2013年9月号 NO.2

  1. 関西では長茄子を作らない!?
  2. MSの民族差
  3. 「風立ちぬ」
  4. MSで使用されるDMTの妊娠、出産、授乳への影響
  5. 「23分間の奇跡」
  6. IFNβ1b pivotal study 21年後の生存率
  7. 「かもめ達のホテル」
  8. Duchenne患児の筋生検で筋組織のIL-17増強、Foxp3 mRNA減少
  9. マウスの火傷モデルでIL-17発現が増強
  10. Spastic-ataxiaを呈する疾患
  11. 区別が難しい
  12. 骨髄移植でHIVが消えた?
  13. iPS細胞で人類は不死になる?
  14. 鳩居堂はどこの会社?
  15. 医師国家試験合格率と抗AQP4抗体の感度
  16. 「道の駅」での変わったソフトクリーム
  17. CIDPでの抗体関与の根拠
  18. 「苦情・クレーム処理は楽しい!」
  19. イタリアンはナポリタン
  20. 光触媒を利用した空気清浄機の開発
  21. 痙攣の原因となり得る中枢神経に対する自己抗体
  22. 京都市内での車の運転にはご注意を!
  23. 腰痛診療ガイドライン
  24. 小説やドラマだって正確に
  25. 後天性あるいは治療可能な痙性失調症を呈する疾患
  26. 小児発症MSの総説のご紹介
  27. あいつの嫁さんは俺のものだったはずなのに・・・
  1. 関西では長茄子を作らない!?
    暑くなってきました。焼き茄子の美味しい季節です。皮をむくのに暑くて苦労しますが。しかし、どうも京都市内には賀茂茄子は売っていても、長なすが見当たりません。昨日は、とうとう四条烏丸の大丸まで探しに行きましたが、1袋しかありませんでした。近所の大国屋というスーパーでは広告で宣伝していたようですが、夕方には売り切れていました。爆発的に売れていると言うよりは、そもそも入荷しないようなのですね。ああ、焼茄子!30cmはあろうかという茄子を京都へ来て初めて見ましたが、「植木茄子」というんですね。熊本産。これは焼茄子には向かないそうであります。甘いので、そのまま焼け、と当院のスタッフに言われました。
  2. MSの民族差
    以前、アフリカ系では白人よりMSの頻度が低いと考えられてきました。意外にきちんとした疫学調査はなかったのかもしれません。少なくとも、population-based studiesはないようです。小児発症MSでは白人やヒスパニック系よりアフリカ系では2倍多いとされています(Neurology 2011;77:1143-8)。米軍兵士のデータベースでも白人よりアフリカ系の方が1.27倍頻度が多いと報告されています(Brain 2012;135:1778-85)。南カリフォルニアの人口の20%をカバーしている、Health careのデータベースを使用して、350万人以上から496名のMS患者を抽出して解析。白人やヒスパニックやアジア系よりアフリカ系の方が女性がより多い結果(79.3% vs 67.8%, 68.1%, 69.2%)。MSの頻度もアフリカ系(10.2, 95%CI: 8.4-12.4, p < 0.0001)では白人(6.9, 6.1-7.8)より多く、ヒスパニックやアジア系は白人より低かった(2.9 2.4-3.5, p < 0.0001; 1.4, 0.7-2.4, p < 0.0001)。   
  3. 「風立ちぬ」
    零戦などの設計者として知られている実在の人物を主人公としたスタジオジブリの最新作。ついに公開されました。 戦争に突き進む時代の日本をなぜ描いたのか、宮崎監督はTVのインタビューに珍しくストレートに答えています。「また、同じ時代が来たからですよ。みんなは不安だなんて言ってるけど、もうそんな時代じゃないですよ。不安だと思ったから『ナウシカ』なんて作ってきたんだから。今、必要なのは、世界は何処へ向かうのかっていう、広い視野だと思うんですよね。だから、力を尽くして生きろ、っていうこの映画かな。」 「風立ちぬ、いざ生きめやも」今回の題名の由来。実在しない女性のモデルを堀辰雄の小説からとったのは映画をエンタメにするためではありません。宮崎作品に共通するテーマは、「力を尽くして生きなさい」。今回のキャッチコピーは短く、「生きねば」。これはプロデューサーのアイディアだそうな。
