈2〉新エネルギーに挑戦!海洋温度差発電」 (孫 奈美 汐文社)
ここで記載されている自然エネルギーの一部は、TBS系列で放映中の「夢の扉」でも紹介されました。「夢の扉」とかつてNHKで放映された「プロジェクトX」の違いは、後者が既に評価が定まった成功した人や物が対象だつたのに対して、前者は成功しつつある、発展途上の夢を追いかけているテーマを描いていること。
- これもGDPを支えている
3月初めのある土曜日、北陸線のサンダーバード(筆者の世代ではNHKで放映された英国の人形劇が懐かしいです)に乗りました。グリーン車の一人席に座ったら、前の40代後半とおぼしき男性が隣の二人席に。挨拶を交わした相手は22-3歳にしか見えない可愛らしい女の子で既に座っていた所から推察しますと、大阪から乗車したようです。親子ではないらしいと確信したのは、トイレから帰ってきた女性が奥の窓側の席に座ろうとした際に、男性がさりげなく女性の腰を支えた(一般的な感覚からすれば、不必要な支えだったので、単に腰に触った?)ことから。二人は芦原(あわら)温泉で下りていきました。別に羨ましかったわけではないのです。余りにお相手が子供だったし・・・いえ、感じたことは、これも日本のGDPを支えているのだなあということと、交際費で落としているんだろうか、とか・・・
- 閉店時間は・・・
金沢市で美味しいお店を発見しました。駅から歩いて行ける距離で、西の前通にある、ステーキハウス「NEKOYANAGI」。牛肉は九州産で、県内でしか栽培していない、直径10
cmはあろうかという巨大な椎茸もありました。残念ながら、鉄板に乗せる前に一口大に切られてしまいますが、肉厚は残ります。元の大きさでしか調理できないレシピがあれば、話題になるでしょう。椎茸に3000-4000円はちょっと高いですね。さて、このお店の営業時間は夕方からですが、閉店時間は特に決められていません。一応の設定は、「倒れるまで」。
- 「ビブリア古書堂の事件手帖(5)」
シリーズ久々の第5弾。ふたりの関係、栞子さんと母親との関係はいよいよ大詰めへ。
- 「日経おとなのoff」
雑誌はoff timeでの時間の過ごし方についての情報誌ですが、BSジャパン(BS7チャンネル)で毎週月曜日22:54-23:54放映中。
- アルツハイマー病になりにくい遺伝子を阪大が発見
2014年1月29日に発表しました。DBA/2という系統のマウスはアルツハイマー病の中心病理であるアミロイドβ蛋白の沈着が他のマウスに比して1/4-1/3でしかないことを見いだし、その原因はKlc1Eという遺伝子であることを突き止めました。この遺伝子の発現量と脳内アミロイドβ蛋白蓄積量は綺麗に相関するそうです(R2=0.33,
p<0.0001)。この研究はPNAS onlineで2月4日(米国東部時間)に公開。阪大精神科の森原らによる研究です。文科省脳科学研究戦略推進プログラムの一環のようです(http://brainprogram.mext.go.jp/media/press/140204oosaka_morihara.pdf)。
- どの程度ご存じですか?
