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多発性硬化症の診断や治療に関する最新の情報サイト

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田中正美のプロフィール

2012年に日本のベスト・ドクターズの一人に選ばれています。
1989年にハーバード大学医学部所属の医師2名によって創業され、米国マサチューセッツ州ボストンに本社を置いている、ベストドクターズ社は世界中で活動しています。ベスト・ドクターに選ばれたということは、他の医師から認められ、推薦されたということ(ちょこっと、気恥ずかしい感じはありますが、同じ領域の医師から認められることはやっぱり嬉しいデス)。

多発性硬化症(MS)や視神経脊髄炎(NMO)の診断と治療を行っていますが、世界の専門医に向けて診断や治療法(Mult Scler 2013;19:1244; Mult Scler 2015;21:98; J Neurol 2015;262:781; Mult Scler J Exp Trans Clin, in pressなど)を代表的な英文の雑誌で提案しています。

また、神経免疫学会MS治験支援委員会のメンバーで、日本でのMS/NMO治療ガイドラインの初代のメンバーでもあり、治療アルゴリズム確立研究班(松井班)の研究者でもあります。患者団体であるMSキャビン(中田代表)には様々なことでお世話になっています。感謝。

もう退会してしまいましたが、以前、米国免疫学会の会員でした。この学会は年会費を払えば誰でも入れる団体ではなく、自分の業績を申請書類に添付し、3ヶ月間の審査期間の後に認められるという敷居の高い学会。この学会員の推薦がないと、毎年春に開催される数万人が参加するExperimental Biology-米国免疫学会の年次総会も兼ねた10以上もの学会の合同会議-には演題を発表できなかったのです。

神経治療学会評議員、神経感染症学会功労会員(昨年選任されましたが、すでにOB扱い!?)に選ばれており、米国神経学会(AAN)からは指導的神経内科医としての称号である(FAAN)を30代で取得しています。この15年近く、産業医としても活動しています(それゆえ、毎年、延べ300人近くワクチン接種を行っています)。

そのほか、  日本神経学会評議員や代議員、ニューヨーク科学アカデミー会員を務め、英国Oxford 大学、オーストリア・インスブルック医科大、北海道医療センター、金沢医大、東京医科歯科大、九大、名古屋大学、川棚医療センター、基盤研究所などと共同研究をして参りました。  

厚生省特定疾患調査研究班の報告会議には、「重症筋無力症」と「多発性硬化症」が独立していた時代 (大学の病棟医時代) から40年以上参加していました。重症筋無力症、myelin-associated glycoprotein (MAG)、傍腫瘍性神経症候群 (Pataneoplastic neurologic syndrome)、多発性硬化症・視神経脊髄炎 (MS/NMO) に関する研究発表を行って参りました。途中で、研究班の所属が厚生省から厚生労働省へ変わりました。

宇多野病院に在籍した10年間にimpact factor (IF)*の付いている雑誌に掲載された研究論文が27編(うち、10編が第1著者)あり、IFの合計が91.291になりました。IFの付いていない、日本語の論文 (日本神経学会機関誌である「臨床神経」や「神経内科」、「BRAIN and NERVE (旧脳と神経)」など) やIF申請中の日本神経免疫学会機関誌であるClinical Experimental Neuroimmunology にも多くの原著論文や総説を掲載して頂きました。
*トムソン・ロイター社による調査により、特定の期間内で他の論文での引用回数のスコアを表し、数が高いほど格調の高い科学雑誌を意味し、掲載が難しいことになります。

また、Lancet/Lancet Neurology, Annals of Neurology, Neurology, Journal of Neurology, Neurosurgery and Psychiatry, Multiple Sclerosis Journal, Multiple Sclerosis and related Disorders, Clinical and Experimental Neuroimmunology, Japanese Journal of Infectious Diseases, 臨床神経、Intern Med, という雑誌の論文査読者を行ってきました。ほか、 PNASからも論文査読者の分担依頼が来ています。