  4. MSで使用されるDMTの妊娠、出産、授乳への影響
    IFNβやCopaxon、Mitoxantrone、Natalizumab、Fingolimod、フマル酸などの胎児への影響や母乳への分泌などについて、詳細なreviewが出ています。著者はUCSFのDr Cree (Mult Scler 2013;19:835-43)。
  5. 「23分間の奇跡」
    (ジェームズ・クラベル、青島幸男訳、集英社文庫) 
    教科書にも掲載された「最後の授業」は普仏戦争でドイツに敗れたアルザス地方のある小学校のフランス語で行われる最後の授業を描いた名作(ただ、この地方の言語はドイツ語で、授業で無理矢理フランス語を教えていた、という複雑さがあり、1985年以降、国内の教科書から消えました)ですが、これは別の作者により描かれた続編ともいうべき作品。戦争に敗れた国の小学校に、民主主義とは無縁と思われる戦勝国から教師が派遣されてきます。自分の父親を否定し、子供たちが洗脳されてゆく23分間が描かれています。改めて、教育の怖さを感じます。「意地悪ばあさん」を演じた俳優であり、東京都知事でもあった作家による翻訳。 AKBのたかみなさんの課題図書だそうですが、感想文を本当に書くんでしょうか?ちょっと難しい政治的な作品ですねえ。
  6. IFNβ1b pivotal study 21年後の生存率
    372例中366例(98.4%)の患者さん達の中間値21.1年の経過中、81例が死亡。これらの大部分はMS関連死。Placeboと比較すると、治療群では優位に生存率が軽減(hazard ratio: 0.532, 95% CI: 0.314-0.902)。きれいなデータです。不思議なのは、早期治療開始が重要で、その後の治療の内容は不問、ということ。もう一つ、意外なことはIFNβ1bの用量は問わないこと。pivotal trialでは250μgと50μgの隔日皮下注射の比較もあるのですが(つまり、placebo群も含めると、3 armsの比較試験)、HRと95%CIはそれぞれ0.532 (0.314-0.902; p = 0.0173)と0.540 (0.318-0.915; p = 0.0202)。両群間に有意差はないように思えますが、計算はされていません。つまり、1/5量でもいいからやらないよりは治療した方が良い、と言うことですね。ま、あくまでも生存率だけの議論ですけどね。
  7. 「かもめ達のホテル」
    サントリー系の広告代理店でCFディレクターをしていた著者の新作短編連作集(角川文庫)。人生のあの場面で、どうしてああいう決断を下したのか・・・
  8. Duchenne患児の筋生検で筋組織のIL-17増強、Foxp3 mRNA減少という報告があります(Neurology 2012;78:1309-14)。27連続例を対象に。IL-17 mRNA発現の程度はTNFα(r = 0.40, p < 0.05)やMCP-1(r = 0.43, p < 0.05)高値と相関するけれども、IL-17とIL-6(r = 0.24, p = NS)やTGFβ mRNA(r = 0.29, p = NS)とは相関なし。筋組織での炎症性反応と関連しているのでしょうが・・・著者らはDMDの臨床経過とIL-17発現の相関も示唆しています。
  9. マウスの火傷モデルでIL-17発現が増強という報告があるそうです(Cytokine 2009;45:20-5)。
  10. Spastic-ataxiaを呈する疾患
    MSの鑑別診断の対象疾患のリスト(Neurology 2012;79:1507-14)。この論文は遺伝性疾患のリストですが、MSを含む治療可能な疾患リストも不充分ですが掲載されています。
  11. 区別が難しい
    京都府警は忙しいのです、たぶん、そう思います。奇人達、じゃなかった変換間違い、貴人たちの警護とか、観光客の相手もしなきゃいけませんし・・・他の都道府県と比較して人口当たりの警察官人数が多いのでしょうか?小さなことをチェックしている暇はないと思います。筆者の前任地の県警はちっちゃなことでも現行犯で挙げてましたですね(いや、職務に忠実なのでありましょう)。高速道路では東京近郊とは違って、ほとんで不要なポルシェまで所有してましたですね。過剰装備?  