今やBS放送の深夜番組は団塊世代向けの通信販売番組で占拠されています。ユニバーサルミュージックが制作している、CDやDVDボックスを宣伝している「音楽のある風景」という番組があります。ある時、発見しました。「おとなの歌謡曲」というシリーズを見ていて、うわっ、real
timeでほとんど知っている!皆さんは如何ですか?歌っていたヒトも? 喝采/時の流れに身をまかせ/夢の途中/あずさ2号/人形の家/岬めぐり/夜明けのスキャット/木綿のハンカチーフ/なごり雪/秋桜/ふれあい/思い出の渚/魅せられて/恋人よ/悲しくてやりきれない/異邦人/終着駅/真夜中のギター/わかれうた・・・
- Natalizumab-associated PMLでの今後の課題
- 定期的に脳MRIを撮影していると、神経症状には変化がないものの、脳MRI所見が認められ、CSFでJCV geneをPCRで検出できることがあり、当初は”presymptomatic”と呼ばれていましたが(JNNP
2012;83:224-6)、次第にasymptomaticという呼び方が定着しつつあるように思われます。”presymptomatic”に比して、”asymptomatic”と言うと、subclinicalで軽症あるいは発症しない、というイメージに誤解されかねないので、注意が必要です。PMLを発症しないケースも存在するのでしょうか?仮に存在するなら、血漿交換あるいは吸着療法とステロイドパルスは常にに必要なのか、という議論になってしまうからです(多分、そんなことはないのでしょう)。神経症状が自然改善する場合もあるようなので、通常のPMLとは病態が異なる場合があるのかもしれないので、病態の解明が急がれます。ただ、practicalには発症したPMLと同じ対応をせざるを得ないので、自然に改善する割合がどの程度存在するのかを調べることは困難でしょう。
- 欧州と北米とでPMLの頻度に差があることについて。従来は免疫抑制剤使用歴の有無によると考えられてきましたが、それは現在でも本当でしょうか?最近のスライドでは、PMLのリスクのうち、投与期間の長さが24ヶ月以上と抗JCV抗体の有無のみになっていて、免疫抑制剤の使用歴は外れています。むしろ、抗JCV抗体の第2世代ELISAによる力価の値が重視されています。一部では、患者の体重差がそもそも治験段階で欧州と北米との間に存在していて(つまり、北米患者はデブだった!)、体重当たりのNatalizumab投与量が多かったため、という意見もあります。メーカーは否定していますが、根拠がPML発症例と非発症例との間の体重に有意差がないことから。根拠薄弱と思われます。24ヶ月以上投与された患者さんを対象に、できたら5
Kg毎の体重群間でのPML発症リスクを出して欲しいです(出してくれるかなあ・・・)。
- PML診断後、血漿交換あるいは吸着療法を行った後に、”symptomatic/asymptomatic”患者でのIRIS発症率は80/60%位だそうですが、このときにステロイドパルスを行った際の有効性に差はあるのでしょうか?
- 再発とIRISは病態が異なりますし、病理像も違いますが、程度の違いだけなのでしょうか?区別は可能なのでしょうか?やることは同じですけどね。ただ、通常、欧米では再発だけだったら、経口PSLをパルス後には施行しません。でも、この場合は区別できないので、投与するべきでしょう。
- もともと抗JCV抗体陽性だった患者さんと、Natalizumab投与後にseroconversionした患者さんとで、PML発症率や重症度に差があるのでしょうか?後者の方がやばいような気はします。
- Natalizumab治療中患者でのseroconversionの機序は?なぜ、自然陽転化率(3%)より高いのでしょうか?その率も、初期の17%が正しいのか、最近の30%が正しいのか?ELISAの世代間の違いなのでしょうか?
- 第2世代ELISAとNIHの血中PCRとで、検出率に差はあるのでしょうか?第1世代では差があるようなので、両者とも施行するべきではないのでしょうか?
- 米国では1ヶ月の薬価が60万円弱にも上り、年々高くなっていきます。これは日本とは異なり、公的組織(日本なら中央薬事審議会)が決定せず、メーカーが自由に決められるため。従来のIFNβなどでの動きから考えますと、将来さらに高くなってゆく可能性があります。高額になれば、特定疾患制度あるいは国民皆保険と高額医療費の上限限度額制度が破綻し、日本でも治療を受けられない患者さんが大勢出てくる可能性があります。需要と供給のバランスの上に立脚した、価格と言えるのでしょうか?かえって、メーカーも首を絞めることになってはいないのでしょうか?