2016年に藤田保健衛生大学神経内科客員教授に就任し、秋には立教大学で大学生たちにゲストで講義を行う予定です。

ホワイトハウスから北へ車で40分ほど走りますと、ワシントンDC郊外に海軍病院(当時のレーガン大統領が手術をした病院)があり、その筋向かいの米国衛生研究所(NIH)の神経免疫部門(Neuroimmunology Branch, Dr McFarlin主宰)に1988年から2年間留学し、MSの病態について勉強していました。千葉大学小児科の下条教授はこの研究室の同期で、京都大・近藤誉之准教授(京都MSラボ主宰)はこの研究室の後輩。京都MSラボとは一緒に勉強する機会も持っています。 ChiefのDr. Dale McFarlinは名前の通り、暗殺されたJohn・F・Kennedy元大統領と同じアイルランド系で、deputy ChiefだったHenry McFarlandも同じです。New YorkのAlbert Einstein College of Medicine の病理の教授だったDr Cedric Stuart Raine が、時々ラボを訪れていました。Daleが亡くなった後、HenryがChiefを勤め、数年前に引退されました。皆から愛されていたDaleの思い出に、国際神経免疫学会総会では毎回、Dale McFarlin Memorial Awardが授与されて記念講演が開催されています。  
私が在籍していた部屋の室長はアストロサイトの培養技術を確立した、スイスのチューリッヒ大学のProf Fontana Aのお弟子さんのDr Paul Massa で、現在はState Univ New York Upstate Med Univ (Syracuse, NY, USA)の教授。一緒に仕事をしていたDr Richard M MacarronはNaval Med Research Center (Maryland, USA)の教授。臨床部門にいたレバノン出身のDr Suhayl Dhib-Jalbut は米国Rutgers Univの神経内科教授で、2015年までACTRIMSのPresidentをしていました。Dr Andrew D GoodmanはUniv Rochester Med Centerの神経内科と神経免疫の教授で、最近はMSのfampridineの治験をまとめました。私とは1ヶ月しかダブりませんでしたが、ドイツのUniversit閣 W殲zburg から鳴り物入りで来たDr Roland Martinは数多くの論文をNIHから発表し、現在はチューリッヒ大学教授。また、MSの麻疹ウイルスやHHV-6、TSP (HAM) の研究で有名だったDr. Steven Jacobsonもいました。

帰国後、当時の若手の研究者が4月に様々な場所に集まって時間を忘れて議論する、という研究会(Neuroimmunologists Forum)を20年間続けていました。この研究会を主宰していたのが錫村先生で、後に名古屋大学神経免疫学教授・日本神経免疫学会理事長に就任し、2015年4月から名古屋市中村区の偕行会城西病院の名誉院長に就任され、そのお手伝いに私は毎週金曜日に京都から新幹線通勤することとなりました。この研究会からは多くの研究者が誕生しています。福島医大・藤原教授、新潟大・西澤教授、信州大医療短大・高教授、金沢医大・松井教授、大原元教授、田中惠子教授、藤田保健衛生大・朝倉教授、阪大・中辻准教授、山口大・神田教授、九州大・吉良教授、長崎国際大・中村教授、鹿児島大・出雲教授など・・・MS/NMO関係者が目立ちますネ。設立当初はみんなアラフォーで若かった!?

新潟大学医学部前の産院(現在でも院長は代替わりしていますが、存続しています)で生まれ、信濃川と関屋分水と日本海に囲まれた新潟市中央区内で育った、生粋の新潟っ子です。市内で一番標準語から遠かったのは沼垂弁(大和朝廷が蝦夷対策に設立した渟足柵の土地と思われます)ですが、運良く(?)方言は乏しいです。田中角栄さんや真紀子さんの真似は意外に難しいです。

新潟大学医学部卒業後、脳研究所神経内科部門に入りました。 ちなみに、脳研究所という施設は旧国立大学では唯一で、学内では医学部と対等の地位。他の旧国立大学で脳研と言う場合の公式名称は、一段格下(ゴメンナサイ。だってホントなんだモン)の「脳研究施設」。 神経内科医としての研修を始めたときの教授は、東大から来られた椿 忠雄先生で、当時、既に新潟水俣病の発見と原因となった工業廃水を同定し、スモンの原因がキノホルムであることを初めて突き止めた研究者として知られていました(後に、教授の新潟時代、最後に媒酌人をお願いしたのが私。披露宴では教授の都立神経病院院長への転任でザワザワ)。新潟大学神経内科は九州大学とともに、MSの研究で知られていて、厚生省の研究班として活動していました。先輩には、堀川楊先生や佐藤修三先生らがいらっしゃいます。佐藤修三先生率いるMS-MAG研究グループには、西澤、田中、私以外に、犬塚 貴・岐阜大教授や柳澤勝彦・国立長寿医療研究センター長、馬場広子・東京薬科大教授らがいました。

紀伊國屋書店のウェッブストアHPに「京都と医療と人権と」と題する本棚を掲載しています。 2016年2月8日現在、20万件以上のアクセス数があり、参照数ランキングは570人中第8位。京都新聞書評欄で取り上げられた本をはじめ、硬軟取り混ぜた書物を紹介しています。京都に関連した書物も紹介しています。

                                  2016.3.6