    さて、近畿は概して大変みたいです。この夏、○路のJR窓口で70歳くらいのおじいさんが職員の若い女性と口論していました。
    「なんで、途中下車できひんねん!」
    「この切符ではできないんです」
    「なんでやねん!」
    この押し問答が延々と続きます。行列は長くなる一方。筆者は2-3番後ろだったのですが、先に済ませて窓口から離れました。うーん、噂に違わず、○路は一般住民がやんちゃなので、H県警と一般住民と広域暴力団が区別できひん。むしろ、後者の方が「脅迫」とすぐに訴えられる可能性があるので、表面的にはおとなしいかもしれません。
  12. 骨髄移植でHIVが消えた?
    奇妙な話ですが、HIV治療中にリンパ腫と診断され、強力な化学療法と骨髄移植を受けた後、抗レトロウイルス治療を中止したにもかかわらず、通常は数週間で検出されるはずのウイルスが8週間と15週間経過しても流血中にHIVウイルスが見いだされない2例を経験、とハーバード大のグループがクアラルンプールで開催された国際エイズ学会で発表したそうな。CNN電子版(2013/7/4)が伝えました。通常、HIV患者が骨髄移植を受けた場合、20%死亡するそうであります。HIV感染を防ぐ遺伝子を白人の1%で持っているそうです。アフリカ系やアジア人はもっていないんだとか。
  13. iPS細胞で人類は不死になる?
    どうも本気でそう思っている方もいらっしゃるようです。京都新聞 (2013年6月30日付け朝刊)の第一面に「京大初のiPS臨床へ パーキンソン病で移植」と報道されました。先日、神戸の理化学研究所から加齢黄斑変性への治験が2014年に始まることが報道されたばかり。すでに、MS/NMO患者さんから外来で聞かれています。「いつになったら、歩けるようになりますか?」問題点はまだ多いようですが、
    1. 網膜への移植から始めようとしているのは、腫瘍化しにくいからのようです。細胞の再生・増殖機能をつぶしてしまうと、やがてはアポトーシスを起こして死んでしまうでしょうから定期的な外部からの補充が必要になります。脳にドパミン産生細胞を移植するのは、以前、メキシコを中心に行われていた、自己交感神経節細胞移植と発想は同じ。生存率は高くなるかもしれませんが、腫瘍化のリスクは残ります。
    2. パーキンソン病の病態自体には影響しませんから(単に、薬を飲まなくて良い、あるいは少なくて済む)、変性過程自体はそのままなので、結局、病気そのものは悪化してゆきますから、次第に効きにくくなるでしょう。神経保護作用のある物質の産生もできるようにすれば多少は良いかもしれません。

  14. 鳩居堂はどこの会社?
    鳩居堂本社は銀座にあって、有名なのは国税局が毎年発表する路線価が四半世紀以上に渡って鳩居堂前が日本一で、2011年ではハガキ一枚の大きさでも32万円余り。これでもピーク時の1992年と比べますと2/3なんだそうですネ。東日本の人間にとって、鳩居堂はお香や和風文房具を売る路線価日本一のお店で、東京が本社だと思っています。  
    しかし、本社は東京と京都にあって、元々は京都が本拠のようです。この辺は、明治の初めに、東京遷都の折り、天皇はん達とい(行)かはった「とらや」と同じです。一条通が御所とぶつかったとこに現在のお店があります。東京に住んではる人にとって、「とらや」の羊羹はテレビのCMでもお馴染みで、すっかり東京の企業だと思ってはって、京都に住んではる人に東京土産でこ(買)うてき(来)はる人もいはります(語尾上ガル)。
  15. 医師国家試験合格率と抗AQP4抗体の感度
    自己抗体測定に当たって、感度と特異性は常に問題となりますが、特に感度については基本的な問題を抱えています。これは医師国家試験の合格率の実際を考えると判りやすいでしょう。旧国立大学の多くではさほど問題にはされませんが、私立の医科大学にとって、受験生獲得の上でも合格率は大切でしょう。この合格率、実はくせ者。受験生をあらかじめ足切りしておけば、合格率を上げることができます。自己抗体の測定感度も似ています。分母をどう設定するかが問題。可能な限りpureな患者さんに限定すれば割合を上げることができます。実は、抗AQP4抗体の感度についてのほとんど全ての論文で、分母が不明確です。私自身はどうしたかというと、抗体の有無で診断をするわけにはいかないので、分母はLong spinal cord lesionを有する患者さんに限定しました。もちろん、LCLのないNMO患者さんはいくらでもいらっしゃいますので、NMOでの陽性率ではありません。WingerchukらのNMO診断基準の論文で感度や特異性をチェックした患者群の場合も、Mayo Clinicの医師たちがNMOだと信じた患者さんたちとそうではないと考えられた患者さんたちを対象にしています。そのために、感度や特異性が少し奇妙です。ま、当然ではありますが。
  16. 「道の駅」での変わったソフトクリーム
    今や、「道の駅」は地元業者にとって、アンテナショップになっているようで、それぞれの地域の新しい、変わった商品が売られているようです。変わったソフトクリームの素材としては・・・北が多い?