- 異業種企業が酒造業界へ
- 西野金陵(香川県琴平町、西野武明社長、087・835・4133)は2014年3月5日、本来は石油製品製造に使用する、三菱化学のゼオライト膜を用いた脱水装置でアルコール度数約17度の純米大吟醸「大瀬戸の花嫁」のうまみを濃縮し、アルコール度数30度(!)の日本酒の製造に成功した、と発表。従来の製造工程では不可能だった度数ですが、甘口だそうな。メーカーは調味料やワインを濃縮した商品も考えているそうです。
- 山奥でラム酒蒸留所!自動車部品製造会社の竹廣(滋賀県大津市石山)は、国産ラム酒ブランド「NINE LEAVES(ナインリーヴズ)」 を立ち上げ、「NINE
LEAVES CLEAR(ナインリーヴズ クリア)」を開発。こちらはアルコール度数、なんと50度!沖縄県多良間島産のサトウキビから作られた黒糖が原料で、水は近くの鉱山地下50
mから湧き出てくる超軟水で仕込み、老舗のスコットランド製の蒸留器を使用し、添加物が一切入っていない、純国産。透明のスタイリッシュなボトルはフランス製。
(いずれも、TV東京系のBSジャパン24時からの「ワールド・ビジネス・サテライト」で紹介されました-2014/3/5深夜)
- ヒトiPS細胞由来ドーパミン前駆細胞のラットへの移植
培養の際にラミニン断片を敷くことで大量培養が可能となり、CORIN陽性細胞だけをソーティングすることで、移植後に腫瘍化する危険性のある未分化な細胞を除去できるようになったそうな。京大iPS細胞研究所・高橋淳教授のグループが新しい技術を開発。6-OHDA
ratに移植し、4ヶ月観察したところ、症状が改善し、腫瘍化はしなかった、と。(Doi D, Samata B, Tatsukawa M, et
al. Isolation of Human Induced Pluripotent Stem Cell-Derived Dopaminergic
Progenitors by Cell Sorting for Successful Transplantation. Stem Cell Reports
2014 online)2015年の臨床応用を目指しているそうです(毎日新聞電子版 2014/3/7)。この細胞は他の神経細胞とネットワークを作るのでしょうか?単に、ドーパミンを産生するだけ?内服薬を減量はできるでしょうが、神経細胞の変性自体は止められないと思いますが・・・
- 20-40歳代大阪女性の浮気の言い訳
浮気の有無、既婚・未婚を問わずに、番組がアンケート調査(関テレ社内や出入り業者が対象?)。私が浮気したいと思った瞬間の理由について、
第1位 37票 魅力的な男が現れた。
第2位 24票 刺激が欲しかったから。
第3位 12票 浮気をしたカレへの仕返し
第4位 10票 夜の営みの回数が減ったから。
第5位 8票 断り切れず、つい・・・
「たかじんの胸いっぱい」(関西テレビ 2014/3/8放映より) やしき たかじんさんはお亡くなりになりましたが、病気療養中も番組は続いていました。4月以降も番組は続くのでしょうか?今回の出席者は、大平サブロー、八木早希アナ(元MBSですが、NHK大阪にも出ています。整形外科医夫人)がMCで、東国原英夫、有馬晴海、遙 洋子、北野 誠、デーブ・スペクター(敬称略)が出演。
- 水以外で薬を飲んでも良いか?
ときに患者さんに聞かれます。特に多いのがお茶は大丈夫か?以前は鉄剤がダメでしたが、現在は問題ないそうです。もちろん、眠剤と酒の併用はお勧めできません。外国から帰国後、時差を急速に戻そうとして、酒を飲んで寝た後に途中覚醒した際、眠剤を飲んだら12時間以上寝てしまい、目覚めたら夕方で吃驚したことがあります。目覚めた時に、午前なのか午後なのか、一瞬、混乱したことを覚えています。
抗生剤を牛乳で飲んでもいけないそうで、これはミルクに含まれるCaのため。キレートされて血中濃度が低下するそうな。(念のために、母乳もダメですよー)大した問題はないかもしれませんが、リルテックはカフェインにより排泄が遅延されるので濃度が上昇するそうです。CYPsが絡む薬剤はたくさんありますね。カルシウム拮抗剤、CarbamazepineやTacrolimusなど。グレープフルーツなどにより血中濃度が上昇します。Tacrolimusの血中濃度がなかなか上昇しないNMO患者さんで試みたことがありますが、グレープフルーツでそれほど上昇はしませんでしたけどね。高用量では中毒になるのでしょう。
- 「伝えられなかった五輪」
報道ステーションで今回の五輪に関連したエピソードが特集されました。 サラ・バーク(Sarah Burkeカナダ)は出場していたら金メダル確実といわれていた選手(ついでに言えば、メチャクチャ綺麗な方。下着姿の写真もネットに出ていますが、プロのモデル!)。IOCに働きかけてハーフパイプスキーを冬季五輪の正式種目に決定された2ヶ月後、練習中の事故で急死。多くの仲間達に慕われた彼女を偲んで、ハーフパイプのメダリスト達は受賞時に天を指さし、両手でハートマークを作りました。ハーフパイプを整備していたロシアのボランティア達は、競技のコースをゆっくりとハートマークを作りながら滑ってきました。この時の写真はネットでも公開されています。
- 浅田真央は世界の伝説になった
ソチ冬季五輪のフィギュアスケートのショート演技で、メダルを期待されていましたが、ジャンプで転倒し16位に終わったものの、フリーでトリプルアクセルをはじめ、6種類8回のジャンプを成功させました。
「森喜朗元首相がショートプログラム後に「あの子は、大事な時に必ず転ぶ」と発言したことをどう思ったかを帰国後の海外特派員協会での記者会見で質問された際、『私自身、それを聞いたのは終わった後だった。人間なので失敗することもある。失敗したくて失敗しているわけじゃない』と言って、さらに、『私は別になんとも思っていないですけど、森さんが今、後悔しているのではないかなと思います』」とさらりとかわしていたのは23歳とは思えない大人の対応で、失敗したことでさらに成長したことを窺わせます。自己最高得点を出したことで、地元のロシア紙だけでなく、長年のライバルだったキム・ヨナや政治的に緊張が続く韓国メディア、プルシェンコ選手など、世界中から賞賛されました。「記録ではなく、記憶に残った」演技に。
- 自己増殖し、選手に圧力を加えるメディアの意義は何なのか?