                  場所
    クマザサ        北海道・幌加内町
    昆布          北海道・函館
    ホウレンソウ      岩手・八幡平市
    ワカメ         岩手・山田町
    食用ホオズキ      秋田・上小阿仁村
    シシトウ        秋田・北秋田市
    スイカ         山形・尾花沢市
    青のり         福島・相馬市
    アスパラ        福島・平田村
    唐辛子         栃木・大田原市
    ワサビ         静岡・伊豆市
    行者ニンニク      埼玉・秩父市
    黒豆          京都・京丹後市
    ウメ          和歌山・みなべ町
    梨           鳥取・湯梨浜町
    柿           松江市、佐賀市
    石炭          福岡・糸田町、香春町
    (「京都新聞」2013/6/30日曜版より)  
  17. CIDPでの抗体関与の根拠
    1. Sural nerve biopsyでIgGと補体の沈着が認められる(Arch Neurol 1980;37:637-40)。
    2. 患者のIgGをラットのsural nerveへ受動免役することで脱髄病変を起こしうる(Ann Neurol 2000;47:765-75)。
    3. Ig Fcγ receptor IIBが未治療患者のB細胞で低下しており、そのpromotorのpolymorphismがCIDPと関連(PNAS 2009;106:4788-92)
    4. Myelin protein zeroやmyelin protein 2、myelin protein 22に対する抗体が見いだされている。最近ではaxoglial junction proteinsが抗原候補として報告された(J Peripher Nerv Syst 2011;17:62-71)。
    5. Contactin-1に対する抗体が3/46例で見いだされました。
    これらの患者さんで共通している臨床像は、高齢発症(60, 76, 77歳)、運動優位、進行性で早期から軸索障害を呈し、IVIgへの反応性が乏しいこと(Ann Neurol 2013;73:370-80)。
  18. 「苦情・クレーム処理は楽しい!」 (関根眞一、ぱる出版) 
    TVでもお馴染み、西武百貨店のお客様相談室長を8年勤めた方による、クレーム学。「お客様からの苦情」への対応が企業の生死を決めることが実例でもしめされていますし、関根さんの経験した対応策とダメな例が数多く紹介されています。 穏やかに余裕を持って相手の話を聞けるようになる心得が紹介されています。 1 「解決しない苦情はない」という考え方 2 「お話を聞かせていただきます」という気持ち 3 「お困りなのはお客様」という基本姿勢。
  19. イタリアンはナポリタン
    関西では不思議なことにナポリタンのことをイタリアンと呼びます(どなたか、由来をご存じでありましょうか?)。いずれにせよ、これは「日本料理」であって、イタリア料理ではありません。ナポリへ行っても同じものは食べられません。店によって、多少、味わいは異なるようです。京都市内ではイノダコーヒ本店や前田珈琲店が有名なようであります。イノダさんはケチャップが多いですね。
  20. 光触媒を利用した空気清浄機の開発
    北九州市のフジコーという会社が開発しました。10年かけてもなかなか完成せず、業績も悪化して、ついには700名のリストラまで行いましたが、ついに完成。誰にもまねのできない技術だからこそ有意義なのだ、と山本厚生社長が開発を推進。実験では空中に散布したブドウ球菌を30分で部屋の空気から99.9%除去することに成功。消毒しなくとも殺菌できる可能性が出てきました。いやな臭いの原因にもなる細菌も除去できます。病院だけでなく、施設での利用も考えられています。日本の技術者はすごい!(TBS系列「夢の扉」2013/6/23放映より)
  21. 痙攣の原因となり得る中枢神経に対する自己抗体
    I. Neuronal intracellular antibodies
    GAD65, ANNA-1 (Hu), Ma
    II. Neuronal cell surface antibodies
    VGKC complex, NMDAR, AMPA, GABA-B, GluR5
    (Curr Neurol Neurosci Rep 2013;13:348)
  22. 京都市内での車の運転にはご注意を!