商売としては奇妙な存在です。自分の存在意義を高めるために、自分で大騒ぎをして合法的に「商売繁盛」を演出できる、商売です。マッチポンプみたいな存在。浅田真央さんだけでなく、女子ジャンプの高梨選手や期待された15歳のロシアのフィギィアスケートの選手もつぶれました。こんなメディアの存在は選手にとっては疎ましいだけでもないはずですから、難しいところ。でも、もう少し、配慮するべきではないでしょうか?
- 先発メーカーがジェネリック医薬品の製造も
ずいぶん前に品質に不安を抱いた厚労省が先発メーカーにジェネリック医薬品を製造するように依頼したということを本誌でご紹介しました。ジェネリック医薬品が発売されることで収益が激減する欧米の先発メーカーが、むしろ積極的にジェネリックを製造販売する子会社を買収あるいは設立していて、国内メーカーでもこの動きが目立つようになっています。銀行ほどではないにせよ、完全子会社ではない場合、出資関係は単純ではないので、real
timeでは不正確かもしれませんが・・・インドの工場を買収したのは良いけれど、品質に問題が発生した、という第一三共の事案も(日本経済新聞 2013/10/28)。月刊ジェネリックという雑誌に「ジェネリック供給市場相関図」という出資関係の図が掲載されました(2011年12月現在の関係図)。ネットで見ることができます(http://ploop.blog12.fc2.com/blog-entry-371.html)。
2007年に田辺三菱製薬はジェネリック医薬品を販売するために、田辺製薬販売(株)を設立。以下に両者の関係の組み合わせを記載しますと・・・
杏林製薬 キョウリン・リメディオ
エーザイ エルメッド・エーザイ
第一三共 第一三共エスクア
武田薬品 あすか製薬
アステラス 日医工の一部
サイファ・アベンティス 日医工の一部
ノバルティス ドイツのサンド、日本チバガイギー (こっちも先発?)
万有(メルク) MSD
ファイザー Greenstone (米国)、マイラン製薬も?