    片手で傘を持ったり、携帯電話を見ながら走ったり、右側通行してみたり、片側2車線の交差点を斜めに曲がったり、赤信号や停止の標識を無視する大人(若者だけじゃありません)はいくらでもいますし、20時頃の晴れた日の今出川通を走っている自転車の50%は無灯火です。歩行者と激突して5000-6000万円の賠償が認められた自転車事故の判決も出ていますし、警察庁から歩道を自転車が走らないように警告を出していますが、一向に変わる気配はありません。道路交通法自体を全く知らないとしか思えない自転車乗りは数多いです。お気をつけを!
  23. 腰痛診療ガイドライン
    日本整形学会・日本腰痛学会監修で2012年に作製されました。
    1. 熱心な運動習慣のある70-100歳の高齢者では腰痛の発症率が低い (エビデンスレベルIII)
    2. 機序は不明ですが、5つのコホート研究で、喫煙が腰痛発症の危険因子 (エビデンスレベルIII)
    3. BMIと腰痛の間には有意な相関はありません。
    4. エビデンスレベルIIという高い2つのランダム化試験で硬いベットは腰痛の原因に。
    5. 安静は必ずしも有効な治療法とは言えず、痛みに応じた活動性維持、あるいは急性腰痛であっても通常の日常生活を継続することが優れていることはエビデンスレベルIのRCTやフィラデルフィア委員会のガイドラインで示されています。
    (「腰痛診療ガイドライン2012」日本整形学会・日本腰痛学会監修、南江堂, 2012)
  24. 小説やドラマだって正確に
    BSE(狂牛病)と食品偽装をテーマにしたミステリー。三上博史さん主演で「震える牛」(相場英雄小学館文庫)がWOWOWでドラマ化されました。  
    原作を読んではいないので少し異なっているのかもしれませんが、今月、放映されたドラマを見る限り、核DNAでBSEを診断できる、という設定には違和感があります。ミステリーの根幹にも少しですが関わることなので・・・専門家ではないので、不正確だったらごめんなさい。  
    プリオンは蛋白であってDNAやRNAを持っているウイルスのような生物ではありません。BSEなどのプリオン病の原因となる、異常プリオンは感染力を持っているので、正常プリオンを異常プリオンに変換させますが、正常プリオンとはアミノ酸配列は全く同一です。三次元構造が違うだけ。つまり、DNA自体は正常プリオンと同一なので、DNAを調べても正常か異常かを区別できないはずです。電気泳動することにより正常と異常プリオンは泳動パターンが違いますけどね。BSEとDNAで診断できる遺伝性プリオン病と混同?
  25. 後天性あるいは治療可能な痙性失調症を呈する疾患
    Structural or vascular pontocerebellar abnormalities
    Inflammatory CNS diseases (MSなど)
    CNS infections (梅毒、ボレリア症、HAMなど)
    Superficial siderosis Paraneoplastic neurologic syndrome (anti-Hu, anti-CV2)
    Deficiencies (Vit B12, Vit E, 銅)
    中毒(PHT, organophosphate pesticide)
    (Neurology 2012;79:1507-14)  
  26. 小児発症MSの総説のご紹介
    UCSFとTorontoの関係者が目立ちます。小児科領域では欧州が目立ちませぬ。
       一般
    1. Pediatric multiple sclerosis.
      Banwell BL. Handb Clin Neurol. 2013;112:1263-74
    2. Pediatric multiple sclerosis.
      Chitnis T, Krupp L, Yeh A, Rubin J, Kuntz N, Strober JB, Chabas D, Weinstock-Guttmann B, Ness J, Rodriguez M, Waubant E.