- 新しいJCVによるCNS病変
スペインから小脳半球の生検で組織像も認められた症例報告が出ています (Ann Neurol 2013;74:622-6)。この報告の特徴は、
- 古典的なPMLの5%で小脳顆粒細胞層で神経細胞消失が認められるという報告があります (Prog Clin Biol Res 1983;105:191-203)。
- 脳MRIでも剖検でも小脳に脱髄病変はないのに、小脳顆粒細胞層にJCV感染が認められ、focal cell lossも認められ、レーザーで切り取られた顆粒細胞にJCVの存在が証明された、という報告もあります(Neurology
2003;61:775-82)。
- HIV患者で慢性に経過する小脳症状を呈した患者で、JCV感染が小脳顆粒細胞に限局した症例が報告され、JCV granule cell neuronopathy
(JCV GCN)と提唱されました (Ann Neurol 2005;57:576-80)。その後、米国だけでなく欧州、アジア、オーストラリアからも類似症例の報告があり、脳やCSFからVP1遺伝子のC末に共通の変異が発見されました。この変異はCNS外で起きたと推定されています
(Ann Neurol 2013;74:503-5)。
- JCVに感染したグリア細胞はHLA class I & IIを細胞表面に発現。小脳顆粒細胞も発現しているので、PML-IRIS (PML-immune
reconstitution inflammatory syndrome)と同様に、この患者さんのJCV GCN-IRISでもCD8陽性細胞の標的になったと考えられます
(Ann Neurol 2013;74:503-5)。大脳錐体路細胞も感染しうるので、JCV encephalopathyとも呼びます (Ann
Neurol 2009;65:742-8; P+oS One 2012;7:e35793)。
- 古典的なPML以外にJCVが起こしうる病態としては、encephalopathyのほか、髄膜炎、GCNがあります (Ann Neurol 2013;74:622-6)。
- 患者さんは33歳白人女性。IFNβ皮下注の治療歴がありますが、充分な効果がなく、2007年11月からNatalizumab治療が開始され、52回投与。開始から4年後から徐々に小脳失調が出現。脳MRIでは小脳虫部と半球の萎縮が認められましたが、T2病変や造影病変はありませんでした。CSFからJCV
virus genomeが見いだされたため、3回血漿交換療法施行。ステロイドパルスはされていないようです。2ヶ月後、小脳症状は増悪。小脳半球から生検。小脳顆粒細胞に限局した変化で、神経細胞はほぼ消失。しかし、Purkinje細胞は残存。血管周囲性にB細胞浸潤と瀰漫性にマクロファージとCD3+CD8+細胞が浸潤。EBVは脳内には陰性。生検後は大きな変化はなく、両側を支えて数歩歩ける程度。この患者さんでは古典的なPMLは認められませんでした。マクロファージとCD8陽性細胞浸潤はIRISの組織学的特徴です
(Acta Neuropathol 2012;123:235-45; Nat Rev Microbiol 2012;10:150-6)。IRIS
(Arch Neurol 2011;68:186-91)はNatalizumab治療中にPMLが発見された際、血漿交換後に認められることが常識になっています
(Neurology 2011;76:1697-704)。PML-IRISはPML患者の23%でPML病変に付随して認められるという報告もあります
(Neuropathol Exp Neurol 2012;71:604-17)。
- 卒業式の定番ソング
筆者の世代とは様変わりしてしまいました。「仰げば尊し」なんて、どこでも歌わなくなったそうでありますね。誰を仰ぐんだ?という状態だそうで・・・
どこの学校でもTVの特番でも定番ソングの常連と言えば、海援隊の「贈る言葉」と荒井由実時代の「卒業写真」。しかし、どちらも卒業式とは全く関係ありません。前者は武田鉄矢さんがふられた女性に宛てて書いた歌ですし(女性は既に亡くなったそうであります)、後者は卒業後に町でみかけた、かつて思いをかけていた男性に「遠くでしかって」と歌う、しかし決して声をかけられない失恋ソング。「ユーミンの罪」(講談社現代新書)は立派なジェンダー論になっています。ちなみに、著者の酒井順子さんはユーミンの高校の後輩。卒業式で歌います?
最近、話題なのが「旅立ちの日に」(ある学校の校長が作詞し、そこの音楽教師が作曲)。20年以上前に作られたものですが、教師向け専門誌に掲載され、全国的に有名に。こっちはオーソドックスな卒業の歌。
- こけた治験
MSの治験を始めたけれども、早々に中止された薬剤があります。
- Cladribine すでにリンパ腫や白血病などで使用されている、アデノシン拮抗薬なのですが、96週の経口薬による治験 (CLARITY study)
では効果はあったのですが、帯状疱疹や悪性腫瘍の頻度が高く、米国やEUでは承認されず、ロシアやオーストラリアでは市販されていましたが、回収されました。点滴の治験は続けられていると思います。
- Ustekinumab IL-22/23 p-40に対するヒトモノクローナル抗体で、EAEでは効いたので期待されたのですが、RRMSを対象としたPhase
II studyでプラセボに対して効果が認められず中止。
- B細胞機能を制御するBAFF (B cell activating factor) を不活化する、ヒトリコンビナントfusion proteinであるAtaciceptは疾患活動性をかえって亢進させることが判明して、早期に中止されました。
(Pract Neurol 2014;14:6-13)