      Neurol Clin. 2013;29(2):481-505
    3. Pediatric multiple sclerosis: pathobiological, clinical, and magnetic resonance imaging features.
      Verhey LH, Shroff M, Banwell B.
      Neuroimaging Clin N Am. 2013;23(2):227-43.
    4. Pediatric multiple sclerosis.
      Bigi S, Banwell B. J Child Neurol.
      2012;27(11):1378-83.
    5. Pediatric multiple sclerosis.
      Venkateswaran S, Banwell B.
      Neurologist. 2010;16(2):92-105.
    6. Pediatric multiple sclerosis.
      Yeh EA, Chitnis T, Krupp L, Ness J, Chabas D, Kuntz N, Waubant E; US Network of Pediatric Multiple Sclerosis Centers of Excellence.
      Nat Rev Neurol. 2009;5(11):621-31
    7. Pediatric multiple sclerosis.
      Waubant E, Chabas D.
      Curr Treat Options Neurol. 2009;11(3):203-10.

       治療
    1. . Therapeutic Advances in Pediatric Multiple Sclerosis.
      Van Haren K, Waubant E. J
      Pediatr 2013, in press
    2. Disease-modifying therapy of pediatric multiple sclerosis.
      Chitnis T.
      Neurotherapeutics 2013;10(1):89-96
    3. The management of pediatric multiple sclerosis.
      Yeh EA, Weinstock-Guttman B.
      J Child Neurol. 2012;27(11):1384-93
    4. First-Line Disease-Modifying Therapies in Paediatric Multiple Sclerosis Jessica Johnston PharmD, BCPS, Dr Tsz-Yin So
      Drugs 2012:72:1195-1211
    5. Management of children with multiple sclerosis.
      Yeh EA.
      Paediatr Drugs 2012;14(3):165-77
    6. Treatment of pediatric optic neuritis.
      Bonhomme GR, Mitchell EB.
      Curr Treat Options Neurol. 2012;14(1):93-102
    7. Consensus statement: evaluation of new and existing therapeutics for pediatric multiple sclerosis.
      Chitnis T, Tenembaum S, Banwell B, Krupp L, Pohl D, Rostasy K, Yeh EA, Bykova O, Wassmer E, Tardieu M, Kornberg A, Ghezzi A;
      International Pediatric Multiple Sclerosis Study Group.
      Mult Scler. 2012 Jan;18(1):116-27
    8. Therapies for multiple sclerosis: considerations in the pediatric patient.
      Banwell B, Bar-Or A, Giovannoni G, Dale RC, Tardieu M.
      Nat Rev Neurol. 2011 Feb;7(2):109-22  

  27. あいつの嫁さんは俺のものだったはずなのに・・・
    TBS系列の「もてもてナインティナイン お見合い大作戦」という番組があります。不定期なのか、月一なのかは不明ですが、日本各地の嫁不足の田舎の独身男性をTVで紹介して、全国から嫁に来ても良いという独身女性に自腹(自腹は交通費だけなのかもしれませぬ)で現地まで1泊2日で見合いに来てもらう、という番組。数十名が対象ですが、女性の方が多いようです。男性の求愛に対して女性が受けるかどうかの判断をします。時に、複数の男性が名乗りを上げるので、女性はその中から付き合っても良いという男性を選びます。時には名乗りを上げた男性全員に「ごめんなさい」ということも。  
    気になる点があります。基本的にある程度はまじめな番組なので、結婚にまで到達するカップルも出てきます。初めから相思相愛でライバルがいなければ問題はないのです。ライバルが女性同士であれば、どうせ番組収録後はもう顔を合わせる機会はないのですから気楽です。でもね、男性の場合は複雑です。東京や大阪ではやりません。おそらくは人口が5万人以下の市町村で開催されます。実際に嫁入りした後、小さなコミュニティーでしょうから自分が振った男性達と顔を合わせる機会は多いはずです。トラブルは起きないのでしょうか?傷害事件とか・・・ちょこっとだけ心